守る場所
指名変更
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「じゃあ、今から二人一組で組手を始めて。さっきの手本、少しでも思い出しながらやってみて」
咲の号令に、少女たちははしゃぎながらも真剣な表情でそれぞれペアを組む。
「ユキ、いくよ」
「えー、手加減してね?」
「おシゲちゃん、私たちも一緒にがんばろうね」
「うん、トモミちゃん……!」
みんな真剣だった。軽口の影に、それぞれの意地とやる気がある。
(いい目をしてる)
咲は訓練所の隅に立ち、少女たちの動きをひとつずつ見ていった。
呼吸の乱れ、足の運び、踏み込みの浅さ。
声をかけるのは最小限に留めていたが、視線は確実に、全員を拾っていた。
気づけば彼もまた、生徒の間を歩きながらそっと補助に入っていた。
「崩しが浅い子が多いですね。もう少し腰を落とさせた方がいいかと」
「そうね…ありがとう」
咲はそう言って、ほんのわずかに口元を緩めた。
利吉が補助に入ると、明らかに生徒の集中力が上がっていくのがわかる。
「やっぱり人気ね、あなた」
「はぁ……? 何のことでしょう?」
わざとらしく首を傾げる利吉に、咲は小さく吹き出した。
「……それ、狙ってやってる?」
「いえ。自然とこうなるみたいで。……困っています」
声に笑みが混じっているのを咲は聞き逃さなかった。
どこか、あの頃よりも近い距離にいる気がした。
(守られるだけじゃなくて、私も……)
ふと視線を感じて振り返ると、ユキたちがにやにやしながらこちらを見ていた。
「……集中しなさい」
「はーいっ!」
満面の笑みで返され、咲はひとつため息を吐いた。
「……騒がしい子たちね」
「でも、嫌いではないでしょう?」
咲は応えず、目の前で組手に励む少女たちを見つめた。
笑いながら転ぶ声。
助け起こす声。
それを見て、また笑う声。
(……そうね)
まだ完全に慣れたわけじゃない。
けれど、この騒がしさが少しだけ、心地よくなり始めていた。