山田家での生活
指名変更
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山田家にお世話になって2週間ほどが経った。
伝蔵が家にいる夜は、どこか空気が引き締まる。
普段より少し静かで、それでいて不思議と落ち着く。
この日も、四人で食卓を囲んでいた。
炊きたてのごはんに、山菜の煮物と味噌汁。
旬の食材が並ぶ素朴な夕餉。
「味、濃くないか?」
伝蔵が箸を止めずに言う。
「そんなこと言って、もう三杯目でしょう」
母の返しに、ふっと笑いが生まれた。
その穏やかな空気に押されるようにして、咲は口を開いた。
「……少しずつ身体も戻ってきたし……そろそろ、仕事を考えようかなって思ってて」
三人の視線が一斉に向いた。
「……まだ本格的には無理かもしれないですが、できることから……甘えっぱなしも申し訳なくて」
そのときだった。
「くノ一に戻るのもいいけど……利吉のお嫁さんになるってのも、いいんじゃない?」
母の一言が、爆弾のように落とされた。
「……っっ!」
咲が咳き込む。
そして、利吉は無意識に席を立ちかけた。
「っ、咲さん、大丈夫ですか……母上!何を言い出すんですか!」
布巾を差し出す手が、明らかに震えていた。
「……ありがと」
布巾を受け取りながら見上げると、利吉は顔を赤らめていた
その瞬間――
「うむ。それも手だな」
伝蔵の一言が、さらに場の温度を変える。
「父上まで!!」
「ちょ、ちょっと…!」
利吉と咲が慌てて言い返す。
「冗談よ」と母は笑う。
けれど、続く言葉は止まらない。
「でも、利吉もそう思ってるんじゃない?」
その瞬間だった。
カシャン。
利吉が、箸を手から滑らせて落とした。
誰も言葉を発せなかった。
沈黙の中で、利吉が箸を拾う動作だけが、やけに音を立てて響いた。
拾い上げた指先が、わずかに震えていた。
「……母上」
かすれたような声。
口元がわずかに動きかけたが、言葉にはならなかった。
彼の喉仏が上下するのが見えた。
味噌汁に目を落としたまま、箸を持ち直した手が、膝の上で静かにこわばっている。
(なに……その反応)
咲は戸惑いとともに、鼓動が早まるのを感じていた。