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ヴィルケイss

オレは怒っている。いや、しょげている?だって聞いてほしい、最近ヴィルくんたら全くキスしてくれないんだもん。
愛がないよね!ってリリアちゃんに愚痴ったら「ははっ」って乾いた笑いで返された。


笑い事じゃないんだよ!
キスしてないだけじゃないし、スキンシップすらしてない。それなのにこんなどこぞの女優とキスしてるラブシーンのドラマなんて見せられて……。
まぁ、好きこのんで見てるんだけど。


いいな。そもそも何で毎日顔合わせてるのにしてないのかな……。オレからしようとして顔近づけたら避けられたし。それが一昨日のこと。

オレの魅力ってもうないのかな。もうおじさんだし。それとも世の中の40代って皆こんなもん?



そんなとき玄関のドアががちゃりと開いた。窓から玄関に向かって風が流れていく。

「ただいま」
「おかえりーぃぃい!?」

帰宅したばかりのヴィルくんは大股に近付いて、ソファに座ってたオレの足を抱え上げた。そのままお姫様抱っこをすると何も言わずベッドに運ばれ、どさりと落とされる。

「うわっ!?」
乱暴に運んできたヴィルくんを見上げるとその紫の目は据わってた。疲れがピークというか、ストレスが限界を越えてるというか……。

「明日から3連休なの」
「そうなんだ。良かったね」
「2ヶ月も我慢したのよ……もういいわよね」
「どういうこと?」
「アンタにちょっとでも触れればタガが外れて集中力がそがれそうだったのよ。この仕事は本気だったから。撮影が終わった今、アンタを抱きたい欲求でいっぱいなの。気が狂いそう!触れたい、この腕に閉じ込めたい、満たされたい!」


あ、これは、やばいところまでいっちゃってるな。段々目が熱っぽくなってきて、その美麗な顔が近付いてくる。
唇が重なってそれから交わった視線から感じる情欲。
オレに酔ってる顔してる……。

「お疲れ様。ヴィルくんがやりたいこと全部やっていいよ?」
「3日じゃ足りなさそうね……」


服の下に手を滑らせて体を弄る手付きがいやらしい。凄く熱くて、オレの体も汗ばんでいく。

ぷつりぷつりと外れていくボタンを眺めながら、股を割って腰を押し付ける嬋娟たる恋人の額に、オレは労いのキスをした。
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