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ヴィルケイss

「ツインレイって信じる?」
「ツインレイ?」
「そう。魂の片割れってやつ」


読んでた占星術の本を閉じながらオレはヴィルくんに問い掛けた。
月刊誌の付録の冊子に目を通していたら気になる文言を見つけたので、それを尋ねてみたんだけど、ヴィルくんは小首を傾げて少し唸る。

「随分とスピリチュアリティね」
「占星術は学問だけど、占いってスピリチュアルとは切っても切り離せないでしょ?」


本によると前世で1つだった魂が、使命と試練を果たす為に2つに分かれるそうだ。2つに分かれた魂はもとは1つだった互いの魂を求め合う。

オレはなんとなくヴィルくんがそうだったらいいな、なんて思ってる。
だってヴィルくんと一緒に居るだけで幸せだし、彼から目が離せない。安心するし、元気になれる。ツインレイだって言われたら納得。それに、これからも無条件に一緒に居られる理由が出来るってことだよね。

だって魂が求めてるんだもん!


「きっとアタシはケイトとはツインレイじゃないわね」
「……そっか」


マニキュアを塗りながら淡々と告げられた言葉がオレに重くのし掛かる。選びたい放題のヴィルくんにとったらオレなんか、大したことない存在なんだよね。君の崇高な魂とは違う……。


「アタシは同じ魂だから惹かれてるとは思えない。違うから愛していて、欲しくてたまらないのよ。それに前世で1つだったなんてのも信じられないわね。前世があるとするなら、アタシは絶対にアンタの隣に居たわよ」


爪に塗られたモーヴに息を吹きかけ乾かす横顔に手を伸ばす。
今日のランチはサンドイッチだった、みたいなテンションで日常会話みたいにさらりと愛を謳ったヴィルくんの頬に触れ、こっちを見た君の唇にキスをする。


だって前世でも大好きだった、って告白されたわけだし。居ても立っても居られないでしょ?
不安に思ってごめん。

オレの心も君を求めてるから、これからもずっと一緒にいようね。
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