旅立ち
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「…暑い」
どうして夏はこんなに暑いんだろう、そんなことを考えながらだらだらと家に向かって歩く。
この炎天下の中、歩き続けるのはかなりきつい。
「奏ー!」
「…げっ」
名前を呼ぶ声のした方を振り向くと、姉の杏がこっちに向かって走ってきているのが見えた。
「ちょっとー!何よその顔ー!」
正直、この暑さのなか杏ちゃんと話すのすっごく辛いの。
ただでさえ暑くてイライラしてる時にいつものマシンガントーク聞かされたら余計イライラしちゃうの。
だから私のことは放っておいて?
…なんて言えるはずもなく。
「…いつも通りの顔だけど?」
「嘘!暑くてイライラしてるから私に構わないで、って顔してる!」
「…わかってるなら話しかけないでよ」
こうみえて意外と人の気持ちに敏感な杏は侮れない。
「…で、なんで杏ちゃんはそんなにテンションが高いの?」
興味はないけど一応聞いておく。
「なんでって、夏休みが始まったからに決まってるでしょ!!」
…え?
「だって、わざわざ学校に行かなくて済むんだよ?すっごく嬉しいじゃん!」
「夏休みって言っても補習があるから学校には行かないといけないんじゃ…」
「今年は何しようかなー!去年は川でバーベキューしたからやっぱり山かな!?あ、でも海にも行きたいなー…」
「話聞けよ!つか、あんた受験生だろ、勉強しろよ勉強!」
この天然なのかボケなのかわからない発言に私が振り回されるのはいつものこと。結局、家に着くまでこのようなやりとりが続いた。
「ただいまー!」
「ただいま…臭っ!!」
何この焦げ臭い!!それになんか煙出てきてるし…
「もしかして、火事…!?」
「あ、おかえりー。」
そのとき、奥の部屋からひょっこりと父さんがでてきた。
「…何これ?」
「いやー実験でちょっと。まさか爆発するとは思わなかったなー!」
はっはっはーと仁王立ちで笑い始めた父親に軽く殺意が湧いた。
うちの父さんは発明や実験をするぞって地下に造った実験室でよく何かしてる。
で、こうやってよく爆発させる。
普段は穏やかだし忙しい母さんの代わりに色々してくれる家族思いのいい父親なんだけど…
「また爆発させたのー?もう家ごと爆発しそうだしやめなよー。」
「いや、今回はいつもとは違うぞ?」
そういって胸を張る父さん。
まわりから出ているのは聞いてほしいオーラ…
「…何がいつもと違うの?」
仕方ないから一応聞いた。
「よく聞いてくれた!百聞は一見にしかず、地下まで来てくれ!」
イキイキと話す父さんに連れられて私たちは地下室に向かった。
・
「…何ここ、さっき以上に焦げ臭い!」
「父さん、ちゃんと換気扇回してるの?」
「あ、忘れてた。」
「忘れてたらだめでしょ!!」
私は換気扇のスイッチを押した。
地下室だから窓を開けることができないのに換気扇をつけてないなんて空気悪すぎ!!
「…で、お父さん。何がいつもと違うの?」
すると、そこで本題を思い出したかのように父さんは、
「ふふふ…これだ!!」
手のひらサイズの白い長方形の…
「…カメラだね。」
「カメラじゃん。」
「なっ…これはただのカメラじゃない!!」
「いや、これはどう見てもカメラでしょ。」
「これはカメラじゃない、トリップマシーンだ!!」
…は?
「これを使えば韓国だろうがフランスだろうが好きなところに行ける!」
「夏休みの宿題してきまーす「話を聞いてくれ!!」」
なんで聞かなきゃいけないの!?
韓国やフランスなんて簡単に行けるわけないでしょ、ドラ○もんのどこでもドアじゃあるまいし!
それに、なにそのネーミングセンス!!そのままじゃん!!
「…お父さん。」
杏ちゃんもさすがにあきれたのか、俯いている。
だよね、あきれるよね、杏ちゃんもはっきり言ってやって!
「…トリップマシーンなんてすごいじゃん!!」
「え。」
「はっはっは!!!すごいだろう!!」
「今まで作ったものは全部ガラクタばっかりだったからあきれてたけど、今回のは本当にすごいね!!」
「ん?これは素直に喜んでいいのか…?」
「ちょっと、杏ちゃん!何言ってるの!?」
トリップなんてできるわけないじゃん!
「そんなことはない!!ここに行きたい場所の写真や絵を入れれば、海外だろうと二次元だろうとどこでもいける!!」
「二次元!?」
杏ちゃんは二次元という言葉に反応した。
「本当に二次元にいけるの!?」
「ああ、ここに行きたいところの写真を入れればどこへでもいける!!」
「すごい…!!」
杏ちゃんはゲームやアニメ、漫画が大好き。
しょっちゅう「二次元に行きたい」とか「生まれる次元を間違えた」って言ってたし。
でも…
「杏ちゃん、そんな簡単に二次元行けるはずがないでしょ!」
「そんなことないよ!!今だって、微分・積分ができれば二次元に行けるっていわれてるんだよ!?お父さんはそれを成功させたんだって!!」
「でも…「お父さん、今日から夏休みだしこれ使って二次元に行ってもいい?」聞けよ!!」
「ああ、いいぞ!!」
「やったー!!」
「いや、止めろよ!!」
どうして夏はこんなに暑いんだろう、そんなことを考えながらだらだらと家に向かって歩く。
この炎天下の中、歩き続けるのはかなりきつい。
「奏ー!」
「…げっ」
名前を呼ぶ声のした方を振り向くと、姉の杏がこっちに向かって走ってきているのが見えた。
「ちょっとー!何よその顔ー!」
正直、この暑さのなか杏ちゃんと話すのすっごく辛いの。
ただでさえ暑くてイライラしてる時にいつものマシンガントーク聞かされたら余計イライラしちゃうの。
だから私のことは放っておいて?
…なんて言えるはずもなく。
「…いつも通りの顔だけど?」
「嘘!暑くてイライラしてるから私に構わないで、って顔してる!」
「…わかってるなら話しかけないでよ」
こうみえて意外と人の気持ちに敏感な杏は侮れない。
「…で、なんで杏ちゃんはそんなにテンションが高いの?」
興味はないけど一応聞いておく。
「なんでって、夏休みが始まったからに決まってるでしょ!!」
…え?
「だって、わざわざ学校に行かなくて済むんだよ?すっごく嬉しいじゃん!」
「夏休みって言っても補習があるから学校には行かないといけないんじゃ…」
「今年は何しようかなー!去年は川でバーベキューしたからやっぱり山かな!?あ、でも海にも行きたいなー…」
「話聞けよ!つか、あんた受験生だろ、勉強しろよ勉強!」
この天然なのかボケなのかわからない発言に私が振り回されるのはいつものこと。結局、家に着くまでこのようなやりとりが続いた。
「ただいまー!」
「ただいま…臭っ!!」
何この焦げ臭い!!それになんか煙出てきてるし…
「もしかして、火事…!?」
「あ、おかえりー。」
そのとき、奥の部屋からひょっこりと父さんがでてきた。
「…何これ?」
「いやー実験でちょっと。まさか爆発するとは思わなかったなー!」
はっはっはーと仁王立ちで笑い始めた父親に軽く殺意が湧いた。
うちの父さんは発明や実験をするぞって地下に造った実験室でよく何かしてる。
で、こうやってよく爆発させる。
普段は穏やかだし忙しい母さんの代わりに色々してくれる家族思いのいい父親なんだけど…
「また爆発させたのー?もう家ごと爆発しそうだしやめなよー。」
「いや、今回はいつもとは違うぞ?」
そういって胸を張る父さん。
まわりから出ているのは聞いてほしいオーラ…
「…何がいつもと違うの?」
仕方ないから一応聞いた。
「よく聞いてくれた!百聞は一見にしかず、地下まで来てくれ!」
イキイキと話す父さんに連れられて私たちは地下室に向かった。
・
「…何ここ、さっき以上に焦げ臭い!」
「父さん、ちゃんと換気扇回してるの?」
「あ、忘れてた。」
「忘れてたらだめでしょ!!」
私は換気扇のスイッチを押した。
地下室だから窓を開けることができないのに換気扇をつけてないなんて空気悪すぎ!!
「…で、お父さん。何がいつもと違うの?」
すると、そこで本題を思い出したかのように父さんは、
「ふふふ…これだ!!」
手のひらサイズの白い長方形の…
「…カメラだね。」
「カメラじゃん。」
「なっ…これはただのカメラじゃない!!」
「いや、これはどう見てもカメラでしょ。」
「これはカメラじゃない、トリップマシーンだ!!」
…は?
「これを使えば韓国だろうがフランスだろうが好きなところに行ける!」
「夏休みの宿題してきまーす「話を聞いてくれ!!」」
なんで聞かなきゃいけないの!?
韓国やフランスなんて簡単に行けるわけないでしょ、ドラ○もんのどこでもドアじゃあるまいし!
それに、なにそのネーミングセンス!!そのままじゃん!!
「…お父さん。」
杏ちゃんもさすがにあきれたのか、俯いている。
だよね、あきれるよね、杏ちゃんもはっきり言ってやって!
「…トリップマシーンなんてすごいじゃん!!」
「え。」
「はっはっは!!!すごいだろう!!」
「今まで作ったものは全部ガラクタばっかりだったからあきれてたけど、今回のは本当にすごいね!!」
「ん?これは素直に喜んでいいのか…?」
「ちょっと、杏ちゃん!何言ってるの!?」
トリップなんてできるわけないじゃん!
「そんなことはない!!ここに行きたい場所の写真や絵を入れれば、海外だろうと二次元だろうとどこでもいける!!」
「二次元!?」
杏ちゃんは二次元という言葉に反応した。
「本当に二次元にいけるの!?」
「ああ、ここに行きたいところの写真を入れればどこへでもいける!!」
「すごい…!!」
杏ちゃんはゲームやアニメ、漫画が大好き。
しょっちゅう「二次元に行きたい」とか「生まれる次元を間違えた」って言ってたし。
でも…
「杏ちゃん、そんな簡単に二次元行けるはずがないでしょ!」
「そんなことないよ!!今だって、微分・積分ができれば二次元に行けるっていわれてるんだよ!?お父さんはそれを成功させたんだって!!」
「でも…「お父さん、今日から夏休みだしこれ使って二次元に行ってもいい?」聞けよ!!」
「ああ、いいぞ!!」
「やったー!!」
「いや、止めろよ!!」
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