desire

あの人を好きになるのは必然だった




入学式の日、彼女に一目惚れした。

教室はザワザワと色んな声が飛び交い、ここで後3年過ごさなきゃなのかとこれからの期待感に溢れたこの場所で1人考える。
辺りを見回した時、彼女に気づいた。
綺麗な顔立ちと風に靡くその髪に一瞬で目を奪われいつの間にか声をかけていた。

野口「あの私、野口衣織って言います」

佐々木「あ、えっと佐々木舞香です」

少し警戒するのような顔を見せ、彼女も名前を教えてくれた。近くで見るともっと可愛くて私の目に間違いはなかったと確信する。

野口「舞香ちゃん!友達になってよ」

これが彼女との出会いだ。

今憶えば、彼女は最初から私にさほど興味はなかったのだろう。
話しかけられたから話した。とか
一緒に居る相手がいなかったから仕方なく。とか

それでも興味を持たれてなかろうと嫌だと言われない限り、仲のいい友達ポジションを誰にも譲る気はない。

佐々木「衣織?次の授業移動だよ」

野口「あ!待って待って置いていかないで」

でもね、人間って欲張りなんだ。
仲良くなったらもっと仲良くなりたい
もっと知らない顔を見てみたい
欲を言えば、私だけに見せて欲しい

そんなことを言えば、彼女は距離を取って彼女の視界に入ることも許してくれなくなるだろうから。今のポジションでいいんだと自分に言い聞かせる

野口「まいかー?授業のノート集めるってs」

廊下で誰かと話してる?
舞香にそんな仲のいい他クラスの友達いたっけなー?

佐々木「なにそれ笑あーもう次の授業の準備しないと。うん、またね!」

知らない誰かと知らない顔で話す彼女にふつふつと心の中で何か燃えたぎる。


目の前を通り過ぎる彼女と話してたであろう人

あーあれは隣のクラスの高松さんだ。
1/2ページ
スキ