「ねーねー、遊ぼー！」

「うるせぇな…俺様は忙しいんだよ」

「そうは見えないけど！」

「寝るのに忙しいんだよ」

「ブラッドリーのケチ！」



魔法舎の居間にあるソファで寝転ぶブラッドリーの上に乗っかり、ミスラの娘である娘が不満げに頬を膨らませていた。



「親父に遊んでもらえっての」

「パパは今からオズのおじちゃんと遊ぶからダメって言われた」

「んだそれ…だったらオーエンか双子のとこ行け」

「ブラッドリーがいいの！」

「はぁ？何でだよ」

「だって、ブラッドリーは一番優しいし、強いから！」

「へぇ？ガキのくせに良く分かってるじゃねーか」



娘の言葉に気を良くしたブラッドリーは、娘を抱えたまま身体を起こした。

おだてれば遊んでくれるだろうと、ブラッドリーの性格を理解しての作戦に成功し、娘は気づかれないようにガッツポーズをした。



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「はぁー、疲れた」

「このくらいで疲れるなんて、ブラッドリーもまだまだだね」

「そんな安い挑発にいちいち乗らねえからな」



一通り娘の遊びに付き合い、体力こそ余裕はあるが、ミチルやリケよりも小さい子供の相手をする事に慣れていないブラッドリーは精神的に疲労していた。

そんなブラッドリーの頬に、娘は不意打ちでキスをする。



「何すんだよ」

「今日のお礼！」

「とんだませガキだな…」

「将来は娘のお婿さんにしてあげてもいいよ！」

「それは勘弁してくれ。ミスラが父親なんて死んでも無理だわ」

「じゃあペット」

「はっ倒すぞ」



約束はしていないが、この時の幼い娘の軽いプロポーズが、後々自分の首を締める事になるなんて、この時の娘は夢にも思っていなかった。



おわり