ミスラの娘のはなし
Name Cange
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ミスラの娘、娘は産まれてから魔法舎の魔法使いたちに支えられ、助けられながらすくすくと育っていった。
そんな娘とミスラと魔法使いたちの物語。
これは娘の幼い頃の記憶。
--------
今日も父の後を娘は追う。
自分のすぐ後ろを小さな歩幅で一生懸命着いてくる娘を一瞥しながらミスラは一つ大きな溜め息を吐いた。
「俺は寝るので。ルチルにでも遊んでもらってください」
「でもパパ寝れないじゃん。あとルチルお兄ちゃんはお買い物行ってていないよ」
「…はぁ。眠れないから眠れるところを探しにいくので。邪魔しないでください」
「パパは娘のこと嫌いなの?」
「…」
「もう、パパなんて大嫌いだもん!」
娘が怒って魔法舎の外へ飛びだす。
その後ろ姿を見届けるも、追いかけようとはしなかった。
「ミスラちゃん…酷い」
「娘ちゃん可哀想に…こんな冷たい父親で」
「ほんとにそうですね。俺は子供の扱い方なんて知りませんから。うっかり殺してしまうかもしれませんし、近くにいない方がいいんです」
どこからともなく現れたスノウとホワイトに責められるも、言い返す事なく肯定した。
単に鬱陶しくて突き放した訳ではなく、自分のせいで娘が傷つく事を恐れての行動だった。
「それなら、心配することなかろう」
「そうじゃ、そうじゃ。ミスラちゃんは本当は良い子なんじゃから」
「それに娘ちゃんにとっては、父親に冷たくされる方が傷つくとと思うぞ」
「…」
ミスラは先ほどの娘の悲しそうな顔を思い出しながら心が揺れるのを感じた。
その時。
ギャー!ギャー!ギャー!
ミスラが持っていた魔法の笛が急に鳴り出した。
魔法の笛といっても、死んだ鳥の剥製のようなもので、遠くにいる相手が同じものを吹いたら同時に鳴き出すという魔法道具だった。
何か危険があった時に吹くように娘に持たせていたのだった。
「アルシム!」
娘に何か危険が及んでいるのだと思った瞬間、ミスラは空間魔法を出す呪文を唱えた。
「あ、ほんとに来た」
「パパ!」
「は…?」
扉の先に待っていたのは、予想外の光景だった。
魔法の笛を口にしているオーエンと、その膝の上で楽しそうに笑っている娘。
状況が掴めずに唖然といている俺に、娘が近づく。
「パパ、娘のこと好き?」
「…何ですかそれ」
「だって…あんまり遊んでくれないし」
「…それは、」
「だからほんとは娘のこと嫌いなんじゃないかって」
「はぁ…そんなわけないじゃないですか。嫌いだったらこんなに必死になって助けにきたりしませんよ」
ミスラが視線を外しながらそう答えると、娘はパッと表情を明るくさせながらオーエンの元へと戻った。
「オーエンの言った通りだ!ありがとうオーエン」
「どういたしまして」
「どういうことです?」
「一人で悲しそうにしていたから教えてあげたんだよ。この笛を吹けばパパは飛んでくるよって」
「余計なことを…」
「可愛い娘を僕に取られて悔しがるミスラの顔も拝めたし、僕はもう行くよ」
面白いものを見れたと、オーエンは満足気に笑いながら消えていった。
---------
「娘、大きくなったらオーエンと結婚する!」
「は?ダメに決まってるでしょ」
おわり
そんな娘とミスラと魔法使いたちの物語。
これは娘の幼い頃の記憶。
--------
今日も父の後を娘は追う。
自分のすぐ後ろを小さな歩幅で一生懸命着いてくる娘を一瞥しながらミスラは一つ大きな溜め息を吐いた。
「俺は寝るので。ルチルにでも遊んでもらってください」
「でもパパ寝れないじゃん。あとルチルお兄ちゃんはお買い物行ってていないよ」
「…はぁ。眠れないから眠れるところを探しにいくので。邪魔しないでください」
「パパは娘のこと嫌いなの?」
「…」
「もう、パパなんて大嫌いだもん!」
娘が怒って魔法舎の外へ飛びだす。
その後ろ姿を見届けるも、追いかけようとはしなかった。
「ミスラちゃん…酷い」
「娘ちゃん可哀想に…こんな冷たい父親で」
「ほんとにそうですね。俺は子供の扱い方なんて知りませんから。うっかり殺してしまうかもしれませんし、近くにいない方がいいんです」
どこからともなく現れたスノウとホワイトに責められるも、言い返す事なく肯定した。
単に鬱陶しくて突き放した訳ではなく、自分のせいで娘が傷つく事を恐れての行動だった。
「それなら、心配することなかろう」
「そうじゃ、そうじゃ。ミスラちゃんは本当は良い子なんじゃから」
「それに娘ちゃんにとっては、父親に冷たくされる方が傷つくとと思うぞ」
「…」
ミスラは先ほどの娘の悲しそうな顔を思い出しながら心が揺れるのを感じた。
その時。
ギャー!ギャー!ギャー!
ミスラが持っていた魔法の笛が急に鳴り出した。
魔法の笛といっても、死んだ鳥の剥製のようなもので、遠くにいる相手が同じものを吹いたら同時に鳴き出すという魔法道具だった。
何か危険があった時に吹くように娘に持たせていたのだった。
「アルシム!」
娘に何か危険が及んでいるのだと思った瞬間、ミスラは空間魔法を出す呪文を唱えた。
「あ、ほんとに来た」
「パパ!」
「は…?」
扉の先に待っていたのは、予想外の光景だった。
魔法の笛を口にしているオーエンと、その膝の上で楽しそうに笑っている娘。
状況が掴めずに唖然といている俺に、娘が近づく。
「パパ、娘のこと好き?」
「…何ですかそれ」
「だって…あんまり遊んでくれないし」
「…それは、」
「だからほんとは娘のこと嫌いなんじゃないかって」
「はぁ…そんなわけないじゃないですか。嫌いだったらこんなに必死になって助けにきたりしませんよ」
ミスラが視線を外しながらそう答えると、娘はパッと表情を明るくさせながらオーエンの元へと戻った。
「オーエンの言った通りだ!ありがとうオーエン」
「どういたしまして」
「どういうことです?」
「一人で悲しそうにしていたから教えてあげたんだよ。この笛を吹けばパパは飛んでくるよって」
「余計なことを…」
「可愛い娘を僕に取られて悔しがるミスラの顔も拝めたし、僕はもう行くよ」
面白いものを見れたと、オーエンは満足気に笑いながら消えていった。
---------
「娘、大きくなったらオーエンと結婚する!」
「は?ダメに決まってるでしょ」
おわり
1/3ページ