まほやく短編
Name Cange
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ある日の昼下がり。
魔法舎の庭の木陰にミスラとなまえ、二人並んで寝転がってのんびりとした時間を過ごしていた。
程よい風が気持ち良くて、なまえはゆっくりと目を閉じた。
すると突然、隣の男に鼻をつままれ、驚きと息苦しさから慌てて飛び起きた。
『なにするんですかっ』
「あっはは、変な顔」
『…』
いつもは気だるげなミスラだが、たまに今みたいに声を出して笑う時がある。
笑いのツボはイマイチ掴めないが、無邪気に笑う姿はケダモノというよりも人懐っこい大型犬の様だった。
不意に見せた無防備な笑顔に釣られ、なまえはそのふわっとした赤髪に手を伸ばした。
「何ですか」
『いや、犬みたいで可愛いなって』
「馬鹿にしてるんですか?」
『毛並みもふわふわで気持ち良いです~』
「はぁ…」
『あれ?何かほんとに犬に見えてきた…え?ミスラさん変身魔法使いました?』
「使ってないですけど」
『わあ…!そんなにしっぽ振って、ミスラさんてば可愛いですね!よーしよし!』
「は?ちょっと…!」
ミスラの首に手を回し、後頭部をわしゃわしゃと撫で続けるなまえ。
状況が飲み込めていないミスラは珍しく慌てている。
そんな二人を木陰から除きながらニヤリと笑っている者が一人いた。
「クーレ・メミニ」
その男が呪文を唱え、指をパチンと鳴らす。
『よしよし……って、あれ?ミスラさん何してるんです?』
「…それはこっちの台詞です」
『ぶっ…あはは、頭ぐっしゃぐしゃ』
「誰のせいだと思ってるんですか」
『え、だってミスラさんが本物の犬になってたから』
「はあ?」
事の発端である男、オーエンは二人を見つめながら溜め息を漏らした。
「あーあ、あんなことされて怒って殺しちゃうかと思ったんだけどな。…面白くないな」
心なしか楽しそうに見えるミスラと、そんなミスラの髪の毛を整えるなまえ。
一部始終を見ていたオーエンは不満げな表情を残して、静かに姿を消してしまった。
おわり
魔法舎の庭の木陰にミスラとなまえ、二人並んで寝転がってのんびりとした時間を過ごしていた。
程よい風が気持ち良くて、なまえはゆっくりと目を閉じた。
すると突然、隣の男に鼻をつままれ、驚きと息苦しさから慌てて飛び起きた。
『なにするんですかっ』
「あっはは、変な顔」
『…』
いつもは気だるげなミスラだが、たまに今みたいに声を出して笑う時がある。
笑いのツボはイマイチ掴めないが、無邪気に笑う姿はケダモノというよりも人懐っこい大型犬の様だった。
不意に見せた無防備な笑顔に釣られ、なまえはそのふわっとした赤髪に手を伸ばした。
「何ですか」
『いや、犬みたいで可愛いなって』
「馬鹿にしてるんですか?」
『毛並みもふわふわで気持ち良いです~』
「はぁ…」
『あれ?何かほんとに犬に見えてきた…え?ミスラさん変身魔法使いました?』
「使ってないですけど」
『わあ…!そんなにしっぽ振って、ミスラさんてば可愛いですね!よーしよし!』
「は?ちょっと…!」
ミスラの首に手を回し、後頭部をわしゃわしゃと撫で続けるなまえ。
状況が飲み込めていないミスラは珍しく慌てている。
そんな二人を木陰から除きながらニヤリと笑っている者が一人いた。
「クーレ・メミニ」
その男が呪文を唱え、指をパチンと鳴らす。
『よしよし……って、あれ?ミスラさん何してるんです?』
「…それはこっちの台詞です」
『ぶっ…あはは、頭ぐっしゃぐしゃ』
「誰のせいだと思ってるんですか」
『え、だってミスラさんが本物の犬になってたから』
「はあ?」
事の発端である男、オーエンは二人を見つめながら溜め息を漏らした。
「あーあ、あんなことされて怒って殺しちゃうかと思ったんだけどな。…面白くないな」
心なしか楽しそうに見えるミスラと、そんなミスラの髪の毛を整えるなまえ。
一部始終を見ていたオーエンは不満げな表情を残して、静かに姿を消してしまった。
おわり
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