まほやく短編
Name Cange
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ボルダ島のサマーバザールに行きませんか?
昼食後、ミスラさんの部屋でのんびりと本を読んでいたら賢者さんがやってきた。
どうやら西の国にあるボルダ島に行く参加者を募っているらしい。
ミスラさんはバカンスとかそういうの、あんまり興味ないんだろうな、なんて思っていると。
「行きますけど」
『「行くんですか!?」』
思いもよらない返事にわたしと賢者さんの声が重なった。
理由を聞けば、呪術の道具が欲しいからという、何とも物騒な理由だった。
「なまえさんも行きますよね?」
『あー、わたしは遠慮しときます』
「は?」
わたしが断わりの返事を伝えると、賢者さんよりも先にミスラさんが大きく反応した。
隣を見上げると、不満そうに顔をしかめるミスラさんと目が合う。
「どうしてですか?」
『その日はオーエンと甘い物食べに行こうって約束してて』
「はぁ?そんなのいつでも行けるでしょう。というか、そんなことでオーエンが約束するわけないでしょう。嘘つかないでくださいよ」
『秒でバレたか~。まあ、正直きに言うと、わたし海が苦手で…』
小さい頃は海でよく遊んでいた。
ある時浜辺で砂遊びをしていると、急に高波に拐われてしまったことがあった。
泳ぎはあまり得意じゃないわたしはすぐに溺れてしまい、広い海の中にゆっくり沈んでいった。
必死に息を止めていたけど、すぐに我慢できずに勢いよく息を吐いてしまった。
もうダメだ、そう思った瞬間。
「ーーーー…」
水中の中だからはっきりとは聞こえなかったけど、微かに呪文を唱える声が聞こえて、その瞬間息苦しさが無くなり、気がついた時にはびしょ濡れのまま砂浜に寝転がっていた。
『…って事がありまして』
「なるほど…それは大変でしたね…。その助けてくれた人はどんな人だったんですか?」
『それが全く分からなくて…呪文っぽい言葉が聞こえたから多分魔法使い、なのかな』
「それで?ボルダ島に行かない理由にはなりませんよ」
『えぇ…』
「海が怖いなら入らなければ良いじゃないですか。それに、万が一溺れでもしたら“また”助けてやりますよ」
『まあ、ミスラさんがどうしてもって言うなら行ってあげても良いですけどね~~』
「は?そこまで言ってませんけど」
ちょっとした言い合いを始めた私たちに、何か言いたそうな様子の賢者さんが困ったように笑っていた。
どうしたのか聞こうとしたけど、ミスラさんに片手で頬を掴まれてしまった為言葉は発せなかった。
こうして、賢者さんと数名の魔法使いたちとサマーバザールへと行くことになったのだった。
おわり
昼食後、ミスラさんの部屋でのんびりと本を読んでいたら賢者さんがやってきた。
どうやら西の国にあるボルダ島に行く参加者を募っているらしい。
ミスラさんはバカンスとかそういうの、あんまり興味ないんだろうな、なんて思っていると。
「行きますけど」
『「行くんですか!?」』
思いもよらない返事にわたしと賢者さんの声が重なった。
理由を聞けば、呪術の道具が欲しいからという、何とも物騒な理由だった。
「なまえさんも行きますよね?」
『あー、わたしは遠慮しときます』
「は?」
わたしが断わりの返事を伝えると、賢者さんよりも先にミスラさんが大きく反応した。
隣を見上げると、不満そうに顔をしかめるミスラさんと目が合う。
「どうしてですか?」
『その日はオーエンと甘い物食べに行こうって約束してて』
「はぁ?そんなのいつでも行けるでしょう。というか、そんなことでオーエンが約束するわけないでしょう。嘘つかないでくださいよ」
『秒でバレたか~。まあ、正直きに言うと、わたし海が苦手で…』
小さい頃は海でよく遊んでいた。
ある時浜辺で砂遊びをしていると、急に高波に拐われてしまったことがあった。
泳ぎはあまり得意じゃないわたしはすぐに溺れてしまい、広い海の中にゆっくり沈んでいった。
必死に息を止めていたけど、すぐに我慢できずに勢いよく息を吐いてしまった。
もうダメだ、そう思った瞬間。
「ーーーー…」
水中の中だからはっきりとは聞こえなかったけど、微かに呪文を唱える声が聞こえて、その瞬間息苦しさが無くなり、気がついた時にはびしょ濡れのまま砂浜に寝転がっていた。
『…って事がありまして』
「なるほど…それは大変でしたね…。その助けてくれた人はどんな人だったんですか?」
『それが全く分からなくて…呪文っぽい言葉が聞こえたから多分魔法使い、なのかな』
「それで?ボルダ島に行かない理由にはなりませんよ」
『えぇ…』
「海が怖いなら入らなければ良いじゃないですか。それに、万が一溺れでもしたら“また”助けてやりますよ」
『まあ、ミスラさんがどうしてもって言うなら行ってあげても良いですけどね~~』
「は?そこまで言ってませんけど」
ちょっとした言い合いを始めた私たちに、何か言いたそうな様子の賢者さんが困ったように笑っていた。
どうしたのか聞こうとしたけど、ミスラさんに片手で頬を掴まれてしまった為言葉は発せなかった。
こうして、賢者さんと数名の魔法使いたちとサマーバザールへと行くことになったのだった。
おわり