まほやく短編
Name Cange
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カーテンの隙間から朝日が漏れる。
少しずつ頭が覚醒してくると、ある違和感に気がついた。
ベッドにはいつも一人で寝ているはずなのに、肩に違う誰かの温もりを感じた。
恐る恐る目を開けると、そこには絶賛片想い中の相手が穏やかな表情で目を瞑っていた。
『はぁっ…?ミスラさん!?なな何でわたしの部屋に…』
「…うるさいですよ」
わたしが驚きの声をあげると、ミスラさんは険しい顔になりながらそう呟いた。
『いや…何でここにいるんですか』
「はあ、眠れないので。いろんなとこで試してるんです」
『だからって…何の断りもなく勝手に入るのはどうかと思いますけど』
「ダメでした?」
ああ、狡い。
そんなとろんとした目で小首を傾げながら言われたら何も言えない。
惚れた弱みってやつだ。
当の本人はそんなことこれっぽっちも気づいていないだろうけど。
『今回だけですよ…』
「まあ、言われなくてもそのつもりですけど。そこまで居心地良くもなかったので。」
『じゃあ今すぐ出てってくださいよ…』
この男は本当にデリカシーの欠片もないな…。
分かってはいるけど、ここまで相手にされないとなると心も折れる。
「では、ありがとうございました」
律儀なしゃべり方だけど、淡々と告げられるお礼の言葉に無性に腹が立った。
『ミスラさんなんか大嫌いです』
彼が気怠げに部屋を出て行った後、一人言のように溢れた言葉は誰に届く訳でもなく消えていった。
いっそのこと大嫌いになれたら楽なのに。
彼の匂いのする枕を抱き締めながら、そう思った。
おわり
少しずつ頭が覚醒してくると、ある違和感に気がついた。
ベッドにはいつも一人で寝ているはずなのに、肩に違う誰かの温もりを感じた。
恐る恐る目を開けると、そこには絶賛片想い中の相手が穏やかな表情で目を瞑っていた。
『はぁっ…?ミスラさん!?なな何でわたしの部屋に…』
「…うるさいですよ」
わたしが驚きの声をあげると、ミスラさんは険しい顔になりながらそう呟いた。
『いや…何でここにいるんですか』
「はあ、眠れないので。いろんなとこで試してるんです」
『だからって…何の断りもなく勝手に入るのはどうかと思いますけど』
「ダメでした?」
ああ、狡い。
そんなとろんとした目で小首を傾げながら言われたら何も言えない。
惚れた弱みってやつだ。
当の本人はそんなことこれっぽっちも気づいていないだろうけど。
『今回だけですよ…』
「まあ、言われなくてもそのつもりですけど。そこまで居心地良くもなかったので。」
『じゃあ今すぐ出てってくださいよ…』
この男は本当にデリカシーの欠片もないな…。
分かってはいるけど、ここまで相手にされないとなると心も折れる。
「では、ありがとうございました」
律儀なしゃべり方だけど、淡々と告げられるお礼の言葉に無性に腹が立った。
『ミスラさんなんか大嫌いです』
彼が気怠げに部屋を出て行った後、一人言のように溢れた言葉は誰に届く訳でもなく消えていった。
いっそのこと大嫌いになれたら楽なのに。
彼の匂いのする枕を抱き締めながら、そう思った。
おわり
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