10,000hit企画
Name Cange
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ある晴れた日の休日。
今日は兄である万里と買い物の約束をしていた。
約束の時間よりも20分も早く着いてしまい、暇をもて余していた時。
ふと前を見ると見知った顔が目に入った。
険しい顔をしながらスイーツ食べ放題の看板を睨んでいる彼。
周りの目を気にしながら、お店に入ろうか否か迷っている様子だった。
『やっほ十君』
「…!」
『奇遇だね』
「ああ…今日は摂津と買い物じゃなかったのか」
『そうなんだけど、ちょっと早く来ちゃって』
「そうか」
『で、何してるの?』
「…別に、散歩してただけだ」
ふい、と顔を反らしてしまう十君の耳はほんのり赤くなっていた。
普段はクールに振る舞っているけど、中身は可愛い小動物みたいだ。
『一緒に入ろうよ』
「は?」
『そしたら恥ずかしくないでしょ?』
「けど、お前は約束が…」
『万里はドタキャンしても許される』
「まあ…摂津ならいいか」
すぐに万里に行けなくなったと連絡して、私たちはお店に入った。
(しつこく理由を聞かれたけどそれとなく誤魔化しておいた。)
店内は見事に女性ばかりで、男性客はちらほらいるけどカップルで一人で来ている人はさすがにいない。
『60分食べ放題コースかな』
「…」
こくり、と頷くだけでこっちを見ようとしないのは照れてるからかな。
そんなに恥ずかしがらなくてもいいのにな、と思いながら店員さんを呼んで注文を済ませた。
ケーキ食べ放題でバイキング形式。
早速私たちは席を立ち、ケーキか並んでいるショーケースへと向かった。
『おお』
「すげえ種類だな…」
『めざせ、全種制覇』
「余裕だな」
もう恥じらいは消えたのか、次々にお皿にケーキを乗っけていく十君。
その一生懸命で嬉しそうな横顔を見て、私も嬉しくなった。
『美味しい…』
「…!」
ケーキはもちろん美味しくて、十君は口一杯にケーキを頬張りうんうんと頷いた。
その姿がリスみたいで笑ってしまいそうになる。
60分はあっという間で、ひたすらケーキだけを食べ続けていた十君の顔はとても満足気だった。
「…なまえ」
『ん?』
「……ありがとな」
『いえいえ、また行こうね』
「ああ」
おわり
今日は兄である万里と買い物の約束をしていた。
約束の時間よりも20分も早く着いてしまい、暇をもて余していた時。
ふと前を見ると見知った顔が目に入った。
険しい顔をしながらスイーツ食べ放題の看板を睨んでいる彼。
周りの目を気にしながら、お店に入ろうか否か迷っている様子だった。
『やっほ十君』
「…!」
『奇遇だね』
「ああ…今日は摂津と買い物じゃなかったのか」
『そうなんだけど、ちょっと早く来ちゃって』
「そうか」
『で、何してるの?』
「…別に、散歩してただけだ」
ふい、と顔を反らしてしまう十君の耳はほんのり赤くなっていた。
普段はクールに振る舞っているけど、中身は可愛い小動物みたいだ。
『一緒に入ろうよ』
「は?」
『そしたら恥ずかしくないでしょ?』
「けど、お前は約束が…」
『万里はドタキャンしても許される』
「まあ…摂津ならいいか」
すぐに万里に行けなくなったと連絡して、私たちはお店に入った。
(しつこく理由を聞かれたけどそれとなく誤魔化しておいた。)
店内は見事に女性ばかりで、男性客はちらほらいるけどカップルで一人で来ている人はさすがにいない。
『60分食べ放題コースかな』
「…」
こくり、と頷くだけでこっちを見ようとしないのは照れてるからかな。
そんなに恥ずかしがらなくてもいいのにな、と思いながら店員さんを呼んで注文を済ませた。
ケーキ食べ放題でバイキング形式。
早速私たちは席を立ち、ケーキか並んでいるショーケースへと向かった。
『おお』
「すげえ種類だな…」
『めざせ、全種制覇』
「余裕だな」
もう恥じらいは消えたのか、次々にお皿にケーキを乗っけていく十君。
その一生懸命で嬉しそうな横顔を見て、私も嬉しくなった。
『美味しい…』
「…!」
ケーキはもちろん美味しくて、十君は口一杯にケーキを頬張りうんうんと頷いた。
その姿がリスみたいで笑ってしまいそうになる。
60分はあっという間で、ひたすらケーキだけを食べ続けていた十君の顔はとても満足気だった。
「…なまえ」
『ん?』
「……ありがとな」
『いえいえ、また行こうね』
「ああ」
おわり