第6話
Name Cange
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期間限定のコンビニスイーツ。
普段こういう類いのものに興味はないが、私が今ハマっているゲームとコラボしているとなると話は別だ。
スイーツ一個につきキャラクターのストラップが一つ貰えるシステム。
ただしキャラクターは全8種類でもちろんランダム。
近くのコンビニで何個か買ったけど目当てのキャラだけが出ないという悲劇。
わざわざ隣町のコンビニにまで来てしまった。
「以上5点で2160円になります」
とりあえず5個購入。
淡々とレジを済ませてすぐに外で袋を開封していく。
『…』
全ての中身を見終わって絶句した。
欲しいもの程手に入らないとはまさにこの事か。
考えるより先に私はまたコンビニに入ろうと勢い良く振り返った。
「っ!」
『わ…!』
再び自動ドアに向かおうとしたその瞬間、勢い余ってコンビニから出てきたであろう人とぶつかってしまった。
その衝撃で私は持っていた袋を落としてしまう。
「っ、悪い…」
『いえ、こちらこそすみません…』
その人は緑色の学ランを着ていて、顔はちょっと強面。
怖そうな雰囲気ではあったけど、一緒になって落ちたものを拾ってくれた。
『ありがとうございます』
「…これ」
『?』
「集めてるのか?」
『ああ、いえ。集めているというかこの青色の髪の毛の子が欲しくて…』
「…これ、いるか」
『え?』
すると学ランの人は、片手に持っていたストラップの入った袋を私に差し出した。しかも二つ。
『…いいんですか?』
「ぶつかっちまった詫びっす。目当てのものかどうかは分かんねえが」
『今開けてみても?』
「ああ」
『…!!』
早速開けてみると、なんとまさかの二つとも推しキャラ。
こんなに嬉しい気持ちになったのはいつぶりだろうか。
『本当にありがとうございます。あの良かったらどれかいりますか?』
「いや、俺はよく知らねえから別にいい」
『あ、じゃあスイーツの方いります?』
「っ!」
あからさまに反応する姿に思わず吹き出してしまった。
キッと睨まれてしまったけど、今の出来事の後ではあまり効果はない。
『どうぞ』
「…いいのか?」
『もともとこのグッズ目当てだったので。迷惑でなければ貰ってください』
「…あざす」
なんて良い人なんだ。
わざわざ隣町まで来た甲斐があった。
帰ったら写真撮って万里に自慢しよう。
おまけ(万里、至、十座)
「うわ、お前どんだけ買ってんだよ」
「うるせぇ」
「あ、それ今コラボしてるやつじゃん。グッズだけちょーだい。なんならお金払うから」
「至さんガチ勢じゃん」
「すんません、持って無いっす」
「え…どゆこと?」
「あげたんで」
「マジかー、交換とかじゃなくてあげちゃうのが十座らしい」
「いえ、ちゃんと交換してくれました」
「あ、理解。だからそんな大量だったんだ。さすが十座」
「あー至さん至さん。俺の妹コンプしたらしいっす」
「は?なにそれ裏山」
つづく
普段こういう類いのものに興味はないが、私が今ハマっているゲームとコラボしているとなると話は別だ。
スイーツ一個につきキャラクターのストラップが一つ貰えるシステム。
ただしキャラクターは全8種類でもちろんランダム。
近くのコンビニで何個か買ったけど目当てのキャラだけが出ないという悲劇。
わざわざ隣町のコンビニにまで来てしまった。
「以上5点で2160円になります」
とりあえず5個購入。
淡々とレジを済ませてすぐに外で袋を開封していく。
『…』
全ての中身を見終わって絶句した。
欲しいもの程手に入らないとはまさにこの事か。
考えるより先に私はまたコンビニに入ろうと勢い良く振り返った。
「っ!」
『わ…!』
再び自動ドアに向かおうとしたその瞬間、勢い余ってコンビニから出てきたであろう人とぶつかってしまった。
その衝撃で私は持っていた袋を落としてしまう。
「っ、悪い…」
『いえ、こちらこそすみません…』
その人は緑色の学ランを着ていて、顔はちょっと強面。
怖そうな雰囲気ではあったけど、一緒になって落ちたものを拾ってくれた。
『ありがとうございます』
「…これ」
『?』
「集めてるのか?」
『ああ、いえ。集めているというかこの青色の髪の毛の子が欲しくて…』
「…これ、いるか」
『え?』
すると学ランの人は、片手に持っていたストラップの入った袋を私に差し出した。しかも二つ。
『…いいんですか?』
「ぶつかっちまった詫びっす。目当てのものかどうかは分かんねえが」
『今開けてみても?』
「ああ」
『…!!』
早速開けてみると、なんとまさかの二つとも推しキャラ。
こんなに嬉しい気持ちになったのはいつぶりだろうか。
『本当にありがとうございます。あの良かったらどれかいりますか?』
「いや、俺はよく知らねえから別にいい」
『あ、じゃあスイーツの方いります?』
「っ!」
あからさまに反応する姿に思わず吹き出してしまった。
キッと睨まれてしまったけど、今の出来事の後ではあまり効果はない。
『どうぞ』
「…いいのか?」
『もともとこのグッズ目当てだったので。迷惑でなければ貰ってください』
「…あざす」
なんて良い人なんだ。
わざわざ隣町まで来た甲斐があった。
帰ったら写真撮って万里に自慢しよう。
おまけ(万里、至、十座)
「うわ、お前どんだけ買ってんだよ」
「うるせぇ」
「あ、それ今コラボしてるやつじゃん。グッズだけちょーだい。なんならお金払うから」
「至さんガチ勢じゃん」
「すんません、持って無いっす」
「え…どゆこと?」
「あげたんで」
「マジかー、交換とかじゃなくてあげちゃうのが十座らしい」
「いえ、ちゃんと交換してくれました」
「あ、理解。だからそんな大量だったんだ。さすが十座」
「あー至さん至さん。俺の妹コンプしたらしいっす」
「は?なにそれ裏山」
つづく