第16話
Name Cange
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二人が出ていき、再び一人ぼっちになる。
部屋を出てはいけないと念を押されているし、さっきのゲームの続きでもしよう。
そう思いコントローラーに手を伸ばしたその時。
コンコン、と扉をノックする音が響いた。
「至さん、いますか」
はっきりとよく通る声が扉の向こうから聞こえる。
どうしよう、と思った時には既に遅く、ゆっくりと部屋の扉が開かれる。
「…」
『……こんばんは』
扉の先にいた茶髪の青年と目が合う。
青年は数秒固まった後、まるで何も見えなかったという様に扉を閉めてしまった。
どうしよう。
もし騒ぎになれば少々面倒臭いことになる。
私は急いで部屋の扉を開けると、目の前には先ほどの青年が突っ立っていた。
『あ…まだいた』
「…えっと……ごめん、驚き過ぎて反応出来なかったというか…」
『あなた誰?』
「いや!それこっちの台詞だからな!?」
『なるほど、君突っ込み担当だね』
「初対面なのに馴れ馴れしいな……」
はあ、とタメ息を吐きながら頭を掻き、改めてこちらを見下ろす茶髪の青年。
身長はだいたい万里と同じくらい。たれ目で優しそうな顔立ちだった。
「それで、君は誰?」
『申し遅れました、私摂津万里の妹をしております摂津なまえです』
「まじかっ?万里の………あ、俺は皆木綴。この劇団の春組に所属してる」
『へえ、じゃあ春組はあと一人か』
「ん?」
『何でもないっす』
「ところで、何で至さんの部屋にいるんだ?」
『あー、まあいろいろあって』
説明するのは面倒だから適当に誤魔化すと、また一段と大きなタメ息が聞こえた。
『あ、至さんなら今万里とお風呂なのでいませんよ』
「ますます状況が飲み込めないんだけど…」
『あと私と会ったこと、万里には絶対言わないでくださいね』
「人の話聞かないタイプね…」
また変なのが増えたな…とぼやきながら皆木綴という青年は静かに去って行った。
万里とは全然タイプは違うけど、何だかお兄ちゃんって呼びたくなるような人だったな。
そんなことを思いながら再びコントローラーを握った。
つづく
部屋を出てはいけないと念を押されているし、さっきのゲームの続きでもしよう。
そう思いコントローラーに手を伸ばしたその時。
コンコン、と扉をノックする音が響いた。
「至さん、いますか」
はっきりとよく通る声が扉の向こうから聞こえる。
どうしよう、と思った時には既に遅く、ゆっくりと部屋の扉が開かれる。
「…」
『……こんばんは』
扉の先にいた茶髪の青年と目が合う。
青年は数秒固まった後、まるで何も見えなかったという様に扉を閉めてしまった。
どうしよう。
もし騒ぎになれば少々面倒臭いことになる。
私は急いで部屋の扉を開けると、目の前には先ほどの青年が突っ立っていた。
『あ…まだいた』
「…えっと……ごめん、驚き過ぎて反応出来なかったというか…」
『あなた誰?』
「いや!それこっちの台詞だからな!?」
『なるほど、君突っ込み担当だね』
「初対面なのに馴れ馴れしいな……」
はあ、とタメ息を吐きながら頭を掻き、改めてこちらを見下ろす茶髪の青年。
身長はだいたい万里と同じくらい。たれ目で優しそうな顔立ちだった。
「それで、君は誰?」
『申し遅れました、私摂津万里の妹をしております摂津なまえです』
「まじかっ?万里の………あ、俺は皆木綴。この劇団の春組に所属してる」
『へえ、じゃあ春組はあと一人か』
「ん?」
『何でもないっす』
「ところで、何で至さんの部屋にいるんだ?」
『あー、まあいろいろあって』
説明するのは面倒だから適当に誤魔化すと、また一段と大きなタメ息が聞こえた。
『あ、至さんなら今万里とお風呂なのでいませんよ』
「ますます状況が飲み込めないんだけど…」
『あと私と会ったこと、万里には絶対言わないでくださいね』
「人の話聞かないタイプね…」
また変なのが増えたな…とぼやきながら皆木綴という青年は静かに去って行った。
万里とは全然タイプは違うけど、何だかお兄ちゃんって呼びたくなるような人だったな。
そんなことを思いながら再びコントローラーを握った。
つづく