第13話
Name Cange
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「えっと…何この状況」
『…!』
私の目の前には見ず知らずのジャージ姿の男が立っていた。
その手にはポテトチップスとコーラとゲームソフト。
『失礼』
「えっ?」
私は男が持っていたコーラを奪い勢いよく飲んだ。
やっと潤いを取り戻した喉で思いっきり息を吐き、未だに唖然としている男の人の手にコーラを戻した。
『ありがとうございます。死ぬほど喉渇いてたので』
「え…あ、うん。いや、ていうか君誰?」
『摂津なまえと申します』
「摂津?もしかしなくても、万里の?」
『妹』
「マジか」
その人は目を見開きながら更に一歩、距離を詰めてきた。
『あの…?』
「君が例の妹ちゃんか」
『例の?』
「万里によく妹自慢聞かされてたからさ」
『うわー』
「俺は茅ヶ崎至。よろしくね、なまえちゃん」
そう言って茅ヶ崎至という男はニッコリと笑い、私の手に触れてきた。
骨ばった、大きな手。
万里以外の男の人に触れられる事は滅多に無い為、少しだけ心臓が跳ねた気がした。
正確に言うと、ゲームソフトを持っていた手を伸ばし、私の手に無理矢理持たせただけなんだけど。
「それ、万里に返しといてくれない?あと、曜日クエ周回するから俺の部屋集合って伝えといて?」
『…はあ』
「それともなまえちゃんが付き合ってくれる?」
『いえ、私この部屋から一歩も出るなって言われてるので』
「何それ軟禁?」
『私がここにいること知ってるのも、監督さんと咲也君と碓氷君だけだし…』
「なるほど…他のやつらには合わせたくないってわけだ」
にやり、と嫌な笑みを浮かべた目の前の男は、今度はしっかりと私の手を掴んで部屋を出た。
その拍子に手渡されたゲームソフトを落としてしまったが、拾っている余裕は無かった。
茅ヶ崎至という男の背を見つめながら着いていく事しか出来なかった。
***
「はー、マジ疲れた」
永遠と終わりそうになかった兵頭との言い合いもやっとのことで終わり、長いため息が出た。
今兵頭は臣の作ったケーキを食べに行っている。
その間になまえをなんとかしなければ。
そう思って連絡しようとスマホをみると、なまえからメッセージが届いていることに気がついた。
飲み物が欲しいという内容だが、時間を見ると30分程前に送られている。
どんだけ兵頭と無駄な時間を過ごしたんだ俺は。
稽古に持ってきていた自分用の水をなまえの元へ持っていく為走る。
「わりぃなまえ、くそ兵頭のせいで………あれ、なまえ?」
部屋のドアを開けると中はもぬけの殻。
一瞬で嫌な予感が過り、その予感は床に落ちていたゲームソフトによって確証へと変わった。
「クソっ!至さんか…!」
つづく
『…!』
私の目の前には見ず知らずのジャージ姿の男が立っていた。
その手にはポテトチップスとコーラとゲームソフト。
『失礼』
「えっ?」
私は男が持っていたコーラを奪い勢いよく飲んだ。
やっと潤いを取り戻した喉で思いっきり息を吐き、未だに唖然としている男の人の手にコーラを戻した。
『ありがとうございます。死ぬほど喉渇いてたので』
「え…あ、うん。いや、ていうか君誰?」
『摂津なまえと申します』
「摂津?もしかしなくても、万里の?」
『妹』
「マジか」
その人は目を見開きながら更に一歩、距離を詰めてきた。
『あの…?』
「君が例の妹ちゃんか」
『例の?』
「万里によく妹自慢聞かされてたからさ」
『うわー』
「俺は茅ヶ崎至。よろしくね、なまえちゃん」
そう言って茅ヶ崎至という男はニッコリと笑い、私の手に触れてきた。
骨ばった、大きな手。
万里以外の男の人に触れられる事は滅多に無い為、少しだけ心臓が跳ねた気がした。
正確に言うと、ゲームソフトを持っていた手を伸ばし、私の手に無理矢理持たせただけなんだけど。
「それ、万里に返しといてくれない?あと、曜日クエ周回するから俺の部屋集合って伝えといて?」
『…はあ』
「それともなまえちゃんが付き合ってくれる?」
『いえ、私この部屋から一歩も出るなって言われてるので』
「何それ軟禁?」
『私がここにいること知ってるのも、監督さんと咲也君と碓氷君だけだし…』
「なるほど…他のやつらには合わせたくないってわけだ」
にやり、と嫌な笑みを浮かべた目の前の男は、今度はしっかりと私の手を掴んで部屋を出た。
その拍子に手渡されたゲームソフトを落としてしまったが、拾っている余裕は無かった。
茅ヶ崎至という男の背を見つめながら着いていく事しか出来なかった。
***
「はー、マジ疲れた」
永遠と終わりそうになかった兵頭との言い合いもやっとのことで終わり、長いため息が出た。
今兵頭は臣の作ったケーキを食べに行っている。
その間になまえをなんとかしなければ。
そう思って連絡しようとスマホをみると、なまえからメッセージが届いていることに気がついた。
飲み物が欲しいという内容だが、時間を見ると30分程前に送られている。
どんだけ兵頭と無駄な時間を過ごしたんだ俺は。
稽古に持ってきていた自分用の水をなまえの元へ持っていく為走る。
「わりぃなまえ、くそ兵頭のせいで………あれ、なまえ?」
部屋のドアを開けると中はもぬけの殻。
一瞬で嫌な予感が過り、その予感は床に落ちていたゲームソフトによって確証へと変わった。
「クソっ!至さんか…!」
つづく