小話メモ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
はじめは、軽く触れあうだけだった。
重ね合わせた唇は同年代の女性と比べても一人周り小さく、同じ男性とは思えない柔らかさが妙な背徳感を味わわせる。くっつけただけの色気のないキスは、重力に従って少しずつ深みを増していく。
相変わらず、何を食べたらここまで重みを落とせるのか。いや、いっそ何も食べていないのではと本気で疑ってしまう。だが、この時間の間だけはこの積極性に体重が釣り合うのだろう。
息苦しさで薄く開いた隙間から、小さな舌がするりと入り込んでくる。柔らかくて、熱くて、甘い。構成する物質は同じはずなのに、何故だかそう感じてしまう。
甘いものが特別好きなわけではない。むしろ好んで食すことなどないはずなのに、この甘さだけは幾度となく求めてしまう。
煙だけを飽きもせず取り込み続けている自分の舌は相手からすれば苦いのだろうか。
そんなどうでもいいことを考えていると、不意に彼奴の舌が上顎を撫でた。端から端までゆっくりと、舐める感触が肉の舌の骨を直に刺激する。
咄嗟に逃げようとした肩を両手で押され、バランスの取れていなかった状態はそのまま体を倒した。身を引いたのは反射的だったのに、どうも読まれていたらしい。
普段は何も考えていなそうな顔をしているくせに、こういうときばかり察しがいいのはどうにかならないものか。流されるままなのが癪に障り軽く胸を押せば、案外簡単に体が離れていった。
「……もういい」
上がった息に気付かれないよう端的にそう言うと、心珠はきょとんと首を傾げた。
明確に意思を伝えたはずなのに、何が腑に落ちなかったのか。だが、それも自分の中で決着がついたのか。心珠は満足そうに恭司の頭を撫でた。
「恭司、ちゅー好きだね」
「……うるせぇ」
とりあえずここまで、気が向いたら続くかもしれない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
余談ですが、隠れ薬中設定が生えた天城君は薬物漬けのたまさんとのキスは美味しく感じるんじゃないかと思っています。味としてのおいしいではなく、成分としてのおいしい。感覚で感じる分虜になりやすいってか。
重ね合わせた唇は同年代の女性と比べても一人周り小さく、同じ男性とは思えない柔らかさが妙な背徳感を味わわせる。くっつけただけの色気のないキスは、重力に従って少しずつ深みを増していく。
相変わらず、何を食べたらここまで重みを落とせるのか。いや、いっそ何も食べていないのではと本気で疑ってしまう。だが、この時間の間だけはこの積極性に体重が釣り合うのだろう。
息苦しさで薄く開いた隙間から、小さな舌がするりと入り込んでくる。柔らかくて、熱くて、甘い。構成する物質は同じはずなのに、何故だかそう感じてしまう。
甘いものが特別好きなわけではない。むしろ好んで食すことなどないはずなのに、この甘さだけは幾度となく求めてしまう。
煙だけを飽きもせず取り込み続けている自分の舌は相手からすれば苦いのだろうか。
そんなどうでもいいことを考えていると、不意に彼奴の舌が上顎を撫でた。端から端までゆっくりと、舐める感触が肉の舌の骨を直に刺激する。
咄嗟に逃げようとした肩を両手で押され、バランスの取れていなかった状態はそのまま体を倒した。身を引いたのは反射的だったのに、どうも読まれていたらしい。
普段は何も考えていなそうな顔をしているくせに、こういうときばかり察しがいいのはどうにかならないものか。流されるままなのが癪に障り軽く胸を押せば、案外簡単に体が離れていった。
「……もういい」
上がった息に気付かれないよう端的にそう言うと、心珠はきょとんと首を傾げた。
明確に意思を伝えたはずなのに、何が腑に落ちなかったのか。だが、それも自分の中で決着がついたのか。心珠は満足そうに恭司の頭を撫でた。
「恭司、ちゅー好きだね」
「……うるせぇ」
とりあえずここまで、気が向いたら続くかもしれない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
余談ですが、隠れ薬中設定が生えた天城君は薬物漬けのたまさんとのキスは美味しく感じるんじゃないかと思っています。味としてのおいしいではなく、成分としてのおいしい。感覚で感じる分虜になりやすいってか。