過去の遺物たち
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金属の冷たさが腕を伝っていく。
ジャラリと鎖の音が鼓膜を響かせる。
「ん…?」
アルゴが目を覚ましたその部屋はまさに廃墟のような一室だった。
コンクリートがむき出しになった寒々しい個室。
どうやらベットのようなものに寝かされているらしく、
一段高くなった視界から見るにそこまでの広さがあるわけではないようだ。
「どこだ…ここ…っ!?」
体が異様なまでに重たい。
「なんでこんな…」
後ろに回された手は、金属の冷たさとジャラリという音に阻まれて動かすことができない。
どうやら手錠か何かで拘束されているようだ。
「くそっ…!」
いったいなぜこんなことになっているのか。
辺りを見回してみるも自分以外に人影はない。
不自然に重い体を動かしながら、アルゴは逡巡していた。
何が起きているのかと。
どうして自分が、こんな廃墟のような場所に拘束されているのか。
思い出そうとするも、うまく頭が働かない。
そのとき、鎖の揺れ終わる音に紛れてカツカツと足音が聞こえた。
音は少しずつこの部屋に近づいてきたようで、程なくして足音が止む。
ぎぎっと音を立ててドアが開く。
「あ、おきてる!」
部屋の中に入ってきたのは白い髪の少女。
少女は、アルゴに目を止めるとぱたぱたと走り寄ってくる。
手にしていた箱を足元に置き、アルゴと視線を会わせるようにベットの縁にしゃがんだ。
重い体を動かし、彼女と目を合わせる。
「だいじょうぶ?あるくん、痛いところとかない?」
幼い目がこちらを覗き込む。
一目で人を引き付ける容姿をした美しい少女。
だが、アルゴの本能は彼女が敵だと訴えかけていた。
「お前…誰だ」
そんなアルゴの問いに、彼女はキョトンと首を傾げた。
「あるくん、エノのことおぼえてないの?」
「エノ…?」
それがこの少女の名前なんだろうか。その名前に覚えはない。
代わりに小さな違和感が頭の中を駆けめぐる。
この違和感は警鐘だ。
なぜだかはわからない。
だが、アルゴはエノと名乗る少女が自分の敵だと確信していた。
「お前、誰だ。なんで、俺のこと知ってる」
だが、アルゴの問いには答えず、エノは持ってきた箱から何かを取り出した。
錠剤のように見えるそれを口に含むとベットに這い上ってくる。
とっさに身を引こうにも異様なだるさと手錠が相まって上手く動くことができない。
それでもどうにか顔を離すと背がトンと堅い何かに当たる。
どうやらこちら側はベットの柵があがっていたようだ。
手錠もこの柵に繋がれている。
そちらに目をやっていると、どこかからカリッと小気味のいい音が聞こえた。
音の出所を理解するまもなく、頬を掴まれる。
一瞬、視界が白に染まったかと思うと、
柔らかいものに口を塞がれる。
「…っ!?」
咄嗟に身を引こうとするも、頬は掴まれたまま。
覆いかぶさられた体はうごかすことができない。
一瞬の静寂。
余りに突然の出来事に思考が追いつかない。
咄嗟のことで吸い込んだ酸素も、徐々に薄れていく。
空気を取り入れようと開いた隙間から、舌がねじ込まれた。
「ん…!」
柔らかなぬめりが口の中へと侵入してきた。
入り込んだ小さな舌はアルゴの口内で大きく暴れ回る。
舌先をからめ取り歯列をなぞる。
好奇心のままに動く子どものように、隅々までをなめとっていく。
唾液がくちゅくちゅと音を鳴らしては、部屋の中に反響し、木霊する。
「ん…、んっ!」
そうしてどれほど経っただろうか。
飲み込めなくなった唾液が口の端を伝い落ちたとき、
エノの舌を伝って小さな何かが二つ、口の中に入り込んだ。
すると、先ほどまで無造作に暴れ回るようにしていたエノの舌が、その二つを
押し込むように動き始める。
余りに突然の出来事に抵抗することもできず、
二つの固まりはのどの奥へと滑り落ちていく。
飲み込んだのを確認したのか、エノは口を離した。
「んぐ…!ぐっ…ゴホゴホッ!」
「んーのんでくれたかな?」
「…お前!何を…」
「かんだほうがのみやすいしききやすいって、よきのあにきに教えてもらったの」
どうにか半身を起こすも、その体は先ほどまでよりも強い倦怠感に襲われていた。
先ほど飲まされたもののせいだろう。
身動きの取れない状態では吐き出すこともできない。
座ったままの姿勢にすら力が入らず、ぐらりと崩れ落ちる。
「おっとっと」
倒れこんだ体を抱き留められ、柵に寄りかけられる。
自分の体であるはずなのに、自らの意思で体を動かすことができない。
「だいじょうぶ?」
こちらに向ける大きな赤い瞳は年若い少女そのものだ。
しかしその瞳の中に潜む赤は、どう猛な捕食者の色。
「…何をする気だ」
「んー?」
察しはついていてもそう問わずにはいられない。
彼女が自分にしようとしていることは、本来ならばありえないことだろう。
「あるくんとあそぼうとおもって」
小さな手が、アルゴの胸を撫でる。
「っ…」
「時間はいっぱいあるからね」
そう言うと、エノは再び唇を重ねてくる。
口の端を啄み、舌は唇をなぞる。
手は頬に添えられ、ゆっくりとなぞられる。
「ん…」
それは、本当に小さな刺激。
だが先ほどまでとは異なり、アルゴの体はその小さな刺激にピクリと震えた。
体の奥が徐々に熱くなっていくような、そんな感覚。
「や、めろ…!」
顔を振り払い彼女を引きはがす。
エノは一瞬呆けた顔をしたが、すぐに口元をにやりとゆがませた。
顔を近づけると、そのままアルゴの耳に舌を入れる。
「なっ…!」
ぬるりとした感触が耳の中に入り込む。
中耳を滑り、耳たぶを食み、ぴちゃぴちゃとなる音は脳髄にまで入り込んでくる。
「ぅ…ふ…」
空いた手が、シャツのボタンを一つ一つ、ゆっくりとはずしていく。
半分ほどまで外したところで、エノの手がするりとシャツの中に入り込んだ。
まさぐるような動きで胸の飾りを探し当てると、
立ち上がったそれをつままれる。
首筋をチュッと吸い上げると、もう片方にも舌を這わせる。
「んぁ…、う…」
舌と指で、くりくりとこねくり回される。
つまみあげられ、甘噛みをされ、くにくにと遊ぶように、胸の上を滑る感触は、
確実にアルゴの感覚器官を刺激している。
「ふぅ…う、んっ…」
残りのボタンも外され、臍をそっと撫でられる。
声を抑えようとかみしめた唇の端に力が入る。
「あ、だめだよかんじゃ!」
口元が赤くなっていることに気付いたのか、エノが胸からパッと口を離す。
細い指が口元をなぞる。
だが、その指にすら、ぞわりと反応してしまいそうだ。
「赤くなっちゃったね」
「…何が、したいんだ…お前」
上がる息を整え、彼女を見やる。
「エノはあるくんと遊ぼうとおもってるだけだよ?」
そういうと彼女はおもむろに立ちあがり、ベットを降りる。
どこへ行くのかと思えば、エノはそのままアルゴの背に回った。
肩に引っかかっただけのシャツをおろす。
ボタンがすべて外れたシャツは、肩からストンと滑り落ちた。
白いシャツはひじのあたりでとまり、背中の半分ほどまで肌があらわになる。
ひやりとした空気が、熱を持つ肌に伝わる。
荒いはぁはぁとした息遣いが部屋の中に響く。
「あるくんこれあざ?」
背後からのエノの声に後ろを振り返る。
エノは、アルゴの背の一点を呆けた表情で見つめている。
「はねみたい」
好奇心のおもむくまま、エノはアルゴの背に手を伸ばす。
「…うあ!」
エノの手が背に触れた瞬間、電流のような感覚が刺激となってアルゴを襲った。
肩を跳ね上げさせ、大きく声を上げる。
すぐにまたアルゴは唇を噛んだが、その反応を後ろの彼女が見逃すはずがなかった。
ぬるりと、舌が背の一点を滑る。
「うあ…ぅ…んぁ…」
びりびりと甘い痺れが体に走り、声が漏れ出す。
その一点をいじられるだけで、体中をコントロールされてしまいそうな、そんな感覚に陥る。
「あるくん、くちかんじゃだめだよ?」
そういいながら、エノは後ろから手を伸ばす。
伸ばした手が胸の突起をひっかく。
「んぁ…」
背を舐められながら、胸をいじられる。
体の震えが止まらない。中心からじくじくと熱がこみ上げてくる。
動くたびに、手錠がジャラジャラと音を立てる。
かろうじて閉じられた口の端からは、唾液が首筋を伝って零れ落ち胸を汚している。
「ふ…う、んっ…」
エノは何がしたいのか。
自分はどうなるのか。
みんなはどうしているのか。
外の様子はおろか時間すらもわからぬ中で、
自分のことを辱める少女のことをアルゴは何も知らないのだ。
不安ばかりが頭をよぎる。
だが、ふいにアルゴの視界は色を捉えた。
都合のいい幻覚ではあったのだろう。
深い黒をたたえながらも澄み切った蒼。
「や、めろ!」
無意識のうちに声を荒げる。
体に力を籠めた声は、彼女を”拒絶”する。
声に驚いたのか、エノは一瞬手を止めた。
「誰と、間違えてるんだ。俺は…お前のことなんか知らない…!」
この少女は、エノは自分の敵だ。
それで十分だろう。
息を整えていると、不意にエノがにぎりこぶしを目の前につき出した。
「そういえば、あるくんにはまだ教えてなかったね」
そう言って彼女は手を開く。
その拍子に、握りしめられていたものがポトリと落ちた。
「っ…これ」
鈍い銀色はシーツの白を映し、蒼い宝石は光を映すことなく落ちる。
エノの手から零れ落ちたのは、金属の蝶。
それは、ここにあるはずのないもの。
いや、あってはいけないものだ。
アルゴにとって、最も大切な少年の分身。
それが、今、【ここ】にある意味。
考えなくてもわかってしまう。
アルゴは言葉を失った。
呼吸ができない。血の気が引いていくようだ。
「あるくんのたいせつなおともだちなんでしょ?」
いつの間に正面へ回ったのか、エノがイヤーカフを拾い上げた。
手の中の蝶をそっと撫でる。
イヤーカフを箱にしまうと、エノは再びベットに上った。
「お前、なにした」
声にならない声が口の中に反響する。
力なくにらみつけるも、彼女は全く臆することはない。
どころか、その状況にすらエノは楽しそうにクスクスと笑い声をあげた。
「まだなんにもしてないよ?」
そこで彼女は悩むようなしぐさを見せると「あ、でも」と続ける。
ずい、と目と鼻の先にまで顔を寄せる。
「あるくんがあんまりやだって言うと、【りのくん】も泣いちゃうよ?」
声音も表情も笑っていたが、その目は明らかに先ほどまでとは違っていた。
細い人差し指の先を唇に押し付けられる。
先ほど取り出したのだろうか。
手には小瓶が握られていた。
エノが片手で小瓶のキャップを開ける。
「のんで?」
彼女は本気だ。
拒めば、リノがどうなるかはわからないと。
そうアルゴに言っているのだ。
言われた通り、瓶に口をつける。
傾けられた瓶は、アルゴの口の中に紫色の液体を流し込んでいく。
「ぐ…んぐ…」
液体をすべて飲み干すと、エノは空になった小瓶を放り投げた。
カシャンとガラスの音が乾いた部屋に響く。
ドクンと鼓動の音が大きくなる。
荒い呼吸があふれだす。
アルゴの変化にエノも気づいたのだろう。
ぷっくりと膨らんだ胸の飾りを、再び舐められる。
「ん…は、あっ…あぁ…」
感覚はさほど変わらない。
ただ、先ほどまでと違うのは、細やかだった刺激が確実に熱を下腹部へと収束させていること。
ズボンを押し上げて、ソレが主張を始める。
「あつい?」
エノの手が布越しに主張した熱を撫であげる。
「あ…ぅっ…」
そんな刺激にすら今のアルゴは感じてしまう。
溢れだした液がズボンを汚していく。
「あるくん、腰あげて」
カチャリと金属の音が聞こえたかと思うと、ベルトが抜かれ後方へと投げ捨てられる。
「はーやーくー」
不服そうな声と共に太股をぺしぺしと叩かれる。
仕草だけは子供のものだが、発言も行動も子供らしさなどあったものではない。
柵をつかみおずおずと重い腰をあげる。
エノの手が、ズボンを掴むと、そのまま下着ごとずりおろされる。
ひんやりとした空気が足を、晒された自身に触れる。
すでに自身は硬くたち上がっており、先走りがこぼれ落ちて、シーツを汚した。
「…っ」
たてた両膝をつかみ、足の間に体を割り込ませるようにしてエノはそれを凝視していた。
暗に足を閉じるなと念を押され、
アルゴにできることはもう顔を背けることぐらいしか残されていなかった。
ふっと、自身に風が触れるのをアルゴは感じた。
この、閉鎖された部屋で、だ。
ソレに、ぬるりとした感触が触れる。
「ひっ…!」
思わず視界を戻せば、エノの頭は視界の下にあった。
小さな舌が、そそり立つ雄を舐めあげる。
太ももの付け根から、自身の根元へ。
舌が、筋を先端へと這っていく。
「ひぁ…ん、はっ、あ…」
先端を舌先でつつくと、開かれた口に自身を咥えられる。
生温かい熱が先を包み込み、舌がチロチロ傘を刺激していく。
シーツにぽたぽたと落ちる液は、彼女の口からのものなのか、それとも自身からなのか。
それすらもわからない。
再び口が離れると今度は指の先で擦られ、掌で包まれる。
やわやわと揉まれる緩やかな刺激ですら、確実に快楽を高めていく。
「…う、ふぅ…っんあっ」
あふれだす液は、ぐちぐちと粘着質な音を響かせる。
直接的な刺激に、思考が追い付かない。
自分はなにをしているのだろう。
どこかもわからない場所に監禁され、
年端もいかない少女にいいように体を弄ばれて、
体の奥にしまい込んでいた感覚が、引きずり出されていく。
辛うじて上半身を支えている足腰ががくがくと震える。
「エノっ…!ん、て…ぁ…は、なせ」
「やーだ」
ドクンと心臓と鼓動とともに何かが、体の奥から上がってくる。
視界がパチパチはじけて白む。
「うあ、あ、ぁぁぁ…!」
先端をキュッと握りこまれ、胸の飾りを再び舐められると
その小さな手の中でアルゴは呆気なく達してしまった。
熱はどくどくと脈打ち、そのまま白濁をエノの手の中に吐き出した。
「あ、はぁ…あ…」
力の抜けた上半身がどさりとシーツに倒れこむ。
呼吸を落ち着けようと息を吐いても、体の熱さは収まりそうもない。
むしろ、先ほどよりもひどくなっているのか。
また立ち上がってきているのが自分でもわかった。
「まだおくすりきいてるよね?」
そう言うと、べちゃりという音とともに尻に、生温かい何かが塗りこめられる。
同時に倒れこんだ体を反転させられ、エノの方を向かされる。
「な…っ!なに、を…」
「あるくんがさっきだしたやつ」
足の間の窄まりに細い指が、押し付けられる。
「…ぁ」
喉の奥から小さな悲鳴がこぼれた。
このまま続けられれば、思い出してしまう。
しまい込んだ、幼いころの記憶が。
泣いても叫んでも、そのたびに代わる飼い主を喜ばせるだけだったあの頃の感覚が。
「…やだ、や、めろっ」
出した声は震えていた。
「ちゃんとぬらしたら、いたくないんだっ、て」
滑りが相成り、指がゆっくりを後孔へと押し込められる。
ぐちゃりと音を立てて、細い指は奥へと入り込んでいく。
「あ、あっ!…うっ…あっあ、はぁ…」
……