オメルタ夢
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「リノ、こっちに」
その声に、私は言葉を返すことができなかった。返事を待たずにアルゴさんの手が私の腕をつかみ、次の瞬間には視界がぐるりと反転していた。背中に壁の硬い感触と、視界に指した影。咄嗟に上がりかけた声が大きな手によって制される。何が起きたのかを理解する間もないまま、頭上から低い声が降ってくる。
「…静かに」
視線だけを上げると、首元がすぐ近くに見えた。荷物の影に隠れるためにかがんでいるのか、いつもはずっと上にある顔が目の鼻の先まで近づいているようだった。アルゴさんの視線は積荷の向こう側、話し声の聞こえたほうへと向けられている。
口元を押さえていた手が、私の背中に回る。そのままゆっくりと抱き寄せられ、再び上がりそうになった悲鳴を今度はどうにか飲み込んだ。
「…苦しいと思うが、少し、そのままでいてくれ」
耳元で、低い声が響いた。声の方へゆっくりと顔を向けると、黒い瞳が同じように私のことを見た。鼻先が触れ合ってしまいそうな近さ。背に回されていない手が私とアルゴさんの唇の間に人差し指を立てる。普段は、威圧感を与えるその目が想像していたよりも大きくて、優しい雰囲気だとその時初めて気が付いた。
心臓の音がバクバクと大音量で鳴り響く。聞こえた声はいつもよりもずっと小さくて、それが聞こえてしまうくらいに辺りは静かなはずなのに。このまま、心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと、そう思ってしまった。
その声に、私は言葉を返すことができなかった。返事を待たずにアルゴさんの手が私の腕をつかみ、次の瞬間には視界がぐるりと反転していた。背中に壁の硬い感触と、視界に指した影。咄嗟に上がりかけた声が大きな手によって制される。何が起きたのかを理解する間もないまま、頭上から低い声が降ってくる。
「…静かに」
視線だけを上げると、首元がすぐ近くに見えた。荷物の影に隠れるためにかがんでいるのか、いつもはずっと上にある顔が目の鼻の先まで近づいているようだった。アルゴさんの視線は積荷の向こう側、話し声の聞こえたほうへと向けられている。
口元を押さえていた手が、私の背中に回る。そのままゆっくりと抱き寄せられ、再び上がりそうになった悲鳴を今度はどうにか飲み込んだ。
「…苦しいと思うが、少し、そのままでいてくれ」
耳元で、低い声が響いた。声の方へゆっくりと顔を向けると、黒い瞳が同じように私のことを見た。鼻先が触れ合ってしまいそうな近さ。背に回されていない手が私とアルゴさんの唇の間に人差し指を立てる。普段は、威圧感を与えるその目が想像していたよりも大きくて、優しい雰囲気だとその時初めて気が付いた。
心臓の音がバクバクと大音量で鳴り響く。聞こえた声はいつもよりもずっと小さくて、それが聞こえてしまうくらいに辺りは静かなはずなのに。このまま、心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと、そう思ってしまった。
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