「な、リルはどう思う？」

まさか、意見を求められるとは思っていなかったリルは、またう〜んと小さく唸って口を開いた、

「リル、したい、ないこと、しない。したいこと、する。カゾク…トモダチ…わからない。キルア、トモダチ、欲しい。トモダチ、どこ、ある？」

とりあえず、やりたくないならやらなければいいのではないか？ということと、トモダチというものは何処にあるのだ？ということを伝えた。

「はは、そうだな。やりたくねぇことはやらなきゃいいよな。友達は…俺もよくわかんねぇんだ。今まで友達っていたことないし。」

寂しそうに窓の外に視線を移したキルアを見たリルは同じように視線を窓の外に移した。
先ほどまで煌めいていた眼下の街は通り過ぎ、暗い闇が広がっていた。

「キルア、リル、トモダチ、探す。トモダチ、あげる。」

その言葉にキルアはきょとんとしたが、すぐにリルが何かを勘違いしていることに気がつき、笑い出した。

「はははは、友達ってそこらへんに落ちてるもんじゃないぜ？俺の理想としては…そうだな〜、お互い笑い合って、一緒にいてすげー楽しい奴かな…」

そうなの？と首をかしげるリルを見て、キルアはまた笑った。

「ゴン、違う？」

キルアの理想が当てはまるとすれば、ゴンは違うのか？とリルがキルアに聞くと、キルアはまた寂しそうな顔をして窓の外を見た。

「うん。ゴンはさ、一緒にいてすげー楽しいよ。でも、ゴンも…そう思ってんのか…わかんないし…」

最後は聞き取れないほど小さくなったキルアの声。
その横顔は眉が下がり不安げだった。

「リル、なる、できる？」

「リルが？俺の友達に？」

「うん。」

「なりたい…のか？」

「うん。リル、キルア、おしゃべり、楽しい。」

リルの口角が上がると、不安げだったキルアの顔が明るくなる。

「そっか！じゃあ、友達な！」

「うん！」

えへへへへとリルとキルアが笑い合っていると、異様なオーラが2人を包み込む。
キルアは目を鋭くし、その元を睨んだが、冷や汗が止まらない。