「キモチ良かっただろう？❤️」

ヒソカがふわふわのタオルでリルの頭を拭きながら、問いかける。

「…うん。」

最初こそ激しく抵抗したリルだったが、次第に温かいお湯にも慣れ、丁寧にシャンプーするヒソカの手に心地よさを感じていた。
今ではトロンとヒソカのなすがままだ。


汚れの落ちたリルの髪は栗色。
肌は陶器のように滑らかで、真っ白だった。
見違えるようなその姿に、ヒソカは満足そうに笑っている。

「リル、こっち向いて❤️」

髪を乾かし終え、ブラシでリルの前髪を上げる。
そのまま耳にかけるとリルの大きな瞳が煌めく。
じっとヒソカはリルの瞳を見つめる。
ドクンと胸が高鳴ったのは、リルがヒソカの言うところの青い果実だからなのか、瞳の奥の妖しく美しい煌めきに魅せられたのかはまだ分からない。

（あぁ…❤️やっぱりいいねぇ…❤️この眼、ボクのモノにしたい❤️）

ヒソカが親指の腹でリルの眼のすぐ下を撫ぜながら妖しく笑う。


「ヘッブシ！」

色気のカケラもないリルのくしゃみにヒソカはハッと我にかえる。
リルが纏っているのはシャワールームに置かれた薄いガウンのみ。

「次は服をなんとかしなくちゃね♦️ボクのは…大きすぎるし、誰かから借りられないかな？♣️」

背丈で言ったらゴンかキルアが理想…ヒソカがそう言いかけた時、リルがピンと何か思いついたように、腰に付けていたボロ袋を自分が脱ぎ捨てた服の下から出した。

「服、ちょーだい、する！」

リルはそう言って、がちゃりとバスルームのドアを開け、駆け出していってしまった。

1人バスルームに取り残されてしまったヒソカは、そんな格好で走り回らないでほしいなぁ…と思いながら、リルの後を追った。