「2次試験の内容は料理よ！」

扉の先にブハラと呼ばれた巨大な男と、メンチと呼ばれた女が座っていた。
彼らは美食ハンター。
世の中のあらゆる食材をハントし、新たな美味の創造を生業とするハンターだ。

ブハラの要求した料理は豚の丸焼き。
世界で最も凶暴な豚。グレイトスタンプの丸焼きだった。
が、味は二の次だったらしく、生焼けや黒こげのものまで美味しいと言って全て平らげた結果、豚を捕獲できた71名全ての受験者が合格となった。


メンチの要求した料理は『スシ』それも『ニギリズシ』しか認められないということだった。
メンチは世界でもトップクラスの美食ハンター。
芸術的な味覚センスが織りなす料理はまさに絶品。現美食界をリードするシングルハンターだ。

ヒントとして、調理場が受験生に1セット与えられた。
おひつに入った米と、包丁の数々。
『スシ』がどんなものか見当もつかないリルはおひつに入っている白米の匂いをクンクンと嗅ぐと一掴みして食べた。

「！？」

柔らかく、噛むほどに甘みが増す米を初めて食べたリルは目を輝かせた。
今度は鷲掴みにしてガツガツと食べ出してしまった。

「あー！リル！食べちゃダメだよ！これでスシ作るんだから！」

ゴンの制止にリルの手が止まる。
手も口の周りも米粒がたくさん付いている。
手についた米粒をペロペロ舐めながら、リルが聞く。

「ゴン、これ、何？」

「え？これって、ライスのこと？食べたことないの？」

「ライス…はじめて。」

「えぇ〜？！本当？美味しいでしょ？」

「オイシイ？オイシイ！」

もう一口と、手を伸ばすと、今度はキルアに止められた。

「だーかーら！食っちゃダメだって！スシ作れなくなるだろ？！」

「キルア、スシ、わかる？」

「いや、俺も知らねぇけど…」

3人がう〜んと悩んでいるとクラピカとレオリオが魚を使った料理だと大声で叫んでしまった為、受験者全員が水辺に走って行った。