「ヒソカ、ネン、何？」

リルが走りながらヒソカに先ほど中断してしまった話をする。

「その話は二次試験会場に着いたらしようか❤️僕はそれまでにちょっとヤることがあるから♠️そうだな…ほら、後ろの方にリルと同じくらいの子がいるから、彼らとお喋りして来たらいいよ❤️」

ウズウズとリルに湧き上がった殺意を鎮めるために、ヒソカは他の受験者達の観察をするべくリルを後方を走っている4人組に促す。
それにコクリと頷き、リルはスピードを落とし、ヒソカは上げた。


「オレ、キルア」

「オレはゴン！」

「オッサンの名前は？」

「オッサ…！！これでもお前らと同じ10代なんだぞオレは！！」

「えーー！うっそぉ！！？」

レオリオの年齢に3人が驚き、ギャイギャイしている中、どう入っていこうかリルが少し迷っていると、

「ねぇ、君の名前は？オレらと同じくらいだよね？」

リルが会話に入るより先にゴンがリルに気が付き話しかけた。

「リル！！」

満面の笑みでリルが答えたが、ボサボサの長い前髪のせいで口元しか見えない。
それを見てレオリオが怪訝そうな表情を見せた。

「ぉぃぉぃ、ゴン…この子…随分小汚ねぇけど大丈夫かぁ…？」

ヒソヒソとゴンに耳打ちする。

「レオリオ！女の子にそんなこと言っちゃダメだよ！ねぇ、リルは何歳？」

レオリオの失言をゴンが制止する。

「わからない！」

リルが元気よく答えるが、それは4人の頭に疑問符を浮かばせるものだった。

「はぁ？自分の年もわからねぇのかよ？！」

「どうゆう事だ？リルというのは本名か？」

キルアとクラピカが口々に言う。

「リル、ヒソカ付けた名前！」

「「え……？！」」

ヒソカといえば、先ほどトンパがヤバいやつと称していた奴。
受験生の1人の両腕を消していた…。

4人の頭に先ほどの光景が浮かぶ。
そのヒソカがリルに名前をつけた？肉親関係？それに近しい関係？
様々な思いが駆け巡った。
それを代表してか、クラピカが口を開く。

「ヒソカと親しい関係なのか？」

よくぞ聞いてくれたとばかりに息を呑みリルの返答を待つ3人。

「シタシイ…？リル、ヒソカ、おしゃべり。ナマエ…わからない。ヒソカ、リル付ける。ヒソカヤルコト、ある。リルと同じくらいくらいのゴン。おしゃべり！！」

「意味わかんねぇ！！」

「ふむ…自分の名前も分からなかったが、ヒソカと話している時にヒソカがリルと名付けたと。で、ヒソカは何かやることがあるから、リルと同じくらいのゴンがいる私達のところで話してこいということか…？」

「わかんのかよ！」

レオリオにはリルのカタコトが意味不明だったが、クラピカの見事な推察によりリルの伝えたいことが伝わった。
コクコクと嬉しそうに頷くリル。

「リル、言葉、わからない。おしゃべり、する。言葉…」

ヒソカとの会話の中で覚えた言葉で拙いながらも一生懸命話すリルを見て、フッとクラピカは笑った。

「リルは我々と話して言葉を覚えたい。そうゆう事だ。」

「そっか！じゃあ、いっぱいおしゃべりしよう！」

「おしゃべり！おぼえるー！」