だから、もう一度


ソニエール監獄にてグレミオ死す──それは、突然の知らせだった。
ミルイヒの仕掛けた罠から他の仲間を、そして何よりリーダーを守るため、自分が犠牲になったのだと聞いた。

『坊ちゃんは、グレミオの誇りです』

人喰い胞子にやられる寸前、あいつは嬉しそうにそう言ったのだと言う。
最後の瞬間まで、自分の一番大事な人を守り抜けた事に満足しながら。


スカーレティシア城に潜入する際、あたしは自らリーダーにパーティー入りを志願した。
どうしてもあたし自身のこの手で、あいつの仇が討ちたかった。許せなかったんだ。ミルイヒの野郎が。
ミルイヒを城の屋上で追いつめた時、きっとリーダーもそうするだろうと思ってた。奴を誰よりも憎んでいるのはリーダーのはずだったから。
でも、リーダーの口から出たのは、意外な言葉だった。

『この男に罪はない』

あいつは──あたしたちのリーダーは、毅然とした態度でそう言い放った。
ミルイヒが仲間になる事で解放軍に加わる兵力、戦力は絶大なものだ。それはやがて、帝国軍との戦いでは大きな支えとなってくれる事だろう。だからこそあいつは、一人の人間・ティルとしてではなく、解放軍リーダーとしてそうする事を選んだ。

あいつはあたしらの前では決して泣かない。弱音一つも吐かない。
沢山の人たちの想いを、希望を背負っているというのは、きっとそういう事なんだろう。
あいつは、本当に強い奴だと思う。

それなのに、あたしは……。

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