師範の愛が重すぎる
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『こ、これで良いかな……』
私は鏡の前で自分の服装を確認する
もっとも、私は服装に無頓着なせいでかわいらしい服など持っていない
なのでいつもの隊服だ
それでもつい気にしてしまう
『はぁ……恋ってこんなに人を変えちゃうんだなぁ……』
そうポツリと呟く
こんなことならもっとおしゃれに気を遣うんだったと思いつつも、私は身支度を終えて自分の部屋を出た
──────
『師範、準備できましたよ~』
私は内心バクバクしているのを隠し、平常を装いながら師範の元へ向かう
するとそこには私と同じく隊服を着た師範がいた
師範もおしゃれとかあまり気にしなさそうだし、私の恰好はこれで良かったのかもしれない
「あ、楓。今日もかわいいね」
かわいい……かわいい……
これまでの師範もかわいいと言ってくれていたのかもしれないが意識していなかったので今回のかわいいは破壊力がすごい
私は思わず顔を手で覆いたくなった
ここで師範もかっこいいです!と本心を言えれば良いのだろうが、私にできるだろうか
『あ、あの……その……』
しかし実際の私はボソボソと小さな声で呟くことしかできない
ああ、駄目かも……と思っていると、師範が私に声をかけてきた
「楓、何か言いたいことでもあるの?さっきから口をパクパク動かしてるけど?」
まさか師範が私が喋っていたことに気づくとは
ここは覚悟を決めて言うしかないだろう
『その……師範もかっこいいって言いたかったんです……』
私は顔を覆いながらそう呟く
その言葉を聞いた師範は目を丸くした
「え、それ本当?」
師範の問いに私はこくこくと力なく頷くことしかできなかった
すると師範は急に天を仰ぎ始めた
「はぁ~継子がかわいすぎて困る……」
本人は軽く呟いたつもりだったのだろうが、ばっちり私に聞こえている
その後どうやってデートに向かったのか、私は覚えていない……
──────
放心状態の私が師範に連れられて向かった先は呉服屋だった
師範はおしゃれに興味はあっただろうかと首を傾げていると、店の奥から大量の女性物の着物が出てきた
まさか、これ全部私の為に?
そんな私の疑問は当たった
「これ全部楓にあげるよ。鍛錬ばっかりで服持ってないだろうしね」
……図星だ
継子として師範につけてもらう鍛錬の他にも私は自主的に鍛錬をしている
また私は鬼殺隊で甲という階級に就いている
そんな鍛錬と任務漬けの生活ではおしゃれに気を遣う暇などないわけで……
とくんとくんと心臓が音を立てる
師範が私の為にここまでしてくれたという事実が嬉しい
『師範、その……ありがとうございます……!』
師範に向かって明るい笑顔を向けると、彼は顔を赤くして手で顔を覆った
これは……照れてる?
師範のこんな表情を見るのは初めてだ
そうして私達の間に甘い雰囲気が流れていると……
「……ごほん、さて……こちらは全てご購入されるということでよろしいでしょうか?」
店員さんからそう質問された
そうだ、ここは呉服屋
店員さんがいるのは当たり前じゃないか……!
私は恥ずかしさのあまり顔を赤くする
そして今にも消え入りそうな声で対応したのだった……
──────
呉服屋を出発してから、私と師範は街をブラブラと歩いている
ちなみに購入した服は後日霞柱邸に届けてくれるそうだ
鍛錬ばかりでほとんど外に出ない私にとっては何もかもが珍しく、瞳をキラキラさせながら視線をあちこちに移す
そんな私を見て師範はくすりと笑みを零した
……あまりにも落ち着きがなかっただろうか?
確かにお上りさんみたいな振る舞いをしてしまったかも……
……私の方が年上なのに、これでは師範の方が保護者みたいではないか
そうして1人落ち込んでいると、師範に声を掛けられる
「楓、どこか気になるところがあるの?時間はあるから楓の行きたいところに行こう」
そう言うと私に手を差し出した師範
そんな私を気遣っての言葉に、思わずきゅんとしてしまう
師範、どうしてこんなに優しいんですか……!
自惚れでなければ師範は私以外の人にここまで優しく言葉をかけることはない
おまけにいつも無表情で、表情が変わることなんてほとんどない
……それでも
私の前では少しではあるけれど感情を見せてくれる
今の私にはそれがたまらなく嬉しい
私は師範の手を取る
そしてそのまま歩き出した
……あれ?
もしかして、このままずっと手を繋ぐの!?
そう考えると少しずつ顔に熱が集まっていく
繋いだ手を離そうとも思ったが、このまま離したくないと思う自分もいる……
結局私達は、手を繋いだままデートを続けたのだった
──────
お店を巡っている内に、日が少しずつ傾き始めた
そろそろ帰った方が良いだろう
今日はとても楽しかった
食べてばかり(主に私が)でちょっと恥ずかしかったけれど……
師範は少し用事があるようで今は彼を待っているところだ
そしてそう時間が経たないうちに師範は戻って来た
何かを手に持っているようだ
そして師範はその手に持っていた何かを私に渡す
「楓、今日はありがとう。良かったらこれを」
師範はそうして綺麗に包装された包みを渡してきた
『その……これは何ですか?』
私がそう尋ねると、師範は少し口角を上げて、「開けてみて」と言った
私はその言葉通りその場で包みを開ける
すると中から出てきたのは浅葱色のリボンだった
これって、師範の瞳と同じ色……
そう思うとボンッと一気に顔が赤くなる
『あ、ありがとう、ございます……』
まさかの贈り物に驚いた私は上手くお礼を言えなかった
恐らく私の顔は今も真っ赤だろう
そんな私を見て、師範はにやりとしていた
……師範の馬鹿!
私の気も知らないで……
と、心の中では悪態をついた私だったが、実際は嬉しさでいっぱいだった
こうして、和やかな雰囲気でデートは終わったのだった
私は鏡の前で自分の服装を確認する
もっとも、私は服装に無頓着なせいでかわいらしい服など持っていない
なのでいつもの隊服だ
それでもつい気にしてしまう
『はぁ……恋ってこんなに人を変えちゃうんだなぁ……』
そうポツリと呟く
こんなことならもっとおしゃれに気を遣うんだったと思いつつも、私は身支度を終えて自分の部屋を出た
──────
『師範、準備できましたよ~』
私は内心バクバクしているのを隠し、平常を装いながら師範の元へ向かう
するとそこには私と同じく隊服を着た師範がいた
師範もおしゃれとかあまり気にしなさそうだし、私の恰好はこれで良かったのかもしれない
「あ、楓。今日もかわいいね」
かわいい……かわいい……
これまでの師範もかわいいと言ってくれていたのかもしれないが意識していなかったので今回のかわいいは破壊力がすごい
私は思わず顔を手で覆いたくなった
ここで師範もかっこいいです!と本心を言えれば良いのだろうが、私にできるだろうか
『あ、あの……その……』
しかし実際の私はボソボソと小さな声で呟くことしかできない
ああ、駄目かも……と思っていると、師範が私に声をかけてきた
「楓、何か言いたいことでもあるの?さっきから口をパクパク動かしてるけど?」
まさか師範が私が喋っていたことに気づくとは
ここは覚悟を決めて言うしかないだろう
『その……師範もかっこいいって言いたかったんです……』
私は顔を覆いながらそう呟く
その言葉を聞いた師範は目を丸くした
「え、それ本当?」
師範の問いに私はこくこくと力なく頷くことしかできなかった
すると師範は急に天を仰ぎ始めた
「はぁ~継子がかわいすぎて困る……」
本人は軽く呟いたつもりだったのだろうが、ばっちり私に聞こえている
その後どうやってデートに向かったのか、私は覚えていない……
──────
放心状態の私が師範に連れられて向かった先は呉服屋だった
師範はおしゃれに興味はあっただろうかと首を傾げていると、店の奥から大量の女性物の着物が出てきた
まさか、これ全部私の為に?
そんな私の疑問は当たった
「これ全部楓にあげるよ。鍛錬ばっかりで服持ってないだろうしね」
……図星だ
継子として師範につけてもらう鍛錬の他にも私は自主的に鍛錬をしている
また私は鬼殺隊で甲という階級に就いている
そんな鍛錬と任務漬けの生活ではおしゃれに気を遣う暇などないわけで……
とくんとくんと心臓が音を立てる
師範が私の為にここまでしてくれたという事実が嬉しい
『師範、その……ありがとうございます……!』
師範に向かって明るい笑顔を向けると、彼は顔を赤くして手で顔を覆った
これは……照れてる?
師範のこんな表情を見るのは初めてだ
そうして私達の間に甘い雰囲気が流れていると……
「……ごほん、さて……こちらは全てご購入されるということでよろしいでしょうか?」
店員さんからそう質問された
そうだ、ここは呉服屋
店員さんがいるのは当たり前じゃないか……!
私は恥ずかしさのあまり顔を赤くする
そして今にも消え入りそうな声で対応したのだった……
──────
呉服屋を出発してから、私と師範は街をブラブラと歩いている
ちなみに購入した服は後日霞柱邸に届けてくれるそうだ
鍛錬ばかりでほとんど外に出ない私にとっては何もかもが珍しく、瞳をキラキラさせながら視線をあちこちに移す
そんな私を見て師範はくすりと笑みを零した
……あまりにも落ち着きがなかっただろうか?
確かにお上りさんみたいな振る舞いをしてしまったかも……
……私の方が年上なのに、これでは師範の方が保護者みたいではないか
そうして1人落ち込んでいると、師範に声を掛けられる
「楓、どこか気になるところがあるの?時間はあるから楓の行きたいところに行こう」
そう言うと私に手を差し出した師範
そんな私を気遣っての言葉に、思わずきゅんとしてしまう
師範、どうしてこんなに優しいんですか……!
自惚れでなければ師範は私以外の人にここまで優しく言葉をかけることはない
おまけにいつも無表情で、表情が変わることなんてほとんどない
……それでも
私の前では少しではあるけれど感情を見せてくれる
今の私にはそれがたまらなく嬉しい
私は師範の手を取る
そしてそのまま歩き出した
……あれ?
もしかして、このままずっと手を繋ぐの!?
そう考えると少しずつ顔に熱が集まっていく
繋いだ手を離そうとも思ったが、このまま離したくないと思う自分もいる……
結局私達は、手を繋いだままデートを続けたのだった
──────
お店を巡っている内に、日が少しずつ傾き始めた
そろそろ帰った方が良いだろう
今日はとても楽しかった
食べてばかり(主に私が)でちょっと恥ずかしかったけれど……
師範は少し用事があるようで今は彼を待っているところだ
そしてそう時間が経たないうちに師範は戻って来た
何かを手に持っているようだ
そして師範はその手に持っていた何かを私に渡す
「楓、今日はありがとう。良かったらこれを」
師範はそうして綺麗に包装された包みを渡してきた
『その……これは何ですか?』
私がそう尋ねると、師範は少し口角を上げて、「開けてみて」と言った
私はその言葉通りその場で包みを開ける
すると中から出てきたのは浅葱色のリボンだった
これって、師範の瞳と同じ色……
そう思うとボンッと一気に顔が赤くなる
『あ、ありがとう、ございます……』
まさかの贈り物に驚いた私は上手くお礼を言えなかった
恐らく私の顔は今も真っ赤だろう
そんな私を見て、師範はにやりとしていた
……師範の馬鹿!
私の気も知らないで……
と、心の中では悪態をついた私だったが、実際は嬉しさでいっぱいだった
こうして、和やかな雰囲気でデートは終わったのだった