第1章 決意と旅立ち
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
友人……
藤宮さんは鬼殺隊で隠をしていたらしいので、隊員であった伯母と関わりがあってもおかしくはない
むしろ自然だ
「千絵ちゃんは明るくて優しい人でね……鬼殺隊に友人がたくさんいたのよ。」
なるほど
確かに伯母は社交的な人だった
私は相槌を打つ
そして藤宮さんは話を続ける
「彼女が柱にまで上り詰めてもそれは変わらなかったわ。友人の一人として仲良く過ごしていたの。私達は馬が合ったから一緒に過ごす時間も多かったわ」
そうか……二人は親友同士だったのか
「千絵ちゃんはよく家族の話をしていたわ。弟が幸せそうにしていると自分も幸せな気分になれるってね」
私の父方の祖父母……父と伯母の実の両親は鬼に殺されている
そんな中、唯一の肉親が幸せに暮らしているのは家族想いの伯母にとっては嬉しかったのだろう
「義妹と姪っ子もすごく良い子でかわいらしいとも言っていたわね。彼女達が自分達と家族になってくれて良かったと……」
『っ……』
伯母は母と実の姉妹のように仲が良かった
血の繋がり関係なく、彼女達は姉妹だったのだ
「弟達を見ていると、ふと鬼なんて存在しない世界ではないかと錯覚するほど穏やかな気分になったと言っていたわ。そしてその幸せを守る為に自分は刃を振るい続けるとも……」
それでは、伯母の人生は?
彼女は自分の人生を生きることができたのだろうか
「彼女の実力は当時の柱の中でも上位だったわ。それに持ち前の明るさと優しさから多くの隊士に慕われていたしね。でも、怒るときは怒っていたし、柱としての威厳はあったのよ。普段怒らない分すご~く怖いの」
伯母が……怖い?
怒られたことがないので分からない
『伯母も怒るんですね……いつも優しい笑顔を浮かべていた人なので想像がつかないです』
そう零すと藤宮さんは少し口角を上げる
「それは楓ちゃんが良い子で、怒られるようなことをしなかったからよ。それに彼女が怒るのは本当に酷いことをした人だけよ。他者の心身を害した人とかね。自分が何かされても笑って流すような人だったわ」
伯母は本当に慈悲深い人だったんだな……
怒る基準も自分ではなく他人
涙が零れてくる
泣き止みたいのに……涙が止まらずあふれてくる
「!楓ちゃん、どうしたの?大丈夫?」
これまで正面にいた藤宮さんが私の横に座る
『……う、ううっ……』
最悪だ
お話を聞かせていただいているのに途中で大泣きするなんて恥ずかしい
大丈夫だと答えなければいけないのに……
私は疑問を藤宮さんにぶつけた
『……っ、伯母は……っく……幸せだったんでしょうか……?伯母は……自分の人生を生きることができましたか……?』
藤宮さんは私の背中をずっとさすってくれている
しかし下を向いているので表情は読めない
少しの沈黙の後、藤宮さんが口を開いた
「……それは、私にも分からないわ」
落ち着いた声色だった
それもそうだ
彼女は伯母ではない
慰めよりもはっきりと言ってもらえて良かった
『……っく、すみません……急に泣き出してしまって……それにおかしなことを聞いてしまいました。忘れてください……』
……本当に最悪だ
顔を下に向ける
私は藤宮さんに迷惑をかけてばかりだ
これ以上迷惑はかけられない
そう思い立ち上がろうとすると
「……彼女の本当の気持ちは分からないけれど、千絵ちゃんは自分の人生を生き抜いたわ」
藤宮さんの声に反応し、私は顔を上げる
私の隣に少し眉を下げて優しく微笑む彼女の姿があった
「千絵ちゃんはね、家族の幸せが自分の幸せ。他の人達の幸せが自分の幸せだと言っていたわ。だから鬼殺隊に入隊したのも彼女の意志。千絵ちゃんは自分の人生を生き抜いたのよ」
ああ、そうか……
伯母は自分ではない誰かの為に命を懸ける人だった
他者の幸せ
それが伯母の〝願い〟だった
『……藤宮さん、ありがとうございます……ありがとう、ございますっ……』
また涙がぽろぽろと零れてくる
そんな私を藤宮さんは黙って抱きしめてくれていた
藤宮さんは鬼殺隊で隠をしていたらしいので、隊員であった伯母と関わりがあってもおかしくはない
むしろ自然だ
「千絵ちゃんは明るくて優しい人でね……鬼殺隊に友人がたくさんいたのよ。」
なるほど
確かに伯母は社交的な人だった
私は相槌を打つ
そして藤宮さんは話を続ける
「彼女が柱にまで上り詰めてもそれは変わらなかったわ。友人の一人として仲良く過ごしていたの。私達は馬が合ったから一緒に過ごす時間も多かったわ」
そうか……二人は親友同士だったのか
「千絵ちゃんはよく家族の話をしていたわ。弟が幸せそうにしていると自分も幸せな気分になれるってね」
私の父方の祖父母……父と伯母の実の両親は鬼に殺されている
そんな中、唯一の肉親が幸せに暮らしているのは家族想いの伯母にとっては嬉しかったのだろう
「義妹と姪っ子もすごく良い子でかわいらしいとも言っていたわね。彼女達が自分達と家族になってくれて良かったと……」
『っ……』
伯母は母と実の姉妹のように仲が良かった
血の繋がり関係なく、彼女達は姉妹だったのだ
「弟達を見ていると、ふと鬼なんて存在しない世界ではないかと錯覚するほど穏やかな気分になったと言っていたわ。そしてその幸せを守る為に自分は刃を振るい続けるとも……」
それでは、伯母の人生は?
彼女は自分の人生を生きることができたのだろうか
「彼女の実力は当時の柱の中でも上位だったわ。それに持ち前の明るさと優しさから多くの隊士に慕われていたしね。でも、怒るときは怒っていたし、柱としての威厳はあったのよ。普段怒らない分すご~く怖いの」
伯母が……怖い?
怒られたことがないので分からない
『伯母も怒るんですね……いつも優しい笑顔を浮かべていた人なので想像がつかないです』
そう零すと藤宮さんは少し口角を上げる
「それは楓ちゃんが良い子で、怒られるようなことをしなかったからよ。それに彼女が怒るのは本当に酷いことをした人だけよ。他者の心身を害した人とかね。自分が何かされても笑って流すような人だったわ」
伯母は本当に慈悲深い人だったんだな……
怒る基準も自分ではなく他人
涙が零れてくる
泣き止みたいのに……涙が止まらずあふれてくる
「!楓ちゃん、どうしたの?大丈夫?」
これまで正面にいた藤宮さんが私の横に座る
『……う、ううっ……』
最悪だ
お話を聞かせていただいているのに途中で大泣きするなんて恥ずかしい
大丈夫だと答えなければいけないのに……
私は疑問を藤宮さんにぶつけた
『……っ、伯母は……っく……幸せだったんでしょうか……?伯母は……自分の人生を生きることができましたか……?』
藤宮さんは私の背中をずっとさすってくれている
しかし下を向いているので表情は読めない
少しの沈黙の後、藤宮さんが口を開いた
「……それは、私にも分からないわ」
落ち着いた声色だった
それもそうだ
彼女は伯母ではない
慰めよりもはっきりと言ってもらえて良かった
『……っく、すみません……急に泣き出してしまって……それにおかしなことを聞いてしまいました。忘れてください……』
……本当に最悪だ
顔を下に向ける
私は藤宮さんに迷惑をかけてばかりだ
これ以上迷惑はかけられない
そう思い立ち上がろうとすると
「……彼女の本当の気持ちは分からないけれど、千絵ちゃんは自分の人生を生き抜いたわ」
藤宮さんの声に反応し、私は顔を上げる
私の隣に少し眉を下げて優しく微笑む彼女の姿があった
「千絵ちゃんはね、家族の幸せが自分の幸せ。他の人達の幸せが自分の幸せだと言っていたわ。だから鬼殺隊に入隊したのも彼女の意志。千絵ちゃんは自分の人生を生き抜いたのよ」
ああ、そうか……
伯母は自分ではない誰かの為に命を懸ける人だった
他者の幸せ
それが伯母の〝願い〟だった
『……藤宮さん、ありがとうございます……ありがとう、ございますっ……』
また涙がぽろぽろと零れてくる
そんな私を藤宮さんは黙って抱きしめてくれていた