第1章 決意と旅立ち
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『……その元雨柱は……私の伯母です』
そう言うとご婦人は驚いた顔をする
……元柱の縁者に会ったのだ
驚くのは当たり前か
そう考えていると
「……そう、雨柱の……ところで、その様子だと宿を取っているわけではなさそうね。今から泊まるつもり?」
痛いところを突かれた
『……野宿するつもりでした』
と正直に答えると
「まぁ、貴女みたいな女の子が野宿だなんて!いくら強くても危険よ。私の家に泊まりなさい、良いわね?」
圧が凄い
有無を言わせぬ迫力がある
『は、はい……ではお言葉に甘えて』
そう返すと、私の手を引っ張るご婦人
「じゃあ、行きましょうか。暗いから私と手を繋ぎましょう」
私に向かって微笑むとゆっくり歩き出した
……手を繋いでいる
あたたかいな……
私が今よりも小さい頃は、よくお父さん、お母さんと手を繋いで寝ていたなぁ
懐かしい記憶が蘇り、一筋の涙が頬を伝う
私、前世の記憶を取り戻してから
涙脆くなった気がする
そう考えているとご婦人の家が見えてきた
──────
『お邪魔します』
日中も見たが、広さこそあまりないものの機能的な良い家だ
ほのかに藤の花の香りがする
「ええ、どうぞごゆっくり。夕餉は済ませた?私はまだだから、良かったら一緒にご飯を食べない?」
お食事も提供してくださるなんて……
親切すぎる
『それはとてもありがたいのですが、よろしいのですか?』
確認を取る
「ええ、勿論。私はこの通り1人で暮らしているから、人との食事が恋しいのよ」
人との食事か……
『私で良ければ、是非』
「ふふ、ありがとう。そうだ、まだ名乗っていなかったわね。私は藤宮雪絵よ。貴女のお名前は?」
藤宮さんか……綺麗な名前だ
『時雨楓です。よろしくお願いします。藤宮さんと呼んでもよろしいですか?』
「ええ、勿論よ。そうだ、楓ちゃんって呼んでも良いかしら?可愛い名前ね」
藤宮さんと話していると何だか落ち着く
穏やかで物腰が柔らかいからだろうか?
それに……少し伯母に似ている気がする
『勿論良いですよ。ありがとうございます。この名前、気に入っているんです。藤宮さんこそとても素敵なお名前ですね。可憐な雰囲気の藤宮さんにぴったりです』
そう呟く
最後のは余計だっただろうか?
ちらりと藤宮さんの様子を窺う
すると彼女はぷるぷると震えていた
やはり余計なことを言ってしまったかもしれない……
そう考えるが、彼女の口角は上がっていた
……どうやら笑いを堪えているようだ
そして私の視線に気づいたのか、藤宮さんは顔を上げる
「うふふ、ごめんなさい……彼女と似たようなことを言われたから、懐かしくて笑いそうになってしまったの……ふふっ……」
笑いを堪えきれなかったようで藤宮さんは少し笑っていた
それにしても彼女とは誰のことだろうか
「この続きは夕餉を取りながら話しましょうか」
藤宮さんが立ち上がる
『私もお手伝いしますよ』
タダでご飯を頂くわけにはいかないし、藤宮さんの負担を減らそうと思いそう言ったが
「客人は休んでいてくださいね」
と圧が凄い笑みを浮かべられたので手伝うのは諦めた
──────
夕餉は魚のコロッケ、切り干し大根と油揚げの煮物、きゅうりの漬物、豆腐のお味噌汁、玄米だそうだ
こんなに頂くなんてなんだか申し訳ない
『……こんなにたくさん……ありがとうございます。とても美味しそうです』
私が遠慮しているのが分かったのか藤宮さんは
「それは良かった。あ、お金の心配はしなくて大丈夫よ。私、こう見えてそこそこお金持ちなのよ。客人に一食振る舞うくらいの余裕はあるわ」
と言ってくださった
『「いただきます」』
味噌汁を口に含む
出汁の香りと旨味が心地よい
『……!とても美味しいです。藤宮さんは料理上手な方なんですね』
と、思ったことをそのまま言うと
「あら、本当?嬉しいことを言ってくれるわね」
美しい笑みを浮かべて答えてくれた
それにしても藤宮さんのお料理は本当に美味しい
お腹だけでなく心も満たされるあたたかい食事だ
──────
夕餉を済ませて片付けも終わった頃、藤宮さんの顔つきが変化した
「……そろそろ、先程の話の続きをしましょうか」
とても真剣な面持ちだ
つい先程まで慈愛の笑みを浮かべていた彼女はいない
『はい、よろしくお願いします』
心臓の鼓動が早くなる
この上品なご婦人は伯母とどのような関係だったのだろうか
「千絵ちゃん……貴女の伯母様とは仲の良い友人だったの」
そう言うとご婦人は驚いた顔をする
……元柱の縁者に会ったのだ
驚くのは当たり前か
そう考えていると
「……そう、雨柱の……ところで、その様子だと宿を取っているわけではなさそうね。今から泊まるつもり?」
痛いところを突かれた
『……野宿するつもりでした』
と正直に答えると
「まぁ、貴女みたいな女の子が野宿だなんて!いくら強くても危険よ。私の家に泊まりなさい、良いわね?」
圧が凄い
有無を言わせぬ迫力がある
『は、はい……ではお言葉に甘えて』
そう返すと、私の手を引っ張るご婦人
「じゃあ、行きましょうか。暗いから私と手を繋ぎましょう」
私に向かって微笑むとゆっくり歩き出した
……手を繋いでいる
あたたかいな……
私が今よりも小さい頃は、よくお父さん、お母さんと手を繋いで寝ていたなぁ
懐かしい記憶が蘇り、一筋の涙が頬を伝う
私、前世の記憶を取り戻してから
涙脆くなった気がする
そう考えているとご婦人の家が見えてきた
──────
『お邪魔します』
日中も見たが、広さこそあまりないものの機能的な良い家だ
ほのかに藤の花の香りがする
「ええ、どうぞごゆっくり。夕餉は済ませた?私はまだだから、良かったら一緒にご飯を食べない?」
お食事も提供してくださるなんて……
親切すぎる
『それはとてもありがたいのですが、よろしいのですか?』
確認を取る
「ええ、勿論。私はこの通り1人で暮らしているから、人との食事が恋しいのよ」
人との食事か……
『私で良ければ、是非』
「ふふ、ありがとう。そうだ、まだ名乗っていなかったわね。私は藤宮雪絵よ。貴女のお名前は?」
藤宮さんか……綺麗な名前だ
『時雨楓です。よろしくお願いします。藤宮さんと呼んでもよろしいですか?』
「ええ、勿論よ。そうだ、楓ちゃんって呼んでも良いかしら?可愛い名前ね」
藤宮さんと話していると何だか落ち着く
穏やかで物腰が柔らかいからだろうか?
それに……少し伯母に似ている気がする
『勿論良いですよ。ありがとうございます。この名前、気に入っているんです。藤宮さんこそとても素敵なお名前ですね。可憐な雰囲気の藤宮さんにぴったりです』
そう呟く
最後のは余計だっただろうか?
ちらりと藤宮さんの様子を窺う
すると彼女はぷるぷると震えていた
やはり余計なことを言ってしまったかもしれない……
そう考えるが、彼女の口角は上がっていた
……どうやら笑いを堪えているようだ
そして私の視線に気づいたのか、藤宮さんは顔を上げる
「うふふ、ごめんなさい……彼女と似たようなことを言われたから、懐かしくて笑いそうになってしまったの……ふふっ……」
笑いを堪えきれなかったようで藤宮さんは少し笑っていた
それにしても彼女とは誰のことだろうか
「この続きは夕餉を取りながら話しましょうか」
藤宮さんが立ち上がる
『私もお手伝いしますよ』
タダでご飯を頂くわけにはいかないし、藤宮さんの負担を減らそうと思いそう言ったが
「客人は休んでいてくださいね」
と圧が凄い笑みを浮かべられたので手伝うのは諦めた
──────
夕餉は魚のコロッケ、切り干し大根と油揚げの煮物、きゅうりの漬物、豆腐のお味噌汁、玄米だそうだ
こんなに頂くなんてなんだか申し訳ない
『……こんなにたくさん……ありがとうございます。とても美味しそうです』
私が遠慮しているのが分かったのか藤宮さんは
「それは良かった。あ、お金の心配はしなくて大丈夫よ。私、こう見えてそこそこお金持ちなのよ。客人に一食振る舞うくらいの余裕はあるわ」
と言ってくださった
『「いただきます」』
味噌汁を口に含む
出汁の香りと旨味が心地よい
『……!とても美味しいです。藤宮さんは料理上手な方なんですね』
と、思ったことをそのまま言うと
「あら、本当?嬉しいことを言ってくれるわね」
美しい笑みを浮かべて答えてくれた
それにしても藤宮さんのお料理は本当に美味しい
お腹だけでなく心も満たされるあたたかい食事だ
──────
夕餉を済ませて片付けも終わった頃、藤宮さんの顔つきが変化した
「……そろそろ、先程の話の続きをしましょうか」
とても真剣な面持ちだ
つい先程まで慈愛の笑みを浮かべていた彼女はいない
『はい、よろしくお願いします』
心臓の鼓動が早くなる
この上品なご婦人は伯母とどのような関係だったのだろうか
「千絵ちゃん……貴女の伯母様とは仲の良い友人だったの」