第1章 決意と旅立ち
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
……鬼だ
食料?私のことを指しているなら攫われた子達はみんな……
鬼を睨みつける
『こんばんは。貴方は鬼ですね。この町の少女を攫ったのは貴方ですか?』
思った以上に低い声が出てきた
恐らく人攫いの犯人はこの鬼だ
10代前半から半ばの少女ばかりいなくなっていたのもこの鬼の嗜好なのだろう
「けっ、いいぜぇ。答えてやるよ。俺様は今気分が良いからな。」
やはり私が10代前半に見えているのだろうか
自分の嗜好にぴったりの人間が現れたから気分が良いのだろう
「この町の少女を攫ったのは俺様だよ。今はみ~んな俺様の腹の中さぁ。お前、親とはぐれたらしいな。俺様が喰べてやるよ」
やはりこの鬼が……
それにしてもあの演技に引っかかるとは、あまり賢くないのだろうか
それかそもそも演技など気にしていないのか
どちらにせよこれ以上の被害を出さない為、この鬼は倒さなければならない
刀を構える
……不思議だ
初めて鬼と対峙した時は恐怖のあまり体を動かすことすらできなかった
それなのに今は伯母の形見の刀が手に馴染む
先日は気にする暇もなかったが淡い水色の光を帯びた半透明の刀だ
月明かりが反射して幻想的な雰囲気を出している
まるで伯母が側にいて私を見守ってくれているようだ
『私は今から貴方の頸を斬ります。ただその前に1つ質問があるので答えてください。……何故、10代前半から半ばの少女を喰らうのですか?』
原作の上弦の弐と同じく栄養価が高いからだろうか?
出産が可能になった年齢の女性は栄養価が高い
強い鬼になることを目的に、少女達を喰らっていてもおかしくはない
「お前みたいな弱っちい女に俺様の頸は斬れねぇよ。そうだなぁ、それくらいの年の女は蕾だ。美しさが花開く直前で大人の色香と子供のような純粋さが存在する特別な年頃。俺様は花を愛でるのではなく蕾を愛でているんだよ」
……ちょっと何を言っているのかよく分からない
要するにその年頃の少女が好きだから喰べているということか
上弦の弐よりもたちが悪い鬼だ
『……そうですか』
刀を構えなおし、鬼の頸に向かって刃を振るう
『……水の呼吸 壱の型 水面切り』
鬼は私の技の速度に反応できなかったようで、驚いた表情をしている
……良かった、頸を斬れた
実は家を出発する前に呼吸の訓練をしていたのだ
ひとまず初心者にも易しい水の呼吸と全集中の常中を原作を思い出しながら練習した
その結果、水の呼吸は一通り使いこなせるようになり、全集中の常中もできるようになった
正直かなり驚いた
原作では主人公の炭次郎は苦労して習得していたのに……
やはりここは原作と少し違う世界か、私がたまたま鬼殺の剣士としての才に恵まれたかのどちらかだろう
私が安堵していると
「お前、お前……よくも俺様の頸を斬りやがったな!俺様はな、男だ!女は男の言うことを黙って聞いてりゃいいんだよ!大人しく俺様に喰われるべきだったのに!!生意気なガキめ!許さんぞぉ」
……最後まで最低な鬼だ
『女も男も同じ人間ですが?何故性別が違うだけでそんなことを言われなければいけないのでしょう』
やはり前世の感覚があるともどかしさを感じることが多い
この鬼は男尊女卑の思想の持ち主だ
別にこの鬼だけではない
この時代、人間にもこういう思想の人はたくさんいるだろう
そして女性もそれを受け入れるしかない
……受け入れるのが一番楽だから
それが当たり前だから
当たり前を覆すのは大変だ
ふと、今世のお父さんを思い出す
お父さんはお母さん想いだった
家事も手伝っていたし料理も得意だった
前世の記憶も関係してはいるが、あの環境で育ったからこそ男尊女卑の思想に苛立ちを感じるのだろう
『さようなら。しっかり罪を償ってくださいね。来世は鬼にならないことを祈ります』
その言葉を聞いた鬼は言葉を発することなくそのまま消えた
『……少女の皆様、鬼はいなくなりました。どうか、安らかに……』
あの鬼に喰われた少女たちが安らかに眠れるよう願う
鬼を狩ることで被害は減らせるが、全員を救えるわけではない
だからこそ、救えなかった人々のことは心に刻んでおこう
これでこの町はもう大丈夫だ
町を出発する為に夜道を歩いていると
日中、私に仕事を頼んだご婦人が小走りでやってきた
『ご婦人、どうされたのですか?』
……しまった
宿に泊まっているはずの私が外を出歩いているなんておかしいだろう
どう言い訳しようか考えていると、ご婦人が口を開く
「……お嬢さん、ありがとう。あの鬼を倒してくれて」
……驚いた
ご婦人は鬼の存在を知っていたのだ
『ご婦人、何故鬼の存在を……』
……やってしまった
こんな返事では私が倒しましたと言っているようなものだ
そんな私にご婦人は
「私は元々鬼殺隊の関係者だったのよ。隠をしていたわ。お嬢さんは隊士なのかしら?それにしても、かつての雨柱……時雨千絵によく似ているわね」
……柱……雨柱……
伯母だ
伯母は水の呼吸の派生である雨の呼吸を使っていた
そして柱だった
私が知らない伯母を知れる良い機会だ
頭を整理し、私は口を開いた
食料?私のことを指しているなら攫われた子達はみんな……
鬼を睨みつける
『こんばんは。貴方は鬼ですね。この町の少女を攫ったのは貴方ですか?』
思った以上に低い声が出てきた
恐らく人攫いの犯人はこの鬼だ
10代前半から半ばの少女ばかりいなくなっていたのもこの鬼の嗜好なのだろう
「けっ、いいぜぇ。答えてやるよ。俺様は今気分が良いからな。」
やはり私が10代前半に見えているのだろうか
自分の嗜好にぴったりの人間が現れたから気分が良いのだろう
「この町の少女を攫ったのは俺様だよ。今はみ~んな俺様の腹の中さぁ。お前、親とはぐれたらしいな。俺様が喰べてやるよ」
やはりこの鬼が……
それにしてもあの演技に引っかかるとは、あまり賢くないのだろうか
それかそもそも演技など気にしていないのか
どちらにせよこれ以上の被害を出さない為、この鬼は倒さなければならない
刀を構える
……不思議だ
初めて鬼と対峙した時は恐怖のあまり体を動かすことすらできなかった
それなのに今は伯母の形見の刀が手に馴染む
先日は気にする暇もなかったが淡い水色の光を帯びた半透明の刀だ
月明かりが反射して幻想的な雰囲気を出している
まるで伯母が側にいて私を見守ってくれているようだ
『私は今から貴方の頸を斬ります。ただその前に1つ質問があるので答えてください。……何故、10代前半から半ばの少女を喰らうのですか?』
原作の上弦の弐と同じく栄養価が高いからだろうか?
出産が可能になった年齢の女性は栄養価が高い
強い鬼になることを目的に、少女達を喰らっていてもおかしくはない
「お前みたいな弱っちい女に俺様の頸は斬れねぇよ。そうだなぁ、それくらいの年の女は蕾だ。美しさが花開く直前で大人の色香と子供のような純粋さが存在する特別な年頃。俺様は花を愛でるのではなく蕾を愛でているんだよ」
……ちょっと何を言っているのかよく分からない
要するにその年頃の少女が好きだから喰べているということか
上弦の弐よりもたちが悪い鬼だ
『……そうですか』
刀を構えなおし、鬼の頸に向かって刃を振るう
『……水の呼吸 壱の型 水面切り』
鬼は私の技の速度に反応できなかったようで、驚いた表情をしている
……良かった、頸を斬れた
実は家を出発する前に呼吸の訓練をしていたのだ
ひとまず初心者にも易しい水の呼吸と全集中の常中を原作を思い出しながら練習した
その結果、水の呼吸は一通り使いこなせるようになり、全集中の常中もできるようになった
正直かなり驚いた
原作では主人公の炭次郎は苦労して習得していたのに……
やはりここは原作と少し違う世界か、私がたまたま鬼殺の剣士としての才に恵まれたかのどちらかだろう
私が安堵していると
「お前、お前……よくも俺様の頸を斬りやがったな!俺様はな、男だ!女は男の言うことを黙って聞いてりゃいいんだよ!大人しく俺様に喰われるべきだったのに!!生意気なガキめ!許さんぞぉ」
……最後まで最低な鬼だ
『女も男も同じ人間ですが?何故性別が違うだけでそんなことを言われなければいけないのでしょう』
やはり前世の感覚があるともどかしさを感じることが多い
この鬼は男尊女卑の思想の持ち主だ
別にこの鬼だけではない
この時代、人間にもこういう思想の人はたくさんいるだろう
そして女性もそれを受け入れるしかない
……受け入れるのが一番楽だから
それが当たり前だから
当たり前を覆すのは大変だ
ふと、今世のお父さんを思い出す
お父さんはお母さん想いだった
家事も手伝っていたし料理も得意だった
前世の記憶も関係してはいるが、あの環境で育ったからこそ男尊女卑の思想に苛立ちを感じるのだろう
『さようなら。しっかり罪を償ってくださいね。来世は鬼にならないことを祈ります』
その言葉を聞いた鬼は言葉を発することなくそのまま消えた
『……少女の皆様、鬼はいなくなりました。どうか、安らかに……』
あの鬼に喰われた少女たちが安らかに眠れるよう願う
鬼を狩ることで被害は減らせるが、全員を救えるわけではない
だからこそ、救えなかった人々のことは心に刻んでおこう
これでこの町はもう大丈夫だ
町を出発する為に夜道を歩いていると
日中、私に仕事を頼んだご婦人が小走りでやってきた
『ご婦人、どうされたのですか?』
……しまった
宿に泊まっているはずの私が外を出歩いているなんておかしいだろう
どう言い訳しようか考えていると、ご婦人が口を開く
「……お嬢さん、ありがとう。あの鬼を倒してくれて」
……驚いた
ご婦人は鬼の存在を知っていたのだ
『ご婦人、何故鬼の存在を……』
……やってしまった
こんな返事では私が倒しましたと言っているようなものだ
そんな私にご婦人は
「私は元々鬼殺隊の関係者だったのよ。隠をしていたわ。お嬢さんは隊士なのかしら?それにしても、かつての雨柱……時雨千絵によく似ているわね」
……柱……雨柱……
伯母だ
伯母は水の呼吸の派生である雨の呼吸を使っていた
そして柱だった
私が知らない伯母を知れる良い機会だ
頭を整理し、私は口を開いた