第1章 決意と旅立ち
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
家を出発した私は、のんびリと散歩をしている
今の私はかなり体力があるので昼間歩き続けてもそこまで疲れないだろう
ある程度のお金はあるが、これだけで生活を続けていくことはできない
……そうだ、便利屋のようなことをするのはどうだろう
今は大正時代だから便利屋をする上で特に資格が必要というわけではない
体力も知識もある私にちょうど良いのではないか
便利屋として仕事をこなしつつ鬼の情報を集めよう
考えをまとめて、私は走り出した
───────
「お嬢さん、ありがとうね。助かったわ」
意外にも仕事はすぐに見つかった
仕事を終えるとご婦人にお礼を口にされる
『いえ、お役に立てたなら良かったです』
にこりと微笑みながらそう返す
そしてご婦人から中々の量のお金をいただいた
『……こんなにいただいてよろしいのですか?』
「ええ、お嬢さんはお仕事が丁寧でとても助かったのよ。これは私の気持ちよ。受け取って頂戴」
とてもありがたいお言葉をいただいた
せっかくのご好意だ
私はお金を受け取った
そして帰り際、もう一度声を掛けられる
「……お嬢さん、行く当てはあるの?良かったら家に泊まっていかない?」
私はご婦人の顔を見る
少し顔が青い
『宿を取ろうかと思っていました。ですが何故そのようなご提案をされたのかお聞きしても?』
……宿が満室だったら野宿するつもりでしたなんて言わない方が良さそうだ
「実は、最近人攫いが出たらしくてね……ちょうどお嬢さんくらいの年頃の女の子がいなくなっているのよ……だから心配で……」
ということは自分よりも少し年上の女の子がいなくなっているという事だろうか
私はまだ7歳だが上背があるし成長も早いので年相応の見た目はしていないだろう
『……なるほど、それは怖いですね……そのお話、詳しくお聞きしてもよろしいですか?』
人攫い……鬼の仕業か、人間の仕業か……
私はもう一度ご婦人の家に上がりお話を聞くことにした
──────
ご婦人はとても分かりやすく説明してくださった
まとめると
・10代前半から半ば頃の女の子が消えている
・攫われた子達は夜にいなくなる
・攫われた子達は誰一人戻ってきておらず、遺体も見つかっていない
・犯人の目星はついておらず、動機も不明
『…………』
人間に攫われて売られてしまった可能性も考えられる
今は大正時代で、女性の地位も前世ほど高くない
しかも遊郭という場所では未だに女性がお金で売買されている
勿論、売買される男性もいるだろうが女性の方が多いだろう
……私を使っておびき寄せられるかもしれない
仮に人間の仕業だったとしても、夜の方が目立たずに済ませられるからだろう
なら囮になれば良い
夜で目立たずに済むのはこちらも同じ
特に今は人攫いが続いている為、外に出歩く人間はいないだろう
『ご婦人、お話を聞かせてくださりありがとうございました。今日は宿を取ることにします。ご婦人もお気をつけて』
……ごめんなさい、嘘を吐いてしまいました
「そうね、宿の方が安全かもね……それじゃあ、気を付けてね」
見ず知らずの子供の私をここまで気遣ってくださるなんて、このご婦人はお優しい人だ
『はい、それでは』
挨拶を済ませ、ご婦人の家を出る
日が沈むまであと少しだ
軽い食事を取って備えよう
握り飯を食べながら道を歩く
この体はお腹が空きやすい
家から持ってきた握り飯も気づいたら少なくなっていた
しかしものすごく大食いというわけでもない
普通の人より少し多く食べているくらいだ
……もし私が甘露寺さんくらいたくさん食べる人だったら大変なことになっていただろう
恐らくお金が全部食費に溶ける
そんなことを考えていると日が沈み始めた
私が今いるのは小さな町ということもあり人通りはほとんどない
好都合だ
ただ、知能がある鬼ならばあからさますぎて出てこないかもしれない
人通りが完全になくなったら親とはぐれた子供の演技でもしよう
──────
数刻程待つと、人通りはなくなった
……演技はやったことがない
前世、学芸会などはあったが演技をするのが恥ずかしくてずっとナレーターだった
腹を括るしかない
羞恥心を抑えながら演技を始めた
『え、えっと……うわーん、お父さん、お母さん、どこー(棒)』
うずくまって顔を手で押さえる
これはそれらしくて良い
しかし肝心の台詞が棒読みだ
……やらかした
恥ずかしすぎる
誰もいなくて良かった
今、私の顔はものすごいことになっているだろう
穴があったら入りたいという言葉が今の私の為にある言葉のように思えてくる
しかし効果はあったようだ
家にやってきた鬼と似た気配の生き物が近づいてくる
これが鬼の気配か……しっかり覚えておこう
……気配が濃くなった
反射的に後ろを向くと、鬼が立っていた
「食料が自らやってくるとは……今日は良い日だな」
今の私はかなり体力があるので昼間歩き続けてもそこまで疲れないだろう
ある程度のお金はあるが、これだけで生活を続けていくことはできない
……そうだ、便利屋のようなことをするのはどうだろう
今は大正時代だから便利屋をする上で特に資格が必要というわけではない
体力も知識もある私にちょうど良いのではないか
便利屋として仕事をこなしつつ鬼の情報を集めよう
考えをまとめて、私は走り出した
───────
「お嬢さん、ありがとうね。助かったわ」
意外にも仕事はすぐに見つかった
仕事を終えるとご婦人にお礼を口にされる
『いえ、お役に立てたなら良かったです』
にこりと微笑みながらそう返す
そしてご婦人から中々の量のお金をいただいた
『……こんなにいただいてよろしいのですか?』
「ええ、お嬢さんはお仕事が丁寧でとても助かったのよ。これは私の気持ちよ。受け取って頂戴」
とてもありがたいお言葉をいただいた
せっかくのご好意だ
私はお金を受け取った
そして帰り際、もう一度声を掛けられる
「……お嬢さん、行く当てはあるの?良かったら家に泊まっていかない?」
私はご婦人の顔を見る
少し顔が青い
『宿を取ろうかと思っていました。ですが何故そのようなご提案をされたのかお聞きしても?』
……宿が満室だったら野宿するつもりでしたなんて言わない方が良さそうだ
「実は、最近人攫いが出たらしくてね……ちょうどお嬢さんくらいの年頃の女の子がいなくなっているのよ……だから心配で……」
ということは自分よりも少し年上の女の子がいなくなっているという事だろうか
私はまだ7歳だが上背があるし成長も早いので年相応の見た目はしていないだろう
『……なるほど、それは怖いですね……そのお話、詳しくお聞きしてもよろしいですか?』
人攫い……鬼の仕業か、人間の仕業か……
私はもう一度ご婦人の家に上がりお話を聞くことにした
──────
ご婦人はとても分かりやすく説明してくださった
まとめると
・10代前半から半ば頃の女の子が消えている
・攫われた子達は夜にいなくなる
・攫われた子達は誰一人戻ってきておらず、遺体も見つかっていない
・犯人の目星はついておらず、動機も不明
『…………』
人間に攫われて売られてしまった可能性も考えられる
今は大正時代で、女性の地位も前世ほど高くない
しかも遊郭という場所では未だに女性がお金で売買されている
勿論、売買される男性もいるだろうが女性の方が多いだろう
……私を使っておびき寄せられるかもしれない
仮に人間の仕業だったとしても、夜の方が目立たずに済ませられるからだろう
なら囮になれば良い
夜で目立たずに済むのはこちらも同じ
特に今は人攫いが続いている為、外に出歩く人間はいないだろう
『ご婦人、お話を聞かせてくださりありがとうございました。今日は宿を取ることにします。ご婦人もお気をつけて』
……ごめんなさい、嘘を吐いてしまいました
「そうね、宿の方が安全かもね……それじゃあ、気を付けてね」
見ず知らずの子供の私をここまで気遣ってくださるなんて、このご婦人はお優しい人だ
『はい、それでは』
挨拶を済ませ、ご婦人の家を出る
日が沈むまであと少しだ
軽い食事を取って備えよう
握り飯を食べながら道を歩く
この体はお腹が空きやすい
家から持ってきた握り飯も気づいたら少なくなっていた
しかしものすごく大食いというわけでもない
普通の人より少し多く食べているくらいだ
……もし私が甘露寺さんくらいたくさん食べる人だったら大変なことになっていただろう
恐らくお金が全部食費に溶ける
そんなことを考えていると日が沈み始めた
私が今いるのは小さな町ということもあり人通りはほとんどない
好都合だ
ただ、知能がある鬼ならばあからさますぎて出てこないかもしれない
人通りが完全になくなったら親とはぐれた子供の演技でもしよう
──────
数刻程待つと、人通りはなくなった
……演技はやったことがない
前世、学芸会などはあったが演技をするのが恥ずかしくてずっとナレーターだった
腹を括るしかない
羞恥心を抑えながら演技を始めた
『え、えっと……うわーん、お父さん、お母さん、どこー(棒)』
うずくまって顔を手で押さえる
これはそれらしくて良い
しかし肝心の台詞が棒読みだ
……やらかした
恥ずかしすぎる
誰もいなくて良かった
今、私の顔はものすごいことになっているだろう
穴があったら入りたいという言葉が今の私の為にある言葉のように思えてくる
しかし効果はあったようだ
家にやってきた鬼と似た気配の生き物が近づいてくる
これが鬼の気配か……しっかり覚えておこう
……気配が濃くなった
反射的に後ろを向くと、鬼が立っていた
「食料が自らやってくるとは……今日は良い日だな」