第1章 決意と旅立ち
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その日は、何てことない日だった
目を覚ませば自分の家
隣には両親がいる
美味しいご飯にあたたかいお布団
変わったことと言えば、外がいつもより暑くて季節の訪れを感じたこと
風が少し強くて、私の頬をふわりと撫でていき心地良い
幸せだった
優しい両親がいて、たくさんの愛情を注いでもらえる日々
それが突然壊れてしまうだなんて、あの時の私は知る由も無かった……
──────
その日は日中と同じく少し暑かった
しかし特に暑苦しさを感じることもなく、私はすぐ眠りに落ちた
眠りに落ちてから数刻経った真夜中、物音で私の目が覚めた
『……』
目覚めたばかりで視界がはっきりとしない
目をこすって物音がする方に行く
そこには人型の……鬼が立っていた
『ひっ……』
小さな悲鳴が漏れる
息がうまくできない
鬼の存在は知っていた
……伯母が鬼殺隊に所属していたから
父の姉に当たる彼女は、よくこの家に来ていた
私の父方の祖父母は鬼に喰い殺されたそうだ
伯母は鬼による被害を少しでも減らす為、鬼殺隊に入った
伯母はとても優秀で、父曰く鬼殺隊の最高位〝柱〟の称号を得ていたらしい
そんな伯母も、上弦の壱と格闘の末、亡くなってしまった
父は鬼殺隊に所属していた伯母が誇りだったようで、鬼殺隊と鬼についてよく話してくれた
だからこそ分かる
私みたいな子供はすぐにやられてしまう
どうするべきか思考を巡らせていると、鬼が私に気づいた
「おぉおぉ、美味そうなガキがいるじゃぁないかぁ……ひっ、ひっ、ひっ……」
鬼の手が私に向かってくる
動かなければいけないのに、恐怖で足が動かせない
ああ、死んでしまう……
死を覚悟し、瞼を閉じた
……しかし、覚悟していた痛みは感じない
恐る恐る目を開けると、私の前には、先ほどまで寝ていたはずのお父さんとお母さんがいた……
私を庇ったせいで傷を負っている
傷が深かったようで、かなりの出血量だ
「「……っ、楓、逃げなさいっ!」」
声を出すのも辛いだろうに、両親は声を振り絞った
痛々しい、もう見ていられない、どうしてこうなってしまったのだろう……
助けを呼ぶにも、相手は鬼だ
日光か日輪刀がなければ倒せない
日が昇るのはまだまだ先だし、伯母の形見の日輪刀はあるが、私に剣術の心得はないので恐らくそれは使えない
やはり、このまま私だけで逃げるしかないのか……
そう考えていると
「くっくっく……素敵な親子愛だなぁ、みんな仲良く食べてやるよぉ!あぁ、そこのお前は後から食べるよ。可哀そうになぁ、娘の目の前で食べられて死ぬなんてな、あっははは!みっともない親だぜ」
鬼が私達にそう言ってきた
……この鬼は何を言っているんだ?私の両親がみっともない?違う、みっともないのは私だ
恐怖で逃げることも、助けを呼ぶことすらできない腑抜け
私の両親はそんな娘を守ってくれた
優しくて強い人達だ
それなのにこの鬼は、この鬼はっ……
両親が侮辱された瞬間、私の中で何かがプツリと切れた
先程まで恐怖で染まっていたはずの私は、いつの間にか大声を出していた
『ふざけるなっ!私の両親を侮辱するなぁぁぁぁぁ!!』
気が付くと私はいつの間にか伯母の形見である日輪刀を持っていた
鞘から剣を抜き、美しい刀身が露わになる
『お前は私達を傷つけるだけではなく、侮辱までするのか!命を、何だと思っているんだ!!』
私は刀でひたすら鬼を斬り続けた
鬼は苦しんでいるようだった
怒りでどうにかなりそうだった
いや、気づいたら刀を構えて鬼と戦っている時点でどうかしてしまったのかもしれない
鬼が声を出さなくなると、少しずつ冷静になってきた
……そうだ、父が言っていた
鬼の急所は頸だ
ありったけの力を込めて、鬼の頸に刃を振るう
……頸が斬れた
すると鬼の体は崩れ始め、最後には消えた
気づくと空は明るくなり始めていた
……夜明けだ
いつの間にか家の外に出てきてしまっていたようだ
早く、お父さんとお母さんのところへ行かなければ……!!
しかし、もう遅かった
両親の体は冷たく、息をしていない
私があの鬼を斬っている間に、失血死してしまったようだ
『……あぁぁ……お父さん、お母さん、そんな……』
涙が頬を伝う
そのまま私は両親の遺体の傍らで意識を手放した
──────
……夢を見た
不思議な夢だった
10代半ば頃の少女が出てくる夢だ
不思議な服装をしている
何故か私は姿かたちが異なるその少女は自分だと分かった
……そうだ、彼女は〝わたし〟
私と同じ名前の少女
そして……私の前世だ
前世の〝わたし〟は天涯孤独の身で、児童養護施設で育った
幸いにも周囲の人々に恵まれたので、特に不自由することもなく楽しく生活していた
学校で友達がたくさんできたし、特に仲の良い親友もできた
そんな親友は将来の為に勉強ばかりしていた中学生の〝わたし〟に漫画とアニメを勧めてくれた
息抜きも必要だよ、と……
元々読書は好きだったけれど、漫画やアニメはよく分からなかった
かくいう彼女も漫画やアニメは中学生になってから詳しくなったらしい
そんな彼女に教えてもらった作品の1つが〝鬼滅の刃〟
彼女の家にはよくお邪魔していた
その時に二人で漫画を読んだりアニメの鑑賞をしていたので、〝わたし〟はかなりその作品に詳しくなった
確か、彼女よりも詳しくなっていた気がする
親友も驚いていたなぁ
──────
その後〝わたし〟は名の知れた高校に進学した
努力が実を結んだ時、〝わたし〟は自分と周囲の人々に感謝した
志望校に合格したことを伝えた時、みんな喜んでくれていたな……
特に親友は大泣きしてお祝いしてくれていた
将来のことはまだ分からなかった
でもこれだけは決まっていた
私が周囲の人達から受けてきた優しさを還元する
そしてなるべく早く将来やりたいことを見つけよう
……そう、思っていたのに……
その日はお買い物をするつもりだった
親友にプレゼントをする為だ
何をあげようか考えながら人通りのある道を歩いていた時
……背中を刃物で刺された
そのまま道に倒れる
誰にやられたのかは分からない
熱い、背中が熱い、あつい……
背中から、血が……
周囲が騒がしくなる
ここで死ぬのかな?
死にたくないなぁ
助かると良いな……
だって、みんなに恩を返せてないよ
もっとみんなと過ごしたかった……
でも、何だかここで死んでしまう気がする
この勘は外れてほしいなぁ
新しい出会いもあったはずなのに……
みんなに心配かけちゃうな……
ごめんね、ごめん、ごめんなさい……
恩返しをせず、やりたいことも分からないまま死ぬなんて……
〝わたし〟の願いは何だったんだろう?
〝恩返し〟?
〝みんなと仲良く過ごす〟?
どれも合ってるけど、違う気がする……
もう意識を保てない
何だか眠くなってきちゃった……
ありが、とう……
心の中でこれまでお世話になった全ての人達に感謝する
……そこで〝わたし〟の意識は途絶えた……
──────
『っ……はぁ、はぁ、ふぅ……』
目が覚めた
今見たものは夢だ
しかし現実に起きたことでもある
……思い出した
前世の自分の記憶が私の頭に流れ込んでくる
かつてお世話になった人達の名前など、一部思い出せない事柄もある
思い出すことはできたが、記憶は曖昧ではっきりしていない
それでもあれは現実だ
前世の自分……〝わたし〟が体験したこと
頭がおかしくなったわけではないと分かる
根拠はないが確信した
……私はあの後、亡くなった
そして今度はこの世界に生まれ落ちた
所謂、転生というやつだ
あの時の私は15歳
……みんなに心配をかけてしまったなぁ
前世、お世話になった人々の幸福を願いながらも頭の中を整理する
実は何となく納得している自分がいる
年の割に精神が成熟してるとよく言われた
そして私は学ぶことが好きだった
両親はそんな私をしっかり者だと良く褒めてくれていた
心の何処かで感じていた違和感の正体が分かった今、少しすっきりした
私はずっと無意識にかつての記憶を基に行動して成長してきたのだ
きっとこれまでの私の人格形成には〝わたし〟が影響しているのだろう
記憶がなくとも、体は覚えていたのだ
そして今、〝わたし〟はようやく、私と混じり合い1つになったのだ
しかし、晴れやかな気分ではない
両親を鬼に殺され、齢7歳の私がその鬼を日輪刀で倒した
……正直異常だ
両親を鬼に殺されたことは悲しいし、苦しい
きっとこの苦しみが癒えることは無いだろう
それと同時に驚いている自分がいた
私は前世と今世のどちらでも刀を握ったことはない
にも関わらず日輪刀で鬼を倒せた
しかも日光を浴びせたわけでもない
……頸を斬れたのだ
硬いはずの鬼の頸を
私は7歳の子供だ
これくらいの年齢の時はあまり男女の力の差はないが、それにしたっておかしい
あくまで私は子供だ
私は上背がありそこそこ食べる方ではある
でもそれが鬼の頸を斬れる理由にはならない
もしかしたら私は普通の子供ではないのかもしれない
……前世と今世の知識を合わせると、恐らくここは鬼滅の刃の世界だ
ただしあくまで推測でしかない
似て非なる世界かもしれないし原作の通りに進むとは限らない
そもそも原作に登場する人物が存在するのかも謎だ
……私はこれからどのように行動するべきなのだろうか
目を覚ませば自分の家
隣には両親がいる
美味しいご飯にあたたかいお布団
変わったことと言えば、外がいつもより暑くて季節の訪れを感じたこと
風が少し強くて、私の頬をふわりと撫でていき心地良い
幸せだった
優しい両親がいて、たくさんの愛情を注いでもらえる日々
それが突然壊れてしまうだなんて、あの時の私は知る由も無かった……
──────
その日は日中と同じく少し暑かった
しかし特に暑苦しさを感じることもなく、私はすぐ眠りに落ちた
眠りに落ちてから数刻経った真夜中、物音で私の目が覚めた
『……』
目覚めたばかりで視界がはっきりとしない
目をこすって物音がする方に行く
そこには人型の……鬼が立っていた
『ひっ……』
小さな悲鳴が漏れる
息がうまくできない
鬼の存在は知っていた
……伯母が鬼殺隊に所属していたから
父の姉に当たる彼女は、よくこの家に来ていた
私の父方の祖父母は鬼に喰い殺されたそうだ
伯母は鬼による被害を少しでも減らす為、鬼殺隊に入った
伯母はとても優秀で、父曰く鬼殺隊の最高位〝柱〟の称号を得ていたらしい
そんな伯母も、上弦の壱と格闘の末、亡くなってしまった
父は鬼殺隊に所属していた伯母が誇りだったようで、鬼殺隊と鬼についてよく話してくれた
だからこそ分かる
私みたいな子供はすぐにやられてしまう
どうするべきか思考を巡らせていると、鬼が私に気づいた
「おぉおぉ、美味そうなガキがいるじゃぁないかぁ……ひっ、ひっ、ひっ……」
鬼の手が私に向かってくる
動かなければいけないのに、恐怖で足が動かせない
ああ、死んでしまう……
死を覚悟し、瞼を閉じた
……しかし、覚悟していた痛みは感じない
恐る恐る目を開けると、私の前には、先ほどまで寝ていたはずのお父さんとお母さんがいた……
私を庇ったせいで傷を負っている
傷が深かったようで、かなりの出血量だ
「「……っ、楓、逃げなさいっ!」」
声を出すのも辛いだろうに、両親は声を振り絞った
痛々しい、もう見ていられない、どうしてこうなってしまったのだろう……
助けを呼ぶにも、相手は鬼だ
日光か日輪刀がなければ倒せない
日が昇るのはまだまだ先だし、伯母の形見の日輪刀はあるが、私に剣術の心得はないので恐らくそれは使えない
やはり、このまま私だけで逃げるしかないのか……
そう考えていると
「くっくっく……素敵な親子愛だなぁ、みんな仲良く食べてやるよぉ!あぁ、そこのお前は後から食べるよ。可哀そうになぁ、娘の目の前で食べられて死ぬなんてな、あっははは!みっともない親だぜ」
鬼が私達にそう言ってきた
……この鬼は何を言っているんだ?私の両親がみっともない?違う、みっともないのは私だ
恐怖で逃げることも、助けを呼ぶことすらできない腑抜け
私の両親はそんな娘を守ってくれた
優しくて強い人達だ
それなのにこの鬼は、この鬼はっ……
両親が侮辱された瞬間、私の中で何かがプツリと切れた
先程まで恐怖で染まっていたはずの私は、いつの間にか大声を出していた
『ふざけるなっ!私の両親を侮辱するなぁぁぁぁぁ!!』
気が付くと私はいつの間にか伯母の形見である日輪刀を持っていた
鞘から剣を抜き、美しい刀身が露わになる
『お前は私達を傷つけるだけではなく、侮辱までするのか!命を、何だと思っているんだ!!』
私は刀でひたすら鬼を斬り続けた
鬼は苦しんでいるようだった
怒りでどうにかなりそうだった
いや、気づいたら刀を構えて鬼と戦っている時点でどうかしてしまったのかもしれない
鬼が声を出さなくなると、少しずつ冷静になってきた
……そうだ、父が言っていた
鬼の急所は頸だ
ありったけの力を込めて、鬼の頸に刃を振るう
……頸が斬れた
すると鬼の体は崩れ始め、最後には消えた
気づくと空は明るくなり始めていた
……夜明けだ
いつの間にか家の外に出てきてしまっていたようだ
早く、お父さんとお母さんのところへ行かなければ……!!
しかし、もう遅かった
両親の体は冷たく、息をしていない
私があの鬼を斬っている間に、失血死してしまったようだ
『……あぁぁ……お父さん、お母さん、そんな……』
涙が頬を伝う
そのまま私は両親の遺体の傍らで意識を手放した
──────
……夢を見た
不思議な夢だった
10代半ば頃の少女が出てくる夢だ
不思議な服装をしている
何故か私は姿かたちが異なるその少女は自分だと分かった
……そうだ、彼女は〝わたし〟
私と同じ名前の少女
そして……私の前世だ
前世の〝わたし〟は天涯孤独の身で、児童養護施設で育った
幸いにも周囲の人々に恵まれたので、特に不自由することもなく楽しく生活していた
学校で友達がたくさんできたし、特に仲の良い親友もできた
そんな親友は将来の為に勉強ばかりしていた中学生の〝わたし〟に漫画とアニメを勧めてくれた
息抜きも必要だよ、と……
元々読書は好きだったけれど、漫画やアニメはよく分からなかった
かくいう彼女も漫画やアニメは中学生になってから詳しくなったらしい
そんな彼女に教えてもらった作品の1つが〝鬼滅の刃〟
彼女の家にはよくお邪魔していた
その時に二人で漫画を読んだりアニメの鑑賞をしていたので、〝わたし〟はかなりその作品に詳しくなった
確か、彼女よりも詳しくなっていた気がする
親友も驚いていたなぁ
──────
その後〝わたし〟は名の知れた高校に進学した
努力が実を結んだ時、〝わたし〟は自分と周囲の人々に感謝した
志望校に合格したことを伝えた時、みんな喜んでくれていたな……
特に親友は大泣きしてお祝いしてくれていた
将来のことはまだ分からなかった
でもこれだけは決まっていた
私が周囲の人達から受けてきた優しさを還元する
そしてなるべく早く将来やりたいことを見つけよう
……そう、思っていたのに……
その日はお買い物をするつもりだった
親友にプレゼントをする為だ
何をあげようか考えながら人通りのある道を歩いていた時
……背中を刃物で刺された
そのまま道に倒れる
誰にやられたのかは分からない
熱い、背中が熱い、あつい……
背中から、血が……
周囲が騒がしくなる
ここで死ぬのかな?
死にたくないなぁ
助かると良いな……
だって、みんなに恩を返せてないよ
もっとみんなと過ごしたかった……
でも、何だかここで死んでしまう気がする
この勘は外れてほしいなぁ
新しい出会いもあったはずなのに……
みんなに心配かけちゃうな……
ごめんね、ごめん、ごめんなさい……
恩返しをせず、やりたいことも分からないまま死ぬなんて……
〝わたし〟の願いは何だったんだろう?
〝恩返し〟?
〝みんなと仲良く過ごす〟?
どれも合ってるけど、違う気がする……
もう意識を保てない
何だか眠くなってきちゃった……
ありが、とう……
心の中でこれまでお世話になった全ての人達に感謝する
……そこで〝わたし〟の意識は途絶えた……
──────
『っ……はぁ、はぁ、ふぅ……』
目が覚めた
今見たものは夢だ
しかし現実に起きたことでもある
……思い出した
前世の自分の記憶が私の頭に流れ込んでくる
かつてお世話になった人達の名前など、一部思い出せない事柄もある
思い出すことはできたが、記憶は曖昧ではっきりしていない
それでもあれは現実だ
前世の自分……〝わたし〟が体験したこと
頭がおかしくなったわけではないと分かる
根拠はないが確信した
……私はあの後、亡くなった
そして今度はこの世界に生まれ落ちた
所謂、転生というやつだ
あの時の私は15歳
……みんなに心配をかけてしまったなぁ
前世、お世話になった人々の幸福を願いながらも頭の中を整理する
実は何となく納得している自分がいる
年の割に精神が成熟してるとよく言われた
そして私は学ぶことが好きだった
両親はそんな私をしっかり者だと良く褒めてくれていた
心の何処かで感じていた違和感の正体が分かった今、少しすっきりした
私はずっと無意識にかつての記憶を基に行動して成長してきたのだ
きっとこれまでの私の人格形成には〝わたし〟が影響しているのだろう
記憶がなくとも、体は覚えていたのだ
そして今、〝わたし〟はようやく、私と混じり合い1つになったのだ
しかし、晴れやかな気分ではない
両親を鬼に殺され、齢7歳の私がその鬼を日輪刀で倒した
……正直異常だ
両親を鬼に殺されたことは悲しいし、苦しい
きっとこの苦しみが癒えることは無いだろう
それと同時に驚いている自分がいた
私は前世と今世のどちらでも刀を握ったことはない
にも関わらず日輪刀で鬼を倒せた
しかも日光を浴びせたわけでもない
……頸を斬れたのだ
硬いはずの鬼の頸を
私は7歳の子供だ
これくらいの年齢の時はあまり男女の力の差はないが、それにしたっておかしい
あくまで私は子供だ
私は上背がありそこそこ食べる方ではある
でもそれが鬼の頸を斬れる理由にはならない
もしかしたら私は普通の子供ではないのかもしれない
……前世と今世の知識を合わせると、恐らくここは鬼滅の刃の世界だ
ただしあくまで推測でしかない
似て非なる世界かもしれないし原作の通りに進むとは限らない
そもそも原作に登場する人物が存在するのかも謎だ
……私はこれからどのように行動するべきなのだろうか