第1章 決意と旅立ち
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その優しさはお2人の命を……
私は原作を思い出してかたかたと震え出した
もう、これ以上失いたくない
この優しい人たちが命を落とすところを見たくない
純粋にこの人達と親しくなりたいという思いもある
それ加えて私というイレギュラーな存在によって、2人の運命を変えられるのではないか
私は奥様の提案にこう返した
『お気持ちはありがたいのですが、私はこの旅を続けるつもりです。ただ、皆様との交流は続けたいと思っています』
微笑みながらそう返す
すると奥様は明るい表情になった
「あら、本当?嬉しいわ!それに、やっと笑ってくれたわね。声色も明るいし」
奥様にそう言われた
表情……確かに両親が亡くなってから、笑顔でいることはかなり減った
それに心なしか性格も暗くなってしまったような気がしていた
今は……私の存在がこの人達の助けになるかもしれないと思えた
だから明るい気分になれたのだろう
お2人はこれ以上旅についての言及はしてこなかった
気を遣ってくれたのだろう
本当に、素敵な方々だ
私はその後もお2人と談笑を続ける
しばらくすると無一郎くんと有一郎くんの目が覚め、お2人はそれぞれの仕事を再開した
──────
今日は是非泊って言ってほしいと提案された為、現在夕餉の支度の手伝いをしている
そんな中、奥様に話しかけられる
「まあ、楓ちゃんって本当に器用なのね……私よりも料理が上手いんじゃないかしら」
確かに手先の器用さを褒められることは多いが、まさかそこまで言ってもらえるとは
『いえ、そんな……奥様の方こそ料理上手ですよ。お昼、とても美味しかったです』
私がそう返すと奥様は衝撃の発言をする
「ふふ、ありがとう。楓ちゃんは本当に良い子ね……うちの子じゃなくてお嫁さんに来てもらおうかしら~」
驚いて食器を落としそうになった
お嫁さん……お嫁さんって、あの?
要するに、け、結婚……
顔に熱が集まっていく
今の私の顔は真っ赤だろう
「あら、楓ちゃん、顔が赤いわよ?どうしたの……?」
奥様は心配そうな表情でこちらを見ている
その様子からして、冗談だったようだ
そうだ、思わず言葉通りに受け取ってしまった
そう思うと少しずつ冷静になってきた
『暑さで赤くなっているのだと思います。私は平気ですよ。ご心配ありがとうございます』
いつも通りの声色でそう返す
そうしてお話を続けている内に夕餉の支度を終えた──────
──────
その後は夕餉を済ませ、寝る支度をしていた
しかし、そんな時に問題が起きた
布団が足りないのだ
私が床で寝ると言うと全員に止められてしまう
そんな時、旦那様がこう提案する
「子供達は僕らの布団で寝かせるので、楓さんは余った布団を使ってください」
確かに、無一郎くんと有一郎くんは子供で、背も低い
同じ布団で寝ても入りきるだろう
良い提案だ
そう考えていると……
「いやー!ぼく、ねえさんとねる!」
無一郎くんがそう言い始めた
「やめろ、むいちろう!楓さんたちをこまらせるな!」
有一郎くんにそう諭されるも無一郎くんは断固として譲らない
その様子を奥様はにこにこしながら見ているし旦那様も同じだ
有一郎くんは若干呆れ顔をしている
ここは私が折れて、無一郎くんと寝よう
そう考えて、私は発言する
『私で良ければ無一郎くんと同じ布団で寝ますよ』
そうして私は無一郎くんと同じ布団で寝ることになった……
──────
現在、無一郎くんと同じ布団で寝ている私
当然ながら、距離が近い
けれど前世、施設の子達に似たようなことをしていたので、そこまで恥ずかしくはない
無一郎くんはすぐ寝付くのかと思ったがそうでもないようだ
むしろ目が冴えている気がする
『無一郎くん、眠れない?』
私は小声で尋ねる
「……うん、ねれない」
無一郎くんはこくこくと頷く
……そうだ、子守歌でも歌おうか
『無一郎くん、私のお歌を聴く?もしかしたら眠れるかも』
そう提案すると、無一郎くんは嬉しそうにしている
私は子守歌をなるべく小さな声で歌い始めた
『~♪』
懐かしいな……施設の子達にもこうして歌ってあげていたっけ……
けれど、私の前世の記憶は曖昧な部分が多い
知識ははっきりしているのに、対人関係の記憶は朧気だ
いつか全部思いだせると良いな……
そう考えながら歌い続けていると、無一郎くんは眠りについたようだ
『ふふ、おやすみなさい。無一郎くん』
私は寝ている無一郎くんにそう声をかける
その後、段々うとうとしてきた私は、すぐに眠りに落ちた
私は原作を思い出してかたかたと震え出した
もう、これ以上失いたくない
この優しい人たちが命を落とすところを見たくない
純粋にこの人達と親しくなりたいという思いもある
それ加えて私というイレギュラーな存在によって、2人の運命を変えられるのではないか
私は奥様の提案にこう返した
『お気持ちはありがたいのですが、私はこの旅を続けるつもりです。ただ、皆様との交流は続けたいと思っています』
微笑みながらそう返す
すると奥様は明るい表情になった
「あら、本当?嬉しいわ!それに、やっと笑ってくれたわね。声色も明るいし」
奥様にそう言われた
表情……確かに両親が亡くなってから、笑顔でいることはかなり減った
それに心なしか性格も暗くなってしまったような気がしていた
今は……私の存在がこの人達の助けになるかもしれないと思えた
だから明るい気分になれたのだろう
お2人はこれ以上旅についての言及はしてこなかった
気を遣ってくれたのだろう
本当に、素敵な方々だ
私はその後もお2人と談笑を続ける
しばらくすると無一郎くんと有一郎くんの目が覚め、お2人はそれぞれの仕事を再開した
──────
今日は是非泊って言ってほしいと提案された為、現在夕餉の支度の手伝いをしている
そんな中、奥様に話しかけられる
「まあ、楓ちゃんって本当に器用なのね……私よりも料理が上手いんじゃないかしら」
確かに手先の器用さを褒められることは多いが、まさかそこまで言ってもらえるとは
『いえ、そんな……奥様の方こそ料理上手ですよ。お昼、とても美味しかったです』
私がそう返すと奥様は衝撃の発言をする
「ふふ、ありがとう。楓ちゃんは本当に良い子ね……うちの子じゃなくてお嫁さんに来てもらおうかしら~」
驚いて食器を落としそうになった
お嫁さん……お嫁さんって、あの?
要するに、け、結婚……
顔に熱が集まっていく
今の私の顔は真っ赤だろう
「あら、楓ちゃん、顔が赤いわよ?どうしたの……?」
奥様は心配そうな表情でこちらを見ている
その様子からして、冗談だったようだ
そうだ、思わず言葉通りに受け取ってしまった
そう思うと少しずつ冷静になってきた
『暑さで赤くなっているのだと思います。私は平気ですよ。ご心配ありがとうございます』
いつも通りの声色でそう返す
そうしてお話を続けている内に夕餉の支度を終えた──────
──────
その後は夕餉を済ませ、寝る支度をしていた
しかし、そんな時に問題が起きた
布団が足りないのだ
私が床で寝ると言うと全員に止められてしまう
そんな時、旦那様がこう提案する
「子供達は僕らの布団で寝かせるので、楓さんは余った布団を使ってください」
確かに、無一郎くんと有一郎くんは子供で、背も低い
同じ布団で寝ても入りきるだろう
良い提案だ
そう考えていると……
「いやー!ぼく、ねえさんとねる!」
無一郎くんがそう言い始めた
「やめろ、むいちろう!楓さんたちをこまらせるな!」
有一郎くんにそう諭されるも無一郎くんは断固として譲らない
その様子を奥様はにこにこしながら見ているし旦那様も同じだ
有一郎くんは若干呆れ顔をしている
ここは私が折れて、無一郎くんと寝よう
そう考えて、私は発言する
『私で良ければ無一郎くんと同じ布団で寝ますよ』
そうして私は無一郎くんと同じ布団で寝ることになった……
──────
現在、無一郎くんと同じ布団で寝ている私
当然ながら、距離が近い
けれど前世、施設の子達に似たようなことをしていたので、そこまで恥ずかしくはない
無一郎くんはすぐ寝付くのかと思ったがそうでもないようだ
むしろ目が冴えている気がする
『無一郎くん、眠れない?』
私は小声で尋ねる
「……うん、ねれない」
無一郎くんはこくこくと頷く
……そうだ、子守歌でも歌おうか
『無一郎くん、私のお歌を聴く?もしかしたら眠れるかも』
そう提案すると、無一郎くんは嬉しそうにしている
私は子守歌をなるべく小さな声で歌い始めた
『~♪』
懐かしいな……施設の子達にもこうして歌ってあげていたっけ……
けれど、私の前世の記憶は曖昧な部分が多い
知識ははっきりしているのに、対人関係の記憶は朧気だ
いつか全部思いだせると良いな……
そう考えながら歌い続けていると、無一郎くんは眠りについたようだ
『ふふ、おやすみなさい。無一郎くん』
私は寝ている無一郎くんにそう声をかける
その後、段々うとうとしてきた私は、すぐに眠りに落ちた