TOA
すうと大きく息を吸った。
のどかな風景が広がる。
鳥が青い空を切り裂くように飛んで行くのを、草原から寝転んで見上げていた。
この美しい光景を育むために、どれ程の年月を必要としたんだろう。
一面の草原が眼前に広がるこの場所は、朽ち果てようとしている。
否、この場所だけではない。
創るには難しく、壊すのはあまりにも容易いこの世界総てが、朽ち果てるかも知れないのだ。
「ルーク、何をしてるの?」
見上げていた空から、声の主へと視線を動かす。
「空を見てたんだ」
「そうなの……ここ、良いかしら?」
「どーぞ」
すっと横に座ったのを確認して、同じ様に息を吸う。
「空気がおいしいって、こういう事を言うんだろうなー」
「ええ、そうね」
穏やかに吹く風は、ティアの髪を花と共に揺らす。
ティアは旅の初めの頃と比べ、随分と変わった。
俺の方が、内面も外見も大きく変化したけど。
旅をして色々なことを知った。
買い物の仕方や、言葉で表せない人の優しさや暖かさを知った。
「ティア」
「何?」
「俺、頑張るよ」
「……ええ」
何を、とは聞かない。聞かなくても分かる。
ただ静かに、並んで空を見上げた。
「ティアに会えて良かった」
「……何だか、変な気分ね」
「あ、照れてる」
「ばかっ」
ぷいとそっぽを向くティアの姿に笑った。
平和なやり取りが行われる穏やかな時間。
もう少しで、本当の平和が訪れる。
そこに俺は居ない。
だけど、皆が、幸せで居れるなら。
ティアが笑って居られるなら。
俺は全てを引き換えにしてでも、この世界を守る。
すうと大きく息を吸った。
のどかな風景目の前に広がる。
「俺、頑張るよ」
のどかな風景が広がる。
鳥が青い空を切り裂くように飛んで行くのを、草原から寝転んで見上げていた。
この美しい光景を育むために、どれ程の年月を必要としたんだろう。
一面の草原が眼前に広がるこの場所は、朽ち果てようとしている。
否、この場所だけではない。
創るには難しく、壊すのはあまりにも容易いこの世界総てが、朽ち果てるかも知れないのだ。
「ルーク、何をしてるの?」
見上げていた空から、声の主へと視線を動かす。
「空を見てたんだ」
「そうなの……ここ、良いかしら?」
「どーぞ」
すっと横に座ったのを確認して、同じ様に息を吸う。
「空気がおいしいって、こういう事を言うんだろうなー」
「ええ、そうね」
穏やかに吹く風は、ティアの髪を花と共に揺らす。
ティアは旅の初めの頃と比べ、随分と変わった。
俺の方が、内面も外見も大きく変化したけど。
旅をして色々なことを知った。
買い物の仕方や、言葉で表せない人の優しさや暖かさを知った。
「ティア」
「何?」
「俺、頑張るよ」
「……ええ」
何を、とは聞かない。聞かなくても分かる。
ただ静かに、並んで空を見上げた。
「ティアに会えて良かった」
「……何だか、変な気分ね」
「あ、照れてる」
「ばかっ」
ぷいとそっぽを向くティアの姿に笑った。
平和なやり取りが行われる穏やかな時間。
もう少しで、本当の平和が訪れる。
そこに俺は居ない。
だけど、皆が、幸せで居れるなら。
ティアが笑って居られるなら。
俺は全てを引き換えにしてでも、この世界を守る。
すうと大きく息を吸った。
のどかな風景目の前に広がる。
「俺、頑張るよ」
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