三話「似た者同士」
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所変わってバックヤード。未だに息をするのが精一杯で何もできないでいる私と、慣れたようにくつろぐ佐川。そして
「何しに来たんや、佐川はん」
「そう邪険にすんなよ、真島ちゃん」
真島と呼ばれたこの男は、以前聞いた口振りと今日の対応からして佐川を知っている…いや、むしろ私以上の関わりであることが伺えた。
「ちょいとお前の働きぶりを確認しにな。あぁ、あとコイツも紹介しに来たんだ。なんせ『新入り』だからな、羽賀弥生ってんだ」
「アホらし、この前のことなんて全部知っとるっちゅーのに芝居かいな」
「…えっ?」
別に佐川に肩を引き寄せられたことについては、男性とあまり関わってこなかった私からしたら顔から火が出るくらい恥ずかしいことだ。だがしかし、そんなことを気にする余裕すら今はない。目の前で行われた、まさかのカミングアウトに目を丸くしながら、ただただ二人を見比べていた。
すると、真島が口を開く。
「佐川はん。アンタ、何も知らされてない一般人まで手駒に使うんか」
「おいおい。言っとくが、スカウトしたのは俺だが着いてきたのはコイツの選択だからな。なぁ?弥生」
「え?(初めて名前呼ばれた…)」
真島はこちらを信じられないものを見る目で見てきたが、それは正しかった。私は佐川に誘われたから着いていったのだし、着いていったからには使われなくては意味がない。私はこんな歪な関係だが、佐川に対して自分の存在意義を見出だそうとしているのだ。まだそれは見つけ出せていないから、彼から離れる訳にはいかない。
「まぁ、へへ…結果的にはそうなりますね」
「なんでコイツが満足そうにニヤニヤしてるのかは置いといて、そう言うことだ」
「…とりあえず、俺の想像より斜め上の変人なのは分かった。心配して損したわ」
会って間もない女性に対して変人認定するなんて、なんとも失敬な。
「まぁ良いや。羽賀ちゃん、先に戻っとといて」
「えっ?」
「ちょっとコイツと話があるから」
とかなんとか、半ばふざけている間に私は用済みになったらしい。本当に紹介するためだけに連れてこられたことに驚いているが、私も私で今日は緊張し過ぎて疲れた。
「…あ、真島?さんでしたっけ」
「あぁ、なんや」
「また会うかも知れないですし、どーぞよろしくお願いしますね」
挨拶くらい、しといて損はないでしょうよ。
「何しに来たんや、佐川はん」
「そう邪険にすんなよ、真島ちゃん」
真島と呼ばれたこの男は、以前聞いた口振りと今日の対応からして佐川を知っている…いや、むしろ私以上の関わりであることが伺えた。
「ちょいとお前の働きぶりを確認しにな。あぁ、あとコイツも紹介しに来たんだ。なんせ『新入り』だからな、羽賀弥生ってんだ」
「アホらし、この前のことなんて全部知っとるっちゅーのに芝居かいな」
「…えっ?」
別に佐川に肩を引き寄せられたことについては、男性とあまり関わってこなかった私からしたら顔から火が出るくらい恥ずかしいことだ。だがしかし、そんなことを気にする余裕すら今はない。目の前で行われた、まさかのカミングアウトに目を丸くしながら、ただただ二人を見比べていた。
すると、真島が口を開く。
「佐川はん。アンタ、何も知らされてない一般人まで手駒に使うんか」
「おいおい。言っとくが、スカウトしたのは俺だが着いてきたのはコイツの選択だからな。なぁ?弥生」
「え?(初めて名前呼ばれた…)」
真島はこちらを信じられないものを見る目で見てきたが、それは正しかった。私は佐川に誘われたから着いていったのだし、着いていったからには使われなくては意味がない。私はこんな歪な関係だが、佐川に対して自分の存在意義を見出だそうとしているのだ。まだそれは見つけ出せていないから、彼から離れる訳にはいかない。
「まぁ、へへ…結果的にはそうなりますね」
「なんでコイツが満足そうにニヤニヤしてるのかは置いといて、そう言うことだ」
「…とりあえず、俺の想像より斜め上の変人なのは分かった。心配して損したわ」
会って間もない女性に対して変人認定するなんて、なんとも失敬な。
「まぁ良いや。羽賀ちゃん、先に戻っとといて」
「えっ?」
「ちょっとコイツと話があるから」
とかなんとか、半ばふざけている間に私は用済みになったらしい。本当に紹介するためだけに連れてこられたことに驚いているが、私も私で今日は緊張し過ぎて疲れた。
「…あ、真島?さんでしたっけ」
「あぁ、なんや」
「また会うかも知れないですし、どーぞよろしくお願いしますね」
挨拶くらい、しといて損はないでしょうよ。