いっぱいの花をあなたに!
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さくさくと、実弥さんに書いてもらった地図を片手に、道を歩いていく。
気性が荒いなりに、面倒見の良い実弥さんはやっぱりその地図だって丁寧で、私は無事に藤の家紋の家へと辿り着いた。
……もちろん、出る前に実弥さんと方角の確認をしたので、迷子になんてなっていない。なっていないのである。
「ごめんくださぁい。風柱の使いで来ました、#みょうじ##なまえ#と申します」
大きな門を潜って、その先にあるやっぱり大きな玄関の前で、負けじと大きな声で呼びかけてみる。
「はぁい」と中から声が聞こえて、その後でがらりとその扉が開いた。
「やぁ、風柱さまの使いの方ですか?
遥々ありがとうございます。いつもの方とは違うのですね?」
「彼女は体調を崩しまして……私は急遽、代理で参ったのです」
「なるほど。今は気温差がありますからね、大事にしてくださいと伝えてください」
「もちろんです!」
優しそうなおじさんが心配そうに眉を下げるので、私は、目一杯の笑顔でそう答えた。
というかいろんなお使いがあるんだなぁ。
私、お世話係さんがこういうお使いをしているなんて知らなかったや。
「まぁここまで出向いてもらったうえ、立ち話もなんです。お茶をお入れしますから、中へどうぞ」
「わぁ、ありがとうございます!ご馳走になりますねぇ」
「やっぱり若い娘さんは元気なのが一番ですねぇ」
にこにこと笑うおじさんについて、お屋敷に上がらせてもらった。
このおじさんは人好きする方のようで、廊下を歩きながらの会話が盛り上がっていく。そこでの話によると、どうやら今はここで休養している隊士さんだっているらしい。
私、柱以外の隊士さんってあんまり見ないから、どんな人がどんな理由でここにいるのかなんて皆目見当つかないや。
「#みょうじ#さんと歳は近いと思いますよ」
「へへ、ならきっと初めましての人です。けどこれだけ立派なお屋敷ですから、会わないですかねぇ」
「さぁ、鬼狩りさまがどこにいらっしゃるか……。昨日はお部屋にいらっしゃったのですけれど、今日はどうでしょう」
客間に通されて、おじさんにお茶とお茶請けをいただく。
あっこの大福美味しい!今度買いに行こう!
そうやって一息ついたところで、最初の目的を達成していなかったことを思い出した私は、おじさんに、実弥さんから預かっていたものを差し出した。
「これ、風柱からの届け物です。どうぞ!」
「あぁ、ありがとうございます。助かりました」
「いえいえ。中身は、藤の花の匂い袋と、お香……?」
「そうです。#みょうじ#さんはなにも聞かされておいででなく?」
はい、と頷く。
そういえば、私、お使いできるよ!ってところを証明したかったから、中身なんて考えてなかったや。
ただ、実弥さんが困ってたから、大事な届け物なんだろうなぁと思ったし、手助けしなきゃって思ってはいたけれど。
「私の家は、代々稀血の人間が生まれるのです」
「はぇ、」
「何代か前に鬼狩りさまに教えていただきましてね。それで、風柱さまの担当地区の中に、家を据えています。その後は、鬼狩りさま……特に風柱さまの庇護のもと、こうしてお香を焚いたり、お守りとして匂い袋を持つことで過ごしているのです」
「そう、なんですね……」
あまり鬼殺の知識を教えられていない私としては、そう答えるのが精一杯だった。
けれども、この人や、この家に暮らす人々が大変な苦労の中に安心という幸せを手に入れていることはわかる。
だから、この人がこんなにも優しそうな顔をして、笑っているのだということも、見ていればわかるのだ。
「……これからも、鬼殺隊を支えてくださいね。風柱はじめ、鬼殺の隊士のこと、よろしくお願い致します」
「そんな、守っていただいているのは私たちのほうですに」
「とんでもない!
今日だって、ここに隊士さんが来ているんですよね?
そうやって、たくさんの隊士の命を守っているあなたたちがいてこその鬼殺隊ですよ、きっと」
「ふふ、これは恩返しなんですよ」
おじさんは、にっこりと笑った。
私もそんなふうに笑って、実弥さんに頼られる人になりたいなぁ。お使い一つであの渋り様だもの。
おじさんがあまりにも優しいから、お使いに来る前の経緯なんかも話してみる。うんうん、と頷いて聴いてくれたおじさんは、私にお茶のおかわりを注いでくれて、一段と優しい顔で言うのだ。
「それは、信頼されてないのではなくて、風柱さまが#みょうじ#さんを守っているということですよ、きっと」
気性が荒いなりに、面倒見の良い実弥さんはやっぱりその地図だって丁寧で、私は無事に藤の家紋の家へと辿り着いた。
……もちろん、出る前に実弥さんと方角の確認をしたので、迷子になんてなっていない。なっていないのである。
「ごめんくださぁい。風柱の使いで来ました、#みょうじ##なまえ#と申します」
大きな門を潜って、その先にあるやっぱり大きな玄関の前で、負けじと大きな声で呼びかけてみる。
「はぁい」と中から声が聞こえて、その後でがらりとその扉が開いた。
「やぁ、風柱さまの使いの方ですか?
遥々ありがとうございます。いつもの方とは違うのですね?」
「彼女は体調を崩しまして……私は急遽、代理で参ったのです」
「なるほど。今は気温差がありますからね、大事にしてくださいと伝えてください」
「もちろんです!」
優しそうなおじさんが心配そうに眉を下げるので、私は、目一杯の笑顔でそう答えた。
というかいろんなお使いがあるんだなぁ。
私、お世話係さんがこういうお使いをしているなんて知らなかったや。
「まぁここまで出向いてもらったうえ、立ち話もなんです。お茶をお入れしますから、中へどうぞ」
「わぁ、ありがとうございます!ご馳走になりますねぇ」
「やっぱり若い娘さんは元気なのが一番ですねぇ」
にこにこと笑うおじさんについて、お屋敷に上がらせてもらった。
このおじさんは人好きする方のようで、廊下を歩きながらの会話が盛り上がっていく。そこでの話によると、どうやら今はここで休養している隊士さんだっているらしい。
私、柱以外の隊士さんってあんまり見ないから、どんな人がどんな理由でここにいるのかなんて皆目見当つかないや。
「#みょうじ#さんと歳は近いと思いますよ」
「へへ、ならきっと初めましての人です。けどこれだけ立派なお屋敷ですから、会わないですかねぇ」
「さぁ、鬼狩りさまがどこにいらっしゃるか……。昨日はお部屋にいらっしゃったのですけれど、今日はどうでしょう」
客間に通されて、おじさんにお茶とお茶請けをいただく。
あっこの大福美味しい!今度買いに行こう!
そうやって一息ついたところで、最初の目的を達成していなかったことを思い出した私は、おじさんに、実弥さんから預かっていたものを差し出した。
「これ、風柱からの届け物です。どうぞ!」
「あぁ、ありがとうございます。助かりました」
「いえいえ。中身は、藤の花の匂い袋と、お香……?」
「そうです。#みょうじ#さんはなにも聞かされておいででなく?」
はい、と頷く。
そういえば、私、お使いできるよ!ってところを証明したかったから、中身なんて考えてなかったや。
ただ、実弥さんが困ってたから、大事な届け物なんだろうなぁと思ったし、手助けしなきゃって思ってはいたけれど。
「私の家は、代々稀血の人間が生まれるのです」
「はぇ、」
「何代か前に鬼狩りさまに教えていただきましてね。それで、風柱さまの担当地区の中に、家を据えています。その後は、鬼狩りさま……特に風柱さまの庇護のもと、こうしてお香を焚いたり、お守りとして匂い袋を持つことで過ごしているのです」
「そう、なんですね……」
あまり鬼殺の知識を教えられていない私としては、そう答えるのが精一杯だった。
けれども、この人や、この家に暮らす人々が大変な苦労の中に安心という幸せを手に入れていることはわかる。
だから、この人がこんなにも優しそうな顔をして、笑っているのだということも、見ていればわかるのだ。
「……これからも、鬼殺隊を支えてくださいね。風柱はじめ、鬼殺の隊士のこと、よろしくお願い致します」
「そんな、守っていただいているのは私たちのほうですに」
「とんでもない!
今日だって、ここに隊士さんが来ているんですよね?
そうやって、たくさんの隊士の命を守っているあなたたちがいてこその鬼殺隊ですよ、きっと」
「ふふ、これは恩返しなんですよ」
おじさんは、にっこりと笑った。
私もそんなふうに笑って、実弥さんに頼られる人になりたいなぁ。お使い一つであの渋り様だもの。
おじさんがあまりにも優しいから、お使いに来る前の経緯なんかも話してみる。うんうん、と頷いて聴いてくれたおじさんは、私にお茶のおかわりを注いでくれて、一段と優しい顔で言うのだ。
「それは、信頼されてないのではなくて、風柱さまが#みょうじ#さんを守っているということですよ、きっと」