いっぱいの花をあなたに!
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「実弥さんって、顔怖いのに面倒見いいですよね?」
「アァ?」
「うわ瞳孔がすごい」
軽口を叩いていれば、舌打ちを返された。妙に貫禄があるし、瞳孔がカッ開いていて、めちゃくちゃ怖いことになっている。しかし、これが彼の通常運転なのだから仕方がない。
それに、舌打ちだけで手が出てこないところを見ると、私にはだいぶ甘いみたいで。
「うふふ」
「なに急に笑ってんだァ」
「いーえ、なんにもー!」
「チッ、変なやつだなぁお前も」
ボリボリと片手で頭をかいて呆れたように舌を打つ。何回舌を打つんだこの人は。
「さっさと帰えんぞぉ、#なまえ#」
「はーい」
抱えた荷物を実弥さんに引ったくられて、さっさと歩き出したその背中を追う。
心なしか歩くスピードが遅いのも、私に合わせてくれているのだろう。風の呼吸を使う彼が、自分が傷つくのを厭わない彼が、ゆっくり歩くはずもないもの。
「やっぱり面倒見いいですって!なんかお兄ちゃんみたい。
実弥おにーちゃんって呼んでいいですか?」
「馬鹿かてめぇは!」
「駄目です?やっぱ、飯炊き女の分際で図々しい?」
「飯炊き……っ!せめて女中だろ、クソがァ!」
「えー、キレるとこそこですか?」
耳まで赤くして焦っているのは果たして本心か夕日のせいか。
ゆっくりと沈んでいく赤に目を細めて、私はさりげなく実弥さんに寄り添う。もちろんわかっているだろう彼は、一つ息をついて、私の手を取った。
「おら、さっさと行くぞ。こけんなよォ」
「……ありがとう、実弥さん」
「おう」
ざくざくと地面を踏み締める音のみが、周囲に響いていたけれど、風柱たる実弥さんは、違う世界の受け取り方をしているのかもしれない。
完全に日が落ちてしまう前に屋敷に戻って、私は買ったものを厨へ運んでいく。その間、実弥さんは別のお世話係さんが沸かしていたお風呂へと消えていった。
そして私は、夕飯の支度にとりかかるのだ。
「アァ?」
「うわ瞳孔がすごい」
軽口を叩いていれば、舌打ちを返された。妙に貫禄があるし、瞳孔がカッ開いていて、めちゃくちゃ怖いことになっている。しかし、これが彼の通常運転なのだから仕方がない。
それに、舌打ちだけで手が出てこないところを見ると、私にはだいぶ甘いみたいで。
「うふふ」
「なに急に笑ってんだァ」
「いーえ、なんにもー!」
「チッ、変なやつだなぁお前も」
ボリボリと片手で頭をかいて呆れたように舌を打つ。何回舌を打つんだこの人は。
「さっさと帰えんぞぉ、#なまえ#」
「はーい」
抱えた荷物を実弥さんに引ったくられて、さっさと歩き出したその背中を追う。
心なしか歩くスピードが遅いのも、私に合わせてくれているのだろう。風の呼吸を使う彼が、自分が傷つくのを厭わない彼が、ゆっくり歩くはずもないもの。
「やっぱり面倒見いいですって!なんかお兄ちゃんみたい。
実弥おにーちゃんって呼んでいいですか?」
「馬鹿かてめぇは!」
「駄目です?やっぱ、飯炊き女の分際で図々しい?」
「飯炊き……っ!せめて女中だろ、クソがァ!」
「えー、キレるとこそこですか?」
耳まで赤くして焦っているのは果たして本心か夕日のせいか。
ゆっくりと沈んでいく赤に目を細めて、私はさりげなく実弥さんに寄り添う。もちろんわかっているだろう彼は、一つ息をついて、私の手を取った。
「おら、さっさと行くぞ。こけんなよォ」
「……ありがとう、実弥さん」
「おう」
ざくざくと地面を踏み締める音のみが、周囲に響いていたけれど、風柱たる実弥さんは、違う世界の受け取り方をしているのかもしれない。
完全に日が落ちてしまう前に屋敷に戻って、私は買ったものを厨へ運んでいく。その間、実弥さんは別のお世話係さんが沸かしていたお風呂へと消えていった。
そして私は、夕飯の支度にとりかかるのだ。
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