笑って、テレポーテーション。
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「ううぅ……駄目だ……理科が……」
「ア?嘆いてる暇あったらさっさと腕動かせや」
夏。受けた模試が返ってきた今週も、かっちゃんとのお勉強会はいつもと同じ通り。さっさと問題を解いていくかっちゃんを横目に、私は伸び悩んでいる科目の教科書をめくった。
「かっちゃん、雄英高校の判定よかったんでしょ?」
「あァ、A判に決まってんだろ。それ以外有り得ねぇ」
「わ~!さすがかっちゃん。今年ヒーロー科って偏差値79って聞いたけど……」
「オールマイトを超えるトップヒーローなるんだ、こんなとこで燻ってられねぇからな!
ま、俺が初で唯一の雄英進学者となることで今後の経歴に箔が付くってもんだし」
「へぇー。あれ、唯一のって……私も雄英志望だけど、いいの?」
教科書から目を離さずに、淡々と野望を語り出すかっちゃんに、純粋に思い浮かんだ疑問をぶつけてみた。それと偏差値79の高校をA判定って。かっちゃんは今偏差値どれくらいなのだろうか。
かっちゃんは、きょとりと目を瞬かせたあとに、「あァ、」と小さく言葉をこぼす。
そして、またふんぞり返って、プスーと笑いながら、私を見下ろしてくる。
「てめぇはヒーロー志望じゃないしな。それに、お前、放っておいたら何もできないだろ」
「ひ、ひどい。私も1人でできるよ」
「はァ?今も俺に勉強教えてくれって泣きついてんのに?つーかなまえは模試の判定なんだったんだよ、見してみろや」
「わわっ、取らないでよ!」
人をいじめる時ばかり活気付く!もう!
と必死に模試を取り返そうと、机越しに身を乗り出す。かっちゃんは、「へぇー」と私を片手であしらいながら、もう片方の手を反対側にやり、首を回して私からさらに遠ざけていく。
くっ、なんて姑息なんだ……!
それに、このまま身を乗り出せば、机の上のコップを倒しかねない……!!
「ねぇ、私の判定見たなら返してよ……!
一応B判定なの……!!」
「つってもギリギリじゃねぇか。
あー……こんなことで泣くなって。まったくなまえはすぐ泣きやがる」
「泣いてないですし!?」
慌てて目元を擦れば、言葉とは裏腹に、ちょっと水滴がついた。ついにわからないうちに瞳が潤むようになってしまったのかもしれない。なんてことだ。
「ったく、俺はてめぇの判定上げまで面倒見ねぇからな。まだやることだってあるんだ」
「う、わかってるよ……。一緒にお勉強させていただけるだけで助かる。やっぱり、人に見られてるって状況大事だよね」
「1人でできるようにならねぇと、いつまで経ってもだらけたまんまだぞ。自己管理くらいしっかりしろや」
「えぇー、私意外としっかりしてるよ?」
「ハッ、よく言うわ」
かっちゃんの嘲笑に、にっこりと笑顔を返しておく。
ほんとだよ?お母さんもお父さんも帰るのが遅い家で、もう10年以上もすごしてるんだから。
会話が区切れたことで、また2人してシャーペンを動かすことにする。
さっきまで開いていた教科書を閉じていたので、かっちゃんは次の科目に行くのだろう。
今日のノルマ、とかがしっかり決まっているんだろうなぁ。
私はといえば、あいも変わらず理科と睨めっこである。イオン化の問題本当にややこしい。
「むむ……」
「……チッ、頭ん中のこといっぺん全部書き出せ」
「へ、」
小さくかっちゃんが呟いたのち、また会話がなくなったので、大人しく彼がくれたアドバイス通りにしておく。
図はちゃんと書いて考えるんだけど、細かなことまで書き出してみようかな。
そうやっていけば、
「解けた……!納得、ここがこう動いてきてるからこうなるんだね」
「……」
「かっちゃん、ありがとうー」
「おせぇわ、涙腺ガバ女」
悪態をつくし、自分でどうにかしろ!って言ってくるけど、なんやかんや困ってたら手を差し伸べてくれるかっちゃんを、笑いながらつつく。
それはうざったそうにはらわれてしまったけど。
そういうところだぞー!
「ア?嘆いてる暇あったらさっさと腕動かせや」
夏。受けた模試が返ってきた今週も、かっちゃんとのお勉強会はいつもと同じ通り。さっさと問題を解いていくかっちゃんを横目に、私は伸び悩んでいる科目の教科書をめくった。
「かっちゃん、雄英高校の判定よかったんでしょ?」
「あァ、A判に決まってんだろ。それ以外有り得ねぇ」
「わ~!さすがかっちゃん。今年ヒーロー科って偏差値79って聞いたけど……」
「オールマイトを超えるトップヒーローなるんだ、こんなとこで燻ってられねぇからな!
ま、俺が初で唯一の雄英進学者となることで今後の経歴に箔が付くってもんだし」
「へぇー。あれ、唯一のって……私も雄英志望だけど、いいの?」
教科書から目を離さずに、淡々と野望を語り出すかっちゃんに、純粋に思い浮かんだ疑問をぶつけてみた。それと偏差値79の高校をA判定って。かっちゃんは今偏差値どれくらいなのだろうか。
かっちゃんは、きょとりと目を瞬かせたあとに、「あァ、」と小さく言葉をこぼす。
そして、またふんぞり返って、プスーと笑いながら、私を見下ろしてくる。
「てめぇはヒーロー志望じゃないしな。それに、お前、放っておいたら何もできないだろ」
「ひ、ひどい。私も1人でできるよ」
「はァ?今も俺に勉強教えてくれって泣きついてんのに?つーかなまえは模試の判定なんだったんだよ、見してみろや」
「わわっ、取らないでよ!」
人をいじめる時ばかり活気付く!もう!
と必死に模試を取り返そうと、机越しに身を乗り出す。かっちゃんは、「へぇー」と私を片手であしらいながら、もう片方の手を反対側にやり、首を回して私からさらに遠ざけていく。
くっ、なんて姑息なんだ……!
それに、このまま身を乗り出せば、机の上のコップを倒しかねない……!!
「ねぇ、私の判定見たなら返してよ……!
一応B判定なの……!!」
「つってもギリギリじゃねぇか。
あー……こんなことで泣くなって。まったくなまえはすぐ泣きやがる」
「泣いてないですし!?」
慌てて目元を擦れば、言葉とは裏腹に、ちょっと水滴がついた。ついにわからないうちに瞳が潤むようになってしまったのかもしれない。なんてことだ。
「ったく、俺はてめぇの判定上げまで面倒見ねぇからな。まだやることだってあるんだ」
「う、わかってるよ……。一緒にお勉強させていただけるだけで助かる。やっぱり、人に見られてるって状況大事だよね」
「1人でできるようにならねぇと、いつまで経ってもだらけたまんまだぞ。自己管理くらいしっかりしろや」
「えぇー、私意外としっかりしてるよ?」
「ハッ、よく言うわ」
かっちゃんの嘲笑に、にっこりと笑顔を返しておく。
ほんとだよ?お母さんもお父さんも帰るのが遅い家で、もう10年以上もすごしてるんだから。
会話が区切れたことで、また2人してシャーペンを動かすことにする。
さっきまで開いていた教科書を閉じていたので、かっちゃんは次の科目に行くのだろう。
今日のノルマ、とかがしっかり決まっているんだろうなぁ。
私はといえば、あいも変わらず理科と睨めっこである。イオン化の問題本当にややこしい。
「むむ……」
「……チッ、頭ん中のこといっぺん全部書き出せ」
「へ、」
小さくかっちゃんが呟いたのち、また会話がなくなったので、大人しく彼がくれたアドバイス通りにしておく。
図はちゃんと書いて考えるんだけど、細かなことまで書き出してみようかな。
そうやっていけば、
「解けた……!納得、ここがこう動いてきてるからこうなるんだね」
「……」
「かっちゃん、ありがとうー」
「おせぇわ、涙腺ガバ女」
悪態をつくし、自分でどうにかしろ!って言ってくるけど、なんやかんや困ってたら手を差し伸べてくれるかっちゃんを、笑いながらつつく。
それはうざったそうにはらわれてしまったけど。
そういうところだぞー!
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