笑って、テレポーテーション。
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ちょうど緑谷出久がオールマイトと空を飛んでいた頃、爆豪勝己は憂さ晴らしとばかりに足元の缶を蹴りあげたり、掌を爆ぜさせていた。
後ろを歩く友人への八つ当たり、もとい、注意も忘れずに、である。
「つーかカツキさぁ。みょうじにはなんも言わないのな?」
「あ"ぁ!?」
「ばっかお前。カツキもすぐ怒んなって」
「だってみょうじも幼なじみなんだろー?」
後ろからやいやい好き勝手言っている二人に、爆豪は大きな舌打をもって返す。
「おぉ、怖い」とわざとらしくいう二人を盛大に無視して、今日のことを思い出す。やっぱり、自分をイラつかせるデクがすぐに出てきて、また掌を爆ぜさせた。
「だいたいあいつ、ガキのまま夢見心地でバカでよぉ」
本日二度目になる嘲りを口からこぼせば、「お、おい」と後ろの二人が言う。どうやら、自分の背後を指差しているようだ。
「ンだよ、」
「いい"個性"の隠れミノ」
「!」
爆豪もまた、緑谷と同じ敵に襲われたのだ。
☆☆☆
「!こっちでも何か起きてるの……?」
何回か"個性"を使って、街中まで戻ってきた私は、そこで、聞き慣れた爆発音を耳にした。
いや、爆発音を聴き慣れるのもどうなのーって思うんだけどさ。
もしかしてかっちゃんとおんなじような"個性"の敵がいるのかな。そしたら、かっちゃんまたキレるんだろうなぁ。それにしても、1日に二回も敵に会うなんて……でもオールマイトがいたし、すぐに解決するんじゃないかなぁ。
のんびりとそんなことを考えながら、なるべく爆発音から離れようと歩く。けど、思ったより規模が大きそうだ。きゃあきゃあと響く悲鳴に、広がる人波。のんびりとした考え事をやめて、私は駆け出した。「こんのぉおぉぉぉ」と、悲鳴に混じる怒号に、聞き覚えがある気がして、振り返ったそのとき。
「っ!」
「悪りぃ……ってみょうじ!」
「ぁ、」
「やべぇって!お前も逃げろ!カツキのやつ、敵に襲われてむりやり……!」
「かっちゃんなの!?」
ぶつかったあとに、思いっきり掴まれた肩を、私が今度は押し返すように前のめる。一瞬驚いたように身を引いたかっちゃんのお友達は、「そうだ」と言った。
と、そこでぐるりとお腹に木が巻かれる。
「!」
「一般市民の安全確保!移動する!」
「シンリンカムイ……!あの、この個性、私の幼なじみの!」
「あぁ、あの捕まっている子だな。いい"個性"だ。抵抗してくれている。
……すまないが、俺との"個性"の相性が悪い。先に、君たちの安全を確保する」
「ぁ、かっちゃん……!」
駆け出すシンリンカムイは速くて、距離がどんどん開いていく。私は安全なところに運ばれて、それで?ちらりと見えた爆煙の先の敵は、さっき出久を襲っていたやつに似て見えた。
……あれは、さっきオールマイトが倒していたのに?
どうしてだろう、とそればかりを考えてしまう。
そんな思考を打ち消すように、大きな大きな、かっちゃんを呼ぶ声が聞こえた。
そして、すぐに、「DETROIT SMASH」と言う声が、爆風とともに上がった。
ぽつりぽつりと頬を濡らす雨を気にするでもなく、呆然とその場を見遣る。
そのあと、警察の人が来て、シンリンカムイに保護されていた私たちは少しのお話をしたあと、怪我がないかだけ調べてもらって、その日は解散した。
かっちゃんと出久の周りにはたくさんの警察の人やプロヒーローがいたから、また会うのは学校でなんだろうなぁ。
おんなじ敵に二度も遭遇した今日を。
おんなじ敵に襲われた幼なじみの二人を。
目の当たりにしたプロヒーローの強さを。
忘れることは、きっと生涯ないのだ。
⬛︎ ⬛︎ ⬛︎
珍しく、泣かなかったなぁと思いながら玄関扉を開く。いつもは遅い母親が出迎えてくれて、「大丈夫だった?帰り道」とそう声をかけてくれた。
まさか、それだけでまた視界が歪むとは思わなかった。
その日の夜、ベッドに入って、明日は何を話そうかと考えたけれど、結局、言葉は見つからなかった。
後ろを歩く友人への八つ当たり、もとい、注意も忘れずに、である。
「つーかカツキさぁ。みょうじにはなんも言わないのな?」
「あ"ぁ!?」
「ばっかお前。カツキもすぐ怒んなって」
「だってみょうじも幼なじみなんだろー?」
後ろからやいやい好き勝手言っている二人に、爆豪は大きな舌打をもって返す。
「おぉ、怖い」とわざとらしくいう二人を盛大に無視して、今日のことを思い出す。やっぱり、自分をイラつかせるデクがすぐに出てきて、また掌を爆ぜさせた。
「だいたいあいつ、ガキのまま夢見心地でバカでよぉ」
本日二度目になる嘲りを口からこぼせば、「お、おい」と後ろの二人が言う。どうやら、自分の背後を指差しているようだ。
「ンだよ、」
「いい"個性"の隠れミノ」
「!」
爆豪もまた、緑谷と同じ敵に襲われたのだ。
☆☆☆
「!こっちでも何か起きてるの……?」
何回か"個性"を使って、街中まで戻ってきた私は、そこで、聞き慣れた爆発音を耳にした。
いや、爆発音を聴き慣れるのもどうなのーって思うんだけどさ。
もしかしてかっちゃんとおんなじような"個性"の敵がいるのかな。そしたら、かっちゃんまたキレるんだろうなぁ。それにしても、1日に二回も敵に会うなんて……でもオールマイトがいたし、すぐに解決するんじゃないかなぁ。
のんびりとそんなことを考えながら、なるべく爆発音から離れようと歩く。けど、思ったより規模が大きそうだ。きゃあきゃあと響く悲鳴に、広がる人波。のんびりとした考え事をやめて、私は駆け出した。「こんのぉおぉぉぉ」と、悲鳴に混じる怒号に、聞き覚えがある気がして、振り返ったそのとき。
「っ!」
「悪りぃ……ってみょうじ!」
「ぁ、」
「やべぇって!お前も逃げろ!カツキのやつ、敵に襲われてむりやり……!」
「かっちゃんなの!?」
ぶつかったあとに、思いっきり掴まれた肩を、私が今度は押し返すように前のめる。一瞬驚いたように身を引いたかっちゃんのお友達は、「そうだ」と言った。
と、そこでぐるりとお腹に木が巻かれる。
「!」
「一般市民の安全確保!移動する!」
「シンリンカムイ……!あの、この個性、私の幼なじみの!」
「あぁ、あの捕まっている子だな。いい"個性"だ。抵抗してくれている。
……すまないが、俺との"個性"の相性が悪い。先に、君たちの安全を確保する」
「ぁ、かっちゃん……!」
駆け出すシンリンカムイは速くて、距離がどんどん開いていく。私は安全なところに運ばれて、それで?ちらりと見えた爆煙の先の敵は、さっき出久を襲っていたやつに似て見えた。
……あれは、さっきオールマイトが倒していたのに?
どうしてだろう、とそればかりを考えてしまう。
そんな思考を打ち消すように、大きな大きな、かっちゃんを呼ぶ声が聞こえた。
そして、すぐに、「DETROIT SMASH」と言う声が、爆風とともに上がった。
ぽつりぽつりと頬を濡らす雨を気にするでもなく、呆然とその場を見遣る。
そのあと、警察の人が来て、シンリンカムイに保護されていた私たちは少しのお話をしたあと、怪我がないかだけ調べてもらって、その日は解散した。
かっちゃんと出久の周りにはたくさんの警察の人やプロヒーローがいたから、また会うのは学校でなんだろうなぁ。
おんなじ敵に二度も遭遇した今日を。
おんなじ敵に襲われた幼なじみの二人を。
目の当たりにしたプロヒーローの強さを。
忘れることは、きっと生涯ないのだ。
⬛︎ ⬛︎ ⬛︎
珍しく、泣かなかったなぁと思いながら玄関扉を開く。いつもは遅い母親が出迎えてくれて、「大丈夫だった?帰り道」とそう声をかけてくれた。
まさか、それだけでまた視界が歪むとは思わなかった。
その日の夜、ベッドに入って、明日は何を話そうかと考えたけれど、結局、言葉は見つからなかった。