笑って、テレポーテーション。
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「出久はこっち通って帰ってたんだね!」
「う、うん。そうなんだ。なまえちゃんは?」
「私はね、かっちゃんと帰る時も、友達と帰るときも、だいたい街中通るかなー……ちょっとこのトンネル、周りに人気がなくて怖くてさ」
私がそういうと、出久は慌てて「ごめん!」と頭を下げた。えっえっ、なになに!?
「ど、どうしたの出久!急に!」
「や、なまえちゃんのこと考えずに、怖いところ連れて来ちゃってたんだなって……!今からでも引き返そう?なまえちゃんが通る道からで全然……!!」
出久がぱたぱたと慌て出すのを見て、くすりと笑みがもれた。
相変わらず優しいなぁ、と出久を見つめて、「ありがとう」とお礼を言う。
「へっ?」
「へへ、気遣ってくれてありがとう。でもね、私、出久もそばにいるし、今は平気だよ」
「あぅぅ」
困ったように笑う出久と、気を取り直して、トンネルへと足を進めていく。
周りがコンクリートに囲まれたここは、車が通ることもできるトンネルに繋がっているけど、高さが低いため、あまり通っているのを見たことがない。だから、出久と私は道の真ん中を歩いているのだけれども。
話題を変えて、出久と私で雄英高校の受験に向けて前向きに励まし合いながら、トンネルを進んでいく。出久が、「上を見て突き進め!」って鼓舞して、それに私が「おー!」って答えて。そのときのことだ。
そのとき。
たった今通り過ぎたマンホールの中から、どろりとしたナニカが出てきた。
「!?」
「Mサイズの…隠れミノ……」
「わっぷ!」
「い、いずく!!」
なにこれ敵!?
急に出てきたどろどろに、出久が襲われている。驚いて涙が飛び出した私の視界は歪むけれど、しっかりとその光景を見ていた。
出久は呻きながら、敵を引き剥がそうとするけど、その敵は液体のようで、まるで掴めていない。
どうしよう、どうしよう。私になにができるの?警察?ヒーローに連絡?でも、今携帯なんて持っていないし、周りに人はいない!
私の個性でとんで、人を連れてくる?でも、その間に敵が移動したらどうするの?出久はどうなっちゃうの?
一瞬で頭の中を、いろんな思考が駆け抜ける。
さっきまで明るい話題をしていたのに、急にこんなのったらないよ。せめて、ここにかっちゃんがいたら、きっと的確な判断をくれるだろうに。それに、かっちゃんなら、もしかしたら。
そう思っていたら、目の前の敵はゆっくりと話し出す。出久の体を乗っ取るんだって。45秒で楽になるよって。それって、45秒で乗っ取りが完了するってこと?敵は落ち着け、って私たちに言うけれど、そんなの、落ち着いていられるわけがない!
「いやぁ、青春だねぇ。君を乗っ取るのだから、君の彼女は見逃してあげるよ。あぁ、でも、このことを誰かに言うってんならそれも考え直さなきゃいけないんだけど、彼氏が別の人に乗っ取られたなんて、言えないだろう?
本当助かるよ。君は、俺だけじゃなく、彼女にとってもヒーローさ。ははは、立派だねぇ」
「やだやだ、出久ぅ!」
敵に溺れていく出久に手を伸ばそうとしたそのとき。今度はマンホールの蓋が跳んだ。
「もう大丈夫さ少年少女!私が来た!」
「!オールマ、」
「TEXAS…SMASH!」
私が言い終わる前に、敵に向かって拳を繰り出したオールマイト。その風圧で、出久を襲っていた敵は飛んでいく。
敵が飛んでいくほどの風圧を受けた出久が、そのまま地面に倒れ込むのが見えると、私は"とんだ"。
なんとか出久が頭を地面にぶつける前に、抱え込むことに成功し、無出を撫で下ろす。さすがに出久の身体を支えることはできないので、重力にそってずるずると座り込み、膝に出久の頭を乗せた。
「大丈夫だったかい、少女」
「ぁ、オールマイト。あの、はい、大丈夫です、私は……。それに、助けてくれてありがとうございました」
「いや、これは私の落ち度さ。敵退治に巻き込んでしまって悪かった!
いつもはこんなミスしないのだが……オフだったのと慣れない土地でウカれちゃったかな!?」
「ふふ、オールマイトでもはしゃぐことってあるんですね!」
私を安心させるように、いつもの笑顔で場を和ませようとしてくれているオールマイトに、つられて笑いつつ、もう一度お礼を言った。
「いいさ!元気そうでよかった!」と言うオールマイトに、へへ、と笑って返す。
「さて、その少年は大丈夫かな?気を失っているようだが」
「あ、そうだ。おーい、出久ぅー」
声をかけてみるけど起きない出久に、オールマイトは「むぅ」と唸った後、その頬に手を伸ばした。すると、ぺぺぺぺぺとその頬を叩き始める。わぁ!すごい小刻み!
と、感心しているのも束の間。「ヘイッ」「ヘイッ」と叩きながら声をかけるオールマイトに、出久が覚醒した。「トぁああああ!?」と変な声を上げながら膝から飛び起きる出久の頭が、私の鼻先をかすめる。驚いて私も「ひゃあ!」と情けない声をあげれば、「えっ!?」と振り返った出久。
「あ、なまえちゃんっ!よかった、無事だったんだね!僕、僕……!!」
「出久も無事でよかったよ!オールマイトが助けてくれたんだ!」
「ほああああオールマイト……!」
「元気そうでなにより!君が頭を打つ前に支えて、膝を貸してくれていた少女にもお礼を言うんだぞ!あぁ、もちろん、今回は緊急時だ。個性の使用は黙認するさ」
ばちんとウインクをするオールマイトに、私の胸は高鳴った。ナンバーワンヒーローかっこいい!
出久は、憧れのオールマイトに会ったこともあって情緒が不安定になっているのか、「オールマイト、サイン、その前に、膝を貸して……?なまえちゃんが?僕に?それってひざまく……??……!?!??」と表情も言動もすべてが忙しい。
そうしていると、オールマイトはそろそろこの場を去るようだ。「液晶越しにまた会おう!」というオールマイトに、出久が慌てて声をかける。
それを断ったオールマイトは、「応援よろしくねー」と大きくジャンプして跳んで行った。いや、飛んで行った。それに慌てて手を振る。オールマイトは、すぐに見えなくなった。
「すごかったねぇ、出久。
……いずく??」
まだ感動で震えているのかな、と横を見やれば、そこにいるはずの出久が見えない。えっなんで?どこ行ったの????
しばらく周りを探してみたけれど、出久の姿はどこにもないので、諦めて、一人で帰ることにする。家に帰ったら、出久に電話してみようかなぁとそう思いながら。
けれども、さすがに一人でこのまま帰るのは怖い気がしたので、私は進路を変更し、普段通る街中を目指したのだった。
誰もみてないし、ちょっと自分の"個性"──瞬間移動──を使っても、大丈夫だよね?
「う、うん。そうなんだ。なまえちゃんは?」
「私はね、かっちゃんと帰る時も、友達と帰るときも、だいたい街中通るかなー……ちょっとこのトンネル、周りに人気がなくて怖くてさ」
私がそういうと、出久は慌てて「ごめん!」と頭を下げた。えっえっ、なになに!?
「ど、どうしたの出久!急に!」
「や、なまえちゃんのこと考えずに、怖いところ連れて来ちゃってたんだなって……!今からでも引き返そう?なまえちゃんが通る道からで全然……!!」
出久がぱたぱたと慌て出すのを見て、くすりと笑みがもれた。
相変わらず優しいなぁ、と出久を見つめて、「ありがとう」とお礼を言う。
「へっ?」
「へへ、気遣ってくれてありがとう。でもね、私、出久もそばにいるし、今は平気だよ」
「あぅぅ」
困ったように笑う出久と、気を取り直して、トンネルへと足を進めていく。
周りがコンクリートに囲まれたここは、車が通ることもできるトンネルに繋がっているけど、高さが低いため、あまり通っているのを見たことがない。だから、出久と私は道の真ん中を歩いているのだけれども。
話題を変えて、出久と私で雄英高校の受験に向けて前向きに励まし合いながら、トンネルを進んでいく。出久が、「上を見て突き進め!」って鼓舞して、それに私が「おー!」って答えて。そのときのことだ。
そのとき。
たった今通り過ぎたマンホールの中から、どろりとしたナニカが出てきた。
「!?」
「Mサイズの…隠れミノ……」
「わっぷ!」
「い、いずく!!」
なにこれ敵!?
急に出てきたどろどろに、出久が襲われている。驚いて涙が飛び出した私の視界は歪むけれど、しっかりとその光景を見ていた。
出久は呻きながら、敵を引き剥がそうとするけど、その敵は液体のようで、まるで掴めていない。
どうしよう、どうしよう。私になにができるの?警察?ヒーローに連絡?でも、今携帯なんて持っていないし、周りに人はいない!
私の個性でとんで、人を連れてくる?でも、その間に敵が移動したらどうするの?出久はどうなっちゃうの?
一瞬で頭の中を、いろんな思考が駆け抜ける。
さっきまで明るい話題をしていたのに、急にこんなのったらないよ。せめて、ここにかっちゃんがいたら、きっと的確な判断をくれるだろうに。それに、かっちゃんなら、もしかしたら。
そう思っていたら、目の前の敵はゆっくりと話し出す。出久の体を乗っ取るんだって。45秒で楽になるよって。それって、45秒で乗っ取りが完了するってこと?敵は落ち着け、って私たちに言うけれど、そんなの、落ち着いていられるわけがない!
「いやぁ、青春だねぇ。君を乗っ取るのだから、君の彼女は見逃してあげるよ。あぁ、でも、このことを誰かに言うってんならそれも考え直さなきゃいけないんだけど、彼氏が別の人に乗っ取られたなんて、言えないだろう?
本当助かるよ。君は、俺だけじゃなく、彼女にとってもヒーローさ。ははは、立派だねぇ」
「やだやだ、出久ぅ!」
敵に溺れていく出久に手を伸ばそうとしたそのとき。今度はマンホールの蓋が跳んだ。
「もう大丈夫さ少年少女!私が来た!」
「!オールマ、」
「TEXAS…SMASH!」
私が言い終わる前に、敵に向かって拳を繰り出したオールマイト。その風圧で、出久を襲っていた敵は飛んでいく。
敵が飛んでいくほどの風圧を受けた出久が、そのまま地面に倒れ込むのが見えると、私は"とんだ"。
なんとか出久が頭を地面にぶつける前に、抱え込むことに成功し、無出を撫で下ろす。さすがに出久の身体を支えることはできないので、重力にそってずるずると座り込み、膝に出久の頭を乗せた。
「大丈夫だったかい、少女」
「ぁ、オールマイト。あの、はい、大丈夫です、私は……。それに、助けてくれてありがとうございました」
「いや、これは私の落ち度さ。敵退治に巻き込んでしまって悪かった!
いつもはこんなミスしないのだが……オフだったのと慣れない土地でウカれちゃったかな!?」
「ふふ、オールマイトでもはしゃぐことってあるんですね!」
私を安心させるように、いつもの笑顔で場を和ませようとしてくれているオールマイトに、つられて笑いつつ、もう一度お礼を言った。
「いいさ!元気そうでよかった!」と言うオールマイトに、へへ、と笑って返す。
「さて、その少年は大丈夫かな?気を失っているようだが」
「あ、そうだ。おーい、出久ぅー」
声をかけてみるけど起きない出久に、オールマイトは「むぅ」と唸った後、その頬に手を伸ばした。すると、ぺぺぺぺぺとその頬を叩き始める。わぁ!すごい小刻み!
と、感心しているのも束の間。「ヘイッ」「ヘイッ」と叩きながら声をかけるオールマイトに、出久が覚醒した。「トぁああああ!?」と変な声を上げながら膝から飛び起きる出久の頭が、私の鼻先をかすめる。驚いて私も「ひゃあ!」と情けない声をあげれば、「えっ!?」と振り返った出久。
「あ、なまえちゃんっ!よかった、無事だったんだね!僕、僕……!!」
「出久も無事でよかったよ!オールマイトが助けてくれたんだ!」
「ほああああオールマイト……!」
「元気そうでなにより!君が頭を打つ前に支えて、膝を貸してくれていた少女にもお礼を言うんだぞ!あぁ、もちろん、今回は緊急時だ。個性の使用は黙認するさ」
ばちんとウインクをするオールマイトに、私の胸は高鳴った。ナンバーワンヒーローかっこいい!
出久は、憧れのオールマイトに会ったこともあって情緒が不安定になっているのか、「オールマイト、サイン、その前に、膝を貸して……?なまえちゃんが?僕に?それってひざまく……??……!?!??」と表情も言動もすべてが忙しい。
そうしていると、オールマイトはそろそろこの場を去るようだ。「液晶越しにまた会おう!」というオールマイトに、出久が慌てて声をかける。
それを断ったオールマイトは、「応援よろしくねー」と大きくジャンプして跳んで行った。いや、飛んで行った。それに慌てて手を振る。オールマイトは、すぐに見えなくなった。
「すごかったねぇ、出久。
……いずく??」
まだ感動で震えているのかな、と横を見やれば、そこにいるはずの出久が見えない。えっなんで?どこ行ったの????
しばらく周りを探してみたけれど、出久の姿はどこにもないので、諦めて、一人で帰ることにする。家に帰ったら、出久に電話してみようかなぁとそう思いながら。
けれども、さすがに一人でこのまま帰るのは怖い気がしたので、私は進路を変更し、普段通る街中を目指したのだった。
誰もみてないし、ちょっと自分の"個性"──瞬間移動──を使っても、大丈夫だよね?