笑って、テレポーテーション。
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「なぁんてこともあったな~」
「なにアホ面さげてンだ。早く帰るぞ」
「はぁい」
学校指定のカバンをひっかけたかっちゃんを前に、行儀よくお返事を返すと、私も自分のカバンを背負った。涙とからかう笑いのあの出会いから、もう何年経つんだろう。私たちは中学生になっていた。
「おー、カツキ今日はみょうじと帰んのか!相変わらず仲良しですねぇ」
「うっせ、今日はコイツんちの親が遅いから、うちで飯食うんだよ」
「そうなのです、今日はかっちゃんママのご馳走なのです!」
「お前な、こいつらからかったって面白くねぇだろ。じゃあな、カツキ、なまえ」
「おう」
「ばいばい!またあした!」
かっちゃんの短い挨拶と手を振る私に、軽く手を挙げて、彼らは帰っていく。途中、刈り上げをちょっと下げて、悪いな、というようにお辞儀をした彼は、よくかっちゃんのことを分かっているんだろうなと思う。それを見てまた私は彼に手を振った。
「やっぱり中学生ともなると、男女2人で帰るとからかわれちゃうのかな。それにかっちゃんかっこいいってモテるし……。別々に帰ってからおうちにお邪魔したほうがいい?」
「一緒にいた方が時間とか合わせなくていいし楽だろ。それに、他人が俺の事どう思ってようが関係ねぇわ」
「わはっ、かっちゃんらしいや!私もね、かっちゃんといると嬉しいので、嫌じゃないですよー」
ハッ、と誰かを小馬鹿にするように笑ったかっちゃんと、ぽんぽんと会話をしながら正門をくぐれば、まばらに下校する生徒たちの姿がみえる。その中に、ふわふわ頭を見つければ、「出久だ、」と思わず声が漏れた。
「は?」と機嫌悪そうな声が隣から聞こえたので、あまり突っ込まないけど、家が近所なのだから帰り道も同じに決まっている。
また3人で帰れたらいいのになー、と優しい少年の顔を思い浮かべて、隣のかっちゃんには「なんでもないよ」と言っておいた。
かっちゃんは、舌打ちを打つけれど、とくに出久に何をするでもなく、歩いていく。それに私は苦笑いをこぼして、なんで出会った時から優しい出久じゃなくて、かっちゃんのそばの方が安心するんだろうと考える。
だってかっちゃん、なんでも出来ちゃって、常に学校のトップにいるから俺様だし、いじめっ子みたいなんだよ?今はだいぶマシになったけど、泣き虫だった私がよく好きになったよねぇ。
しみじみと1人、物思いに耽りながら歩いているけど、隣のかっちゃんは何を言うでもなく、ずんずんと歩いている。
……かっちゃん、口数が少ない時は本当に静かだもんなぁ。
「ぅあ、」
そんなことを考えていれば、道が歪んで、段差が出来ていたのに気づかず、足がつんのめった。
わ、これは転ける、そう思ったら視界が滲む。
それを晴らすように、そして衝撃に耐えるようにぎゅっと目を瞑れば、横から力強く引き上げられた。
「……??」
そろりと見上げれば、熱いくらいの力強さはかっちゃんの手のひらで。片手で私を支えて引き上げたんだな、と理解する。
「まぁたすぐ泣くのな」
からかうように笑うかっちゃんが、「気をつけろよ、ノロマ」と暴言を吐く。
「うん、ありがとう」
「おう」
2人で歩き出せば、自然とかっちゃんが私の歩幅に合わせて歩いてくれてるのがわかる。しかも、車道側を歩くのもかっちゃんだ。
意地悪だけど、助けてくれるし、こうやってなんだかんだ世話焼きなところがあるのも知っている。長い付き合いだもの。
だから、きっと私はこの人のそばが安心するのだろう。
⬛︎ ⬛︎ ⬛︎
「んん、今日の献立はなんでしょう!」
「ンなもんババアに聞け。あと早く涙は拭いとけよ」
「もう泣いてないから大丈夫!」
「なにアホ面さげてンだ。早く帰るぞ」
「はぁい」
学校指定のカバンをひっかけたかっちゃんを前に、行儀よくお返事を返すと、私も自分のカバンを背負った。涙とからかう笑いのあの出会いから、もう何年経つんだろう。私たちは中学生になっていた。
「おー、カツキ今日はみょうじと帰んのか!相変わらず仲良しですねぇ」
「うっせ、今日はコイツんちの親が遅いから、うちで飯食うんだよ」
「そうなのです、今日はかっちゃんママのご馳走なのです!」
「お前な、こいつらからかったって面白くねぇだろ。じゃあな、カツキ、なまえ」
「おう」
「ばいばい!またあした!」
かっちゃんの短い挨拶と手を振る私に、軽く手を挙げて、彼らは帰っていく。途中、刈り上げをちょっと下げて、悪いな、というようにお辞儀をした彼は、よくかっちゃんのことを分かっているんだろうなと思う。それを見てまた私は彼に手を振った。
「やっぱり中学生ともなると、男女2人で帰るとからかわれちゃうのかな。それにかっちゃんかっこいいってモテるし……。別々に帰ってからおうちにお邪魔したほうがいい?」
「一緒にいた方が時間とか合わせなくていいし楽だろ。それに、他人が俺の事どう思ってようが関係ねぇわ」
「わはっ、かっちゃんらしいや!私もね、かっちゃんといると嬉しいので、嫌じゃないですよー」
ハッ、と誰かを小馬鹿にするように笑ったかっちゃんと、ぽんぽんと会話をしながら正門をくぐれば、まばらに下校する生徒たちの姿がみえる。その中に、ふわふわ頭を見つければ、「出久だ、」と思わず声が漏れた。
「は?」と機嫌悪そうな声が隣から聞こえたので、あまり突っ込まないけど、家が近所なのだから帰り道も同じに決まっている。
また3人で帰れたらいいのになー、と優しい少年の顔を思い浮かべて、隣のかっちゃんには「なんでもないよ」と言っておいた。
かっちゃんは、舌打ちを打つけれど、とくに出久に何をするでもなく、歩いていく。それに私は苦笑いをこぼして、なんで出会った時から優しい出久じゃなくて、かっちゃんのそばの方が安心するんだろうと考える。
だってかっちゃん、なんでも出来ちゃって、常に学校のトップにいるから俺様だし、いじめっ子みたいなんだよ?今はだいぶマシになったけど、泣き虫だった私がよく好きになったよねぇ。
しみじみと1人、物思いに耽りながら歩いているけど、隣のかっちゃんは何を言うでもなく、ずんずんと歩いている。
……かっちゃん、口数が少ない時は本当に静かだもんなぁ。
「ぅあ、」
そんなことを考えていれば、道が歪んで、段差が出来ていたのに気づかず、足がつんのめった。
わ、これは転ける、そう思ったら視界が滲む。
それを晴らすように、そして衝撃に耐えるようにぎゅっと目を瞑れば、横から力強く引き上げられた。
「……??」
そろりと見上げれば、熱いくらいの力強さはかっちゃんの手のひらで。片手で私を支えて引き上げたんだな、と理解する。
「まぁたすぐ泣くのな」
からかうように笑うかっちゃんが、「気をつけろよ、ノロマ」と暴言を吐く。
「うん、ありがとう」
「おう」
2人で歩き出せば、自然とかっちゃんが私の歩幅に合わせて歩いてくれてるのがわかる。しかも、車道側を歩くのもかっちゃんだ。
意地悪だけど、助けてくれるし、こうやってなんだかんだ世話焼きなところがあるのも知っている。長い付き合いだもの。
だから、きっと私はこの人のそばが安心するのだろう。
⬛︎ ⬛︎ ⬛︎
「んん、今日の献立はなんでしょう!」
「ンなもんババアに聞け。あと早く涙は拭いとけよ」
「もう泣いてないから大丈夫!」