闘志を燃やせ?オニーサンスイッチ!


深夜1時。テーブルで黙々と作業をする少年(?)がいた。辺りには使い慣れた工具に材料が散乱しており、最後の部品であろう物を取り付けた時彼はこう言った。
「出来たんだがこれ、どうするんだァ…??」
不思議そうに見ているもの、これが、後に喜劇の引き金トリガーとなることは知るよしもなかった。


朝ご飯を作る為、佐海、戸上、志藤、久森の4人が降りてきた。キッチンに行こうとすると久森が何かに気付いた。
「あれ…?テーブルの上に何か紙が…」
テーブルの上には、昨日なかったはずの1枚の紙が置いてあった。久森はそれを手に取り内容を確認した。久森が止まっているのを見た3人は、なんだどうしたと言うように集まって来た。
「久森、どうしたんだ」
「戸上さん…紙が置いてあったので、読んで見たら……」
と言いながら、戸上達に紙を見せた。その内容は、〝今日は皆んな暇だろうから、ある遊びを提案するよ。なんだかんだ面白いからやってごらん。詳しいことは浅桐に聞いてね。指揮官〟と書かれていた。それを読んだ3人は、朝なのかあまりピンときていないようで、頭にはてなマークが浮かんでいるのが見えそうだ。
「えっ何これ伝言?それとも遺書??」
「佐海、遺書はないだろう」
「遺書だったら心臓破裂しそう」
「…お前ら、遺書から離れる気ないだろ……」
どうすることも出来なくなる前にと、志藤はとりあえず朝飯作るぞと言って皆んなをキッチンへ誘導した。紙は久森から志藤へと預けることになった。

朝ご飯が出来上がる頃、起床してくる人達がわらわらと降りてくる。今日は何も起きなかったが、たまに階段から転げ落ちてくる人がいるらしく、巻き添えを食らう人もちょこちょこいるそうで。佐海は料理を運んでいる最中、階段最後尾にいる浅桐を見つけた。佐海は思わず大声に近い声で、
「浅桐さんっっ!!遺書!!!!」
と叫んだ。どうやら、紙の内容=遺書と記憶していたようだ。佐海に指名され、意味不明な単語を並べられた浅桐は、返す言葉もなく何言ってんだお前。と佐海を見た。遺書と叫んだ佐海に戸上はそれなりに声を荒げて、
「違う!!そうじゃない!!!」
と首を振った。それを聞いていた伊勢崎は、まるで大物を釣り上げたようなキラキラした瞳で、
「えっ遺書!?何々どゆこと?!??」
それに対しすかさず、落ち着け伊勢崎と普段は名前呼びの志藤が軽い突っ込みをした。
佐海のとんでもない叫びから始まった事は無事に終わりを告げた。が、それに至った経緯を話してはいなかったので戸上達は、朝ご飯を食べながら皆んなに説明した。説明をし終えた後、今度は浅桐にこの事を聞いた。
「浅桐は知ってたか?この内容」
すると、ご飯を食べようとした浅桐は知らねぇよ。とだけ言って箸を進ませた。想定外の答えに佐海は
「じゃあ、なんでここに名前が…?」
と呟いた。その疑問に答えるかのように浅桐は言った。
「内容はさっぱりだが、指揮官サンからあるもの・・・・を作って欲しいとは言われたな」
「あるもの……ってなんですそれ」
「あとで見せてやる。ついでに指揮官サンからの紙も預かってるぞ」
これに、今までの話を聞いていた皆んなの心が1つになった。それを先に言ってくれよ…!と。
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