交わりて溶けていく
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零が十数年ぶりに帰ってきた
子供の姿で。オレを拾って
ほんの少しだけ旅をして
和狆の所に預けられて、あの人はまた
一人で消えてしまった。時々ふらりと
戻ってくる事はあったが
一緒に居た時期より、居なかった時期の方が
とても長かった
『今はまだ、一緒には連れて行けない
旅をして、分かっただろう?幻十郎、
お前は私の相棒だ。今より強くなって
ここで、私を待っていてくれ』
赤い勾玉の首飾りと、オレが欲しいと
せがんだ花札と煙管を置いて
どんな顔をして会えばいい
正直、捨てられたのだと思った
式神を介した手紙のやりとりも途絶え
ふらりと現れたのも随分と前に止んだ
「……幻十郎…ごめんな」
背を向けて黙り込むオレに零は
謝って出て行った
あの人の事だ。頭を冷やしに、どこかに
行ったのだろう
カァ、とオレの式神である烏が鳴いた
撫でると嬉しげな顔をする
もっと、と顔を寄せながら
「………」
「牙神さん!!」
「なんだ」
うるさい足音と共に、覇王丸が部屋に
入ってきた
「今すぐ追いかけた方がいい
血が…」
「血?血がなんだ」
「さっき師匠と零さんが
話していたのがたまたま聞こえたんだが
零さん、腹に傷を受けて
それが呪いみたいで…それで牙神さんの元に
帰ってくるのに時間がかかってしまったって」
「呪い、だと。和尚は何処にいる!?」
「そう慌てずとも、ここにおるわい」
覇王丸の背後から現れた和尚は
良いか、と一言言った
「彼奴がかかった呪いは、常人なら
とうの昔に死んでおる。なんせ常に血が
流れておる状態じゃからの」
「なぜ餓鬼の姿に?」
「恐らくじゃが、呪いに体内の氣の殆どが
吸い取られている状態じゃ。大人の姿だと
さらに消費が激しい。氣の消費が
少なく済む子供へと変化させたのじゃろう」
「……」
子供の姿で。オレを拾って
ほんの少しだけ旅をして
和狆の所に預けられて、あの人はまた
一人で消えてしまった。時々ふらりと
戻ってくる事はあったが
一緒に居た時期より、居なかった時期の方が
とても長かった
『今はまだ、一緒には連れて行けない
旅をして、分かっただろう?幻十郎、
お前は私の相棒だ。今より強くなって
ここで、私を待っていてくれ』
赤い勾玉の首飾りと、オレが欲しいと
せがんだ花札と煙管を置いて
どんな顔をして会えばいい
正直、捨てられたのだと思った
式神を介した手紙のやりとりも途絶え
ふらりと現れたのも随分と前に止んだ
「……幻十郎…ごめんな」
背を向けて黙り込むオレに零は
謝って出て行った
あの人の事だ。頭を冷やしに、どこかに
行ったのだろう
カァ、とオレの式神である烏が鳴いた
撫でると嬉しげな顔をする
もっと、と顔を寄せながら
「………」
「牙神さん!!」
「なんだ」
うるさい足音と共に、覇王丸が部屋に
入ってきた
「今すぐ追いかけた方がいい
血が…」
「血?血がなんだ」
「さっき師匠と零さんが
話していたのがたまたま聞こえたんだが
零さん、腹に傷を受けて
それが呪いみたいで…それで牙神さんの元に
帰ってくるのに時間がかかってしまったって」
「呪い、だと。和尚は何処にいる!?」
「そう慌てずとも、ここにおるわい」
覇王丸の背後から現れた和尚は
良いか、と一言言った
「彼奴がかかった呪いは、常人なら
とうの昔に死んでおる。なんせ常に血が
流れておる状態じゃからの」
「なぜ餓鬼の姿に?」
「恐らくじゃが、呪いに体内の氣の殆どが
吸い取られている状態じゃ。大人の姿だと
さらに消費が激しい。氣の消費が
少なく済む子供へと変化させたのじゃろう」
「……」