雨
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
侍魂・幻十郎
生きる為と、割り切っていた
そして斬られても仕方ないのだと
人々に感謝され恨まれ生きてきた
「(……これは、幻十郎には見せれないな)」
腹に刺さった脇差を引き抜くと
雨の中、町外れまでなんとか歩いてきた
血が伝う。ああ、この感覚は毒か
「鬱陶しい…」
天罰と言えば終わりだ
そうなっても仕方ない。どうせ死ねない質で
極楽にも地獄にも行けない
こんな毒なんて可愛いものなのだろう
「(………)」
厄介だ。大木にもたれ掛かり目を瞑った
雨が酷くなる。傷の治りも遅い
そう言えば、私が私を棄てた日も
叩きつける雨の日だった
深い水の中に、身を沈めて全てを棄てた
人である事を棄てた
私が今の私になって、握りしめた日本刀で
私を嘲った村の奴らを殺した
恐怖も罪悪感も何も感じなかった
斬る事も斬られる事も
……力があっても所詮は子供
今の時代よりも、ずっとずっと昔
一人で生きていくには手を汚すのが早かった
人を斬り、化け物を斬り
「………」
こちらに向かってくる足音が聞こえて
視線を寄越すと、見慣れた子供がいた
赤い髪を一つに結った子供が走ってきた
「……げ…じゅ…」
視界が真っ暗に染まり
無数の手が私の体を押さえつけてきた
「(…あったかい…)」
目が覚めた時には毒の感覚も傷の痛みもなく
隣を見れば、幻十郎が引っ付いて眠っていた
指で顔にかかる髪を避ける
「(…涙の跡…泣いていたのか)」
生きる為と、割り切っていた
そして斬られても仕方ないのだと
人々に感謝され恨まれ生きてきた
「(……これは、幻十郎には見せれないな)」
腹に刺さった脇差を引き抜くと
雨の中、町外れまでなんとか歩いてきた
血が伝う。ああ、この感覚は毒か
「鬱陶しい…」
天罰と言えば終わりだ
そうなっても仕方ない。どうせ死ねない質で
極楽にも地獄にも行けない
こんな毒なんて可愛いものなのだろう
「(………)」
厄介だ。大木にもたれ掛かり目を瞑った
雨が酷くなる。傷の治りも遅い
そう言えば、私が私を棄てた日も
叩きつける雨の日だった
深い水の中に、身を沈めて全てを棄てた
人である事を棄てた
私が今の私になって、握りしめた日本刀で
私を嘲った村の奴らを殺した
恐怖も罪悪感も何も感じなかった
斬る事も斬られる事も
……力があっても所詮は子供
今の時代よりも、ずっとずっと昔
一人で生きていくには手を汚すのが早かった
人を斬り、化け物を斬り
「………」
こちらに向かってくる足音が聞こえて
視線を寄越すと、見慣れた子供がいた
赤い髪を一つに結った子供が走ってきた
「……げ…じゅ…」
視界が真っ暗に染まり
無数の手が私の体を押さえつけてきた
「(…あったかい…)」
目が覚めた時には毒の感覚も傷の痛みもなく
隣を見れば、幻十郎が引っ付いて眠っていた
指で顔にかかる髪を避ける
「(…涙の跡…泣いていたのか)」