第3話 雲雀家
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陽が沈み始めた時間帯、##NAME1##たちはのんびりとした足取りで帰路を進んでいた。
「重いのにごめんね」
「いえ、夕飯までご馳走になるのですから」
雲雀とは違い、自分を労ってくれる##NAME1##に草壁は思わず感動するが表情には出さないよう努めた。
何しろ##NAME1##にとって雲雀は優しく人情味のある子だからだ。
草壁からしても時々優しいかも…と思う瞬間があれど、##NAME1##が思う優しさとはまた違ったものであるような気もする。
そんな姉と弟の関係を崩さないようにするのも自分の大事な仕事だと草壁は勝手に思っていた。
「哲矢くん、本当は来る予定じゃなかったんじゃない?」
「へい?」
突然の質問に草壁の思考回路が一瞬脱線しかけた。
「いえ、自分は――」
「あの子私と帰るの嫌がるのよ。恥ずかしいんでしょ?お年頃だもんね。なーんて」
天然なのか鋭いのかわからないところがある。
半分当りで半分外れて、草壁はドキッとさせられると共に安堵の溜め息もついた。
「そ、そうかもしれません」
荷物持ちが嫌だとか、実は学校までバイクで登校しているなんて言えば##NAME1##を驚かせてしまうし雲雀に咬み殺されかねない。
草壁は曖昧な返事を返した。
「本当にうちに来て大丈夫?いいのよ、自宅に帰っても」
優しい笑みに雲雀と全く正反対の性格だ、とのんびり考えていた。
顔はどことなく似ていて美形であるが性格も行動も全てが真逆のような兄弟だ。
「自分は大丈夫ですが、赤ん坊も二人行くということなので食事の準備が大変だと…」
「そんなの何人のを作ろうとさほどかわりないわよ。時間が大丈夫なら哲矢くんもしっかり食べてってね!遠慮入らないから」
「ありがとうございます」
雲雀家に着いたら自分も手伝わなければ、と華奢な##NAME1##の後ろ姿に草壁は感じた。
「風くん疲れない?」
##NAME1##は自分と手を繋いでいる風に優しく語りかけた。
風が緊張しているのを繋がれた手から何となく感じ取っているようだった。
「恭弥とは知り合いだった?」
「はい。何度かお会いしてるので」
「そうだったのね。じゃあ、哲矢くんも?」
「ええ。そうです」
風も草壁も頷いた。
「リボーンとは恭弥との関係でお友達になったの。ね?」
「すぴー」
リボーンはボルサリーナで顔を隠し眠っていた。
道理でおとなしかったはずだ。
「あの、私は中国から弟子のイーピンの様子を伺うために日本に、渡って来ました。ええと、拳法をしているんです」
「弟子って……その年で師範に?」
「え、ええ…まあ」
少し困った様子の風を察して##NAME1##はそれ以上深くは聞かなかった。
「リボーンからはどれだけの話を聞いているのですか?」
「んーと、それってマフィアの話かな?」
風はコクりと頷いた。
やっぱりそっち方面の子だったのね、と##NAME1##は苦笑いした。
「自分は立派なマフィアを育てるために家庭教師しに来た。ボスはツナくんで、守護者に山本武、獄寺隼人、笹川了平、ランボ、六道骸、クローム髑髏そして雲雀恭弥だって。ディーノさんとかその部下さんたちも前は良く来てたの。あ、ディーノさんって言うのは…」
「ディーノはよく知ってます。跳馬のディーノ」
「意外と共通のお友達が多いのね、ふふ。ヒバリにもいろいろあると思うが協力してやってくれって。あ、あと俺はアルコバレーノといって最強の赤ん坊の一人だ。俺は凄腕のヒットマンだぞ、俺の愛人になるか?って言ってたかなぁ。面白いわよね」
「(リボーン……!やや女性にルーズすぎます!)」
軽い怒りと呆れて風は溜め息をついた。
「私も実はアルコバレーノの一人です」
「あら、それで拳法の師範をできるのね。そっか、風くんも強いのね」
最強の赤ん坊が二人も側にいたら安心ね、と微笑む##NAME1##に風は赤面した。
「(恋、とは何ともやりづらいですね…)」
こんな挙動不審になる自分は初めてだと複雑な気持ちだった。
握られる手が恐ろしく熱を帯びている気がした。