第4話 居候
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「居間とキッチンは知ってるわね。こっちがトイレで、部屋はこっちね」
大きな平屋なだけあって廊下もあちこちに伸びている。
縁側、庭付きの家に雲雀家の存在の大きさがよくわかる。
「風くん…お部屋どうする?」
「あ、私はどこでも…」
「お部屋は余ってるんだけど、慣れない家で一人で寝るのどうかなって思ったのよ。良かったら私と同じ部屋にする?」
「へっ!?」
真剣に悩んでいる##NAME1##の横で風があたふたとする。
「わ、私は一人でも大丈夫です!」
「でも…」
「ひ、一人部屋ってちょっと憧れてたんです!」
「あら、そうなの?」
風は必死に首を縦にふった。
「じゃあ、そこのお部屋を風くんのお部屋にしてもらうかな」
「は、はい!ありがとうございます」
「私の部屋はすぐ隣だから何かあったらいつでも声をかけてね」
次行こうか、と歩きだした##NAME1##の後ろで風が盛大に息を付き、安堵した。
##NAME1##のあとに続いて行くが、どうやら離れの方へ行くらしい。
家の裏の方へと進んでいくと今いる母屋とは別の建物が渡り廊下と繋がっていた。
「思っていた以上に広いですね…驚きました」
「雲雀家代々受け継いでいる家だからただの古い家よ」
渡り廊下からは綺麗に整えられた庭が見渡せる。
所々に可愛らしい花が咲いているのは##NAME1##の趣味だろうか。
そんなことを思いながら風は歩みを進めた。
「ここは普段はあまり人を通さないんだけど、風くんは武道家だって聞いたからここは是非知ってもらおうと思ってね」
庭に見いっていると突然##NAME1##に声をかけられて振り替えると、渡り廊下の突き当たりの扉の入り口の端から導くように立つ##NAME1##がいた。
扉の横の立て看板には道場の文字が並んでいた。
「道場…」
「武道家のあなたには必要な場所だと思って。自由に使っていいからね」
「そんな…雲雀家の人たちからすれば神聖な場所でしょう?私なんかが使っては…」
「良いのよ。今はほとんど使っていないし。それに風くんなら大切に使ってくれると思ったの。道場も喜んでくれるわ」
そう言いながら門扉を押し開ける##NAME1##。
少しきしむ音がなるも扉は簡単に開く。
ほとんど使っていないと言っても時おり空気の入れ換えを行っているのだろう。
「立派な道場ですね…」
中は広々としていて立派な神棚も飾られていた。
「…七里結界」
道場の上座に堂々と飾られた額縁にはその言葉が綴られていた。
「あぁ…それね。それは曾お祖父様が残したものらしいんだけど。あんまり好きじゃないな、私は」
と、困ったように微笑む##NAME1##。
「武道にとって隙を見せないことは大切なことかも知れないけど、人を寄せ付けないなんて寂しいじゃない。人間時には隙を見せるのも必要だと思うの。信頼できる人にはね。まぁ、恭弥は気に入ってたみたいだけど」
なんとも雲雀恭弥らしいと思った。
この言葉をある意味素直に受け入れ、作り上げられた性格のような気がした。
第4話 了
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