わたしの軍師さま ~長屋の一日編~
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天鬼が抱えてくれたおかげで、陽が沈みきる前に家に帰ることができた。
「天鬼様、ありがとうございました。ここで大丈夫です。早速夕ご飯の支度をしますね。何か食べたいものはありますか?」
「いや、いい」
そう言って、自分を下ろそうともせず、すたすたと土間を通り抜ける天鬼に空は呆気に取られてしまう。
「天鬼様……?」
居間に上がり、ようやく天鬼が足をとめたと思ったら、囲炉裏を囲む床面に空を横たえる。
空が自由になったのはその一瞬だけだった。
即座に天鬼が覆い被さってくる。
「飯など後回しでいい。それよりも空が先だ」
そう言われるなり、天鬼に唇を塞がれる。
「ぅん…っ………」
すぐに吐息が重なり合って、舌を深く絡め合う。
いつもは接吻だけで嫌というほど焦らされるのに、珍しく性急に求めてくるのは、ほんの一時でも心がすれ違った影響だろうか。
濃厚なキスから解放される頃には、空の眼の下は生々しい桃色に染まっていた。
「あ、あの、天鬼様……夕ご飯は……」
「くどいぞ、空。今日は要らぬ奴らに邪魔されて、嫌と言うほど頭に来ているんだ。先にお前を抱いてからでないと、食指が動きそうにない」
そう言って、天鬼が帯を解きもせずに襟元を割ってきた。
着物が乱れ、白い胸だけが空気に晒された姿は、見るからに卑猥でたまらなく恥ずかしい。
「……美味そうだ」
実際にはやっていないのに、空には天鬼が舌嘗めずりしたように見えた。
「天鬼様……」
恥じらいつつも見られるだけで身体が甘く震えてしまうのは、天鬼に期待しているからなのだろう。
飢えた瞳に鼓動の高鳴りを感じながら、彼の手と唇が女の果実に触れるのを待っていたときだった。
「半助ぇ、空ちゃん、帰ってきたのね!!」
勢いよく開いた戸から隣のおばちゃんが現れてしまう。
「と、隣のおばちゃんっ!」
空は急いで胸元を隠す。
「……」
隣のおばちゃんは天鬼と空の構図を見てしばし呆然とするが、やがて「きゃあ」と少女のような悲鳴を上げて、真っ赤な顔を両手で覆う。
しかし、指と指の間から、大きな眼がはみ出している。
空たちのやりとりを見る気満々のようだ。
「あらあら、ふたりとも「仲良し」寸前だったのね、ウフフ……。いやね、私は一緒に夕食をどうかと思って誘いに来たんだけど……ほら、今日のドブ掃除、半助頑張ってくれたでしょう。だから、そのお礼に鴨鍋を用意したの」
「「……」」
「あ、でも「仲良し」の方が先なら仕方ないわね。お邪魔しちゃったわ。しょうがないから鴨鍋は大家さんとふたりで……」
「わーわー、待ってください、隣のおばちゃん!鴨鍋なんてうれしいです。もちろん先 にいただきますよ。ねぇ、天鬼様……じゃなかった半助さん!」
「あら、ほんと?空ちゃんがそう言うなら……半助ぇ、悪いわね。お楽しみが後 になって、ウフフ」
口では「悪い」「邪魔しちゃった」など言うものの、隣のおばちゃんの顔は全く悪びれてない。
(や、やはり、このご婦人は苦手だ……!)
その後、空と天鬼は気まずい思いを抱えながら、隣のおばちゃんの家で夕餉にありついた。
食事中、隣のおばちゃんは「スッポン鍋の方が良かったかしら」と揶揄い混じりに言って、天鬼を噎 せさせてしまう。
半助と同様、天鬼も隣のおばちゃんに逆セクハラされる運命にあるようだ――
舌が蕩けるように美味しい鴨鍋を食しながら、そんなことを思う空だった。
「天鬼様、ありがとうございました。ここで大丈夫です。早速夕ご飯の支度をしますね。何か食べたいものはありますか?」
「いや、いい」
そう言って、自分を下ろそうともせず、すたすたと土間を通り抜ける天鬼に空は呆気に取られてしまう。
「天鬼様……?」
居間に上がり、ようやく天鬼が足をとめたと思ったら、囲炉裏を囲む床面に空を横たえる。
空が自由になったのはその一瞬だけだった。
即座に天鬼が覆い被さってくる。
「飯など後回しでいい。それよりも空が先だ」
そう言われるなり、天鬼に唇を塞がれる。
「ぅん…っ………」
すぐに吐息が重なり合って、舌を深く絡め合う。
いつもは接吻だけで嫌というほど焦らされるのに、珍しく性急に求めてくるのは、ほんの一時でも心がすれ違った影響だろうか。
濃厚なキスから解放される頃には、空の眼の下は生々しい桃色に染まっていた。
「あ、あの、天鬼様……夕ご飯は……」
「くどいぞ、空。今日は要らぬ奴らに邪魔されて、嫌と言うほど頭に来ているんだ。先にお前を抱いてからでないと、食指が動きそうにない」
そう言って、天鬼が帯を解きもせずに襟元を割ってきた。
着物が乱れ、白い胸だけが空気に晒された姿は、見るからに卑猥でたまらなく恥ずかしい。
「……美味そうだ」
実際にはやっていないのに、空には天鬼が舌嘗めずりしたように見えた。
「天鬼様……」
恥じらいつつも見られるだけで身体が甘く震えてしまうのは、天鬼に期待しているからなのだろう。
飢えた瞳に鼓動の高鳴りを感じながら、彼の手と唇が女の果実に触れるのを待っていたときだった。
「半助ぇ、空ちゃん、帰ってきたのね!!」
勢いよく開いた戸から隣のおばちゃんが現れてしまう。
「と、隣のおばちゃんっ!」
空は急いで胸元を隠す。
「……」
隣のおばちゃんは天鬼と空の構図を見てしばし呆然とするが、やがて「きゃあ」と少女のような悲鳴を上げて、真っ赤な顔を両手で覆う。
しかし、指と指の間から、大きな眼がはみ出している。
空たちのやりとりを見る気満々のようだ。
「あらあら、ふたりとも「仲良し」寸前だったのね、ウフフ……。いやね、私は一緒に夕食をどうかと思って誘いに来たんだけど……ほら、今日のドブ掃除、半助頑張ってくれたでしょう。だから、そのお礼に鴨鍋を用意したの」
「「……」」
「あ、でも「仲良し」の方が先なら仕方ないわね。お邪魔しちゃったわ。しょうがないから鴨鍋は大家さんとふたりで……」
「わーわー、待ってください、隣のおばちゃん!鴨鍋なんてうれしいです。もちろん
「あら、ほんと?空ちゃんがそう言うなら……半助ぇ、悪いわね。お楽しみが
口では「悪い」「邪魔しちゃった」など言うものの、隣のおばちゃんの顔は全く悪びれてない。
(や、やはり、このご婦人は苦手だ……!)
その後、空と天鬼は気まずい思いを抱えながら、隣のおばちゃんの家で夕餉にありついた。
食事中、隣のおばちゃんは「スッポン鍋の方が良かったかしら」と揶揄い混じりに言って、天鬼を
半助と同様、天鬼も隣のおばちゃんに逆セクハラされる運命にあるようだ――
舌が蕩けるように美味しい鴨鍋を食しながら、そんなことを思う空だった。