手ごわい三姉妹
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半助が三姉妹と決別できてから、既に三日が経っていた。
あの日から、空、きり丸、半助の誰一人として三つ子たちの姿を見ていない。
「私、ちょっと言い過ぎたかも……」
「いや、私が最初からはっきりした態度をとっておけば、こんなことには……」
いたいけな幼女たちを悲しませてしまった。
洗濯のバイトをしながら、空も半助も責任の一端を感じている。
一方、きり丸はニヤニヤしていた。
「にしても、土井先生があの三人に『浮気者!』とか『最低!』とか言われてたのは面白かったなぁ。ニヒヒヒヒッ!」
「コラァ、きり丸!」
「わわわわ、タンマタンマ……ってあれ?」
きり丸が何かを見つけたようで、遠くに視線を投げている。
「そうやって誤魔化そうとしているだろ?その手には……」
「ち、ちがいますよ!あそこにいるの……三つ子ちゃんたちですよ!」
「え!?」
半助と空が慌ててきり丸の指さした方を見る。
そこにはきり丸の言った通り、なりを潜めていたあの三姉妹の姿があった。
三姉妹はとある成人男性に絡んでいるのだが、その男性と半助たちは顔見知りだった。
「利吉君(さん)!」
三人の声が重なる。
利吉もまた、半助たちの存在に気づいたようで、三姉妹に纏わりつかれながらも何とか半助たちの元へ寄った。
「あ、あの……この子たち、土井先生のご近所さんの子でしょうか?町に着いた途端、この子達がずっとくっついてきて、困っているんです。私のこと、根掘り葉掘り聞いてくるし」
ほとほと困った利吉が、自分に引っ付いた三姉妹を見ながら言う。
三姉妹はというと、注目を集めていることにも気がついていないようで、完全に上気した顔で利吉を見つめていた。
「りきちさん!そのりりしいおかお……す・て・き♡」
「はんすけさんよりも、ずっと、ずっと、かっこいい!」
「ちつれん(失恋)のきずをいやすには、あたらちい『こい』がいちばん!りきちさん、あたちとけっこんちてぇ!」
そう。この三姉妹は半助に振られて以降、町中へと繰り出してはボーイハントをしていたのだ。
そして、運よく、本日運命の人を見つけた……らしい。
どこまでも恋愛体質な三姉妹に、空ときり丸が舌を巻く。
「『女心と秋の空』とはよく言ったもんですね……」
「女の子って、こんなにあっさり他の男に鞍替えできるんだ。ひゃー、こええ!」
対して、半助はどこか複雑そうだ。
「あれだけ私のことを好きだ好きだ、と言っておきながら、これだもんな」
おまけに今しがたの「自分より利吉の方がかっこいい」発言にむくれていた。
「でも、よかった……あの三つ子ちゃんたち元気そうで」
「そうだな、安心したよ」
「ほんと、ほんと。新しい恋に出会って、幸せそうっすね」
空、半助、きり丸がしみじみと言う。
この騒ぎを他人事のように扱う三人に対し、利吉がたまらず叫んだ。
「ちょ、ちょっと、みんな、助けてくださいよ!ああもう、袖引っ張らないで!」
「あ~ん、りきちさぁん!」
「これから、いっちょにちゃみせにいって」
「『ちゅうげん(祝言)』のひどりをきめないと!」
「土井先生、空さん、きり丸!た、助けてぇぇぇ!」
結局、利吉が解放されたのは小間物屋に立ち寄っていた伝子と合流してからのことだった。
利吉が伝子を指しながら、「この人と親子関係にあります」と力説すると、その三姉妹は何も言わず、あっさりと身を引いたのだった。
あの日から、空、きり丸、半助の誰一人として三つ子たちの姿を見ていない。
「私、ちょっと言い過ぎたかも……」
「いや、私が最初からはっきりした態度をとっておけば、こんなことには……」
いたいけな幼女たちを悲しませてしまった。
洗濯のバイトをしながら、空も半助も責任の一端を感じている。
一方、きり丸はニヤニヤしていた。
「にしても、土井先生があの三人に『浮気者!』とか『最低!』とか言われてたのは面白かったなぁ。ニヒヒヒヒッ!」
「コラァ、きり丸!」
「わわわわ、タンマタンマ……ってあれ?」
きり丸が何かを見つけたようで、遠くに視線を投げている。
「そうやって誤魔化そうとしているだろ?その手には……」
「ち、ちがいますよ!あそこにいるの……三つ子ちゃんたちですよ!」
「え!?」
半助と空が慌ててきり丸の指さした方を見る。
そこにはきり丸の言った通り、なりを潜めていたあの三姉妹の姿があった。
三姉妹はとある成人男性に絡んでいるのだが、その男性と半助たちは顔見知りだった。
「利吉君(さん)!」
三人の声が重なる。
利吉もまた、半助たちの存在に気づいたようで、三姉妹に纏わりつかれながらも何とか半助たちの元へ寄った。
「あ、あの……この子たち、土井先生のご近所さんの子でしょうか?町に着いた途端、この子達がずっとくっついてきて、困っているんです。私のこと、根掘り葉掘り聞いてくるし」
ほとほと困った利吉が、自分に引っ付いた三姉妹を見ながら言う。
三姉妹はというと、注目を集めていることにも気がついていないようで、完全に上気した顔で利吉を見つめていた。
「りきちさん!そのりりしいおかお……す・て・き♡」
「はんすけさんよりも、ずっと、ずっと、かっこいい!」
「ちつれん(失恋)のきずをいやすには、あたらちい『こい』がいちばん!りきちさん、あたちとけっこんちてぇ!」
そう。この三姉妹は半助に振られて以降、町中へと繰り出してはボーイハントをしていたのだ。
そして、運よく、本日運命の人を見つけた……らしい。
どこまでも恋愛体質な三姉妹に、空ときり丸が舌を巻く。
「『女心と秋の空』とはよく言ったもんですね……」
「女の子って、こんなにあっさり他の男に鞍替えできるんだ。ひゃー、こええ!」
対して、半助はどこか複雑そうだ。
「あれだけ私のことを好きだ好きだ、と言っておきながら、これだもんな」
おまけに今しがたの「自分より利吉の方がかっこいい」発言にむくれていた。
「でも、よかった……あの三つ子ちゃんたち元気そうで」
「そうだな、安心したよ」
「ほんと、ほんと。新しい恋に出会って、幸せそうっすね」
空、半助、きり丸がしみじみと言う。
この騒ぎを他人事のように扱う三人に対し、利吉がたまらず叫んだ。
「ちょ、ちょっと、みんな、助けてくださいよ!ああもう、袖引っ張らないで!」
「あ~ん、りきちさぁん!」
「これから、いっちょにちゃみせにいって」
「『ちゅうげん(祝言)』のひどりをきめないと!」
「土井先生、空さん、きり丸!た、助けてぇぇぇ!」
結局、利吉が解放されたのは小間物屋に立ち寄っていた伝子と合流してからのことだった。
利吉が伝子を指しながら、「この人と親子関係にあります」と力説すると、その三姉妹は何も言わず、あっさりと身を引いたのだった。