35.この世界より、愛をこめて
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しんべヱのパパは差し出された入門票に難なくサインした。
小松田の顔が綻ぶ。
「ありがとうございます!……それにしても、今日はどのようなご用件で」
「実は……少し前に息子と土井先生からあることを依頼されてのう」
「あることって?」
「なんでも、ある人に贈り物をしたいと……それでワシは今日その相談をしに忍術学園 に来たんじゃ」
「へぇ、そうだったんですね」
ニコニコと応対する小松田に、しんべヱのパパは「あ」と短い声を上げた。
「小松田さん。まずは学園長殿に挨拶したいのじゃが……庵まで案内していただけますかな?」
「もちろんです!学園長とお話されているうちに午後の授業が終わると思いますから、そのときに土井先生としんべヱ君をお連れしますね」
「おお、助かる」
では、こちらへ……と小松田が手を広げる。
学園長の庵までしんべヱのパパを案内した。
***
それからほどなくして、午後の授業が終わった。
カーン、カンカンカン…とヘムヘムのついた鐘の音が学園中に響き渡る。
本日の一年は組の授業は半助も参加の実技の訓練であった。
校庭にて、伝蔵が厳かに授業の終わりを告げた。
「本日の授業はこれまでとする」
「ありがとうございました」
は組のみんなは引き締まった表情から一転して頬を緩ませている。
放課後へと突入した解放感に身を委ねていた。
「今日、何してあそぼっか?」
「裏山行ってみる?」
「いつもの庭で、お昼寝も捨てがたいんだけど~」
乱太郎、きり丸、しんべえが口々に話していた、そのときだった。
「あ、いたいた。土井先生にしんべヱ君!」
事務員の小松田がやって来たのだ。
そばにいた乱太郎、きり丸は珍しい組み合わせを指名したな、と目を丸くしている。
「小松田君?どうしたんだい?」
「土井先生、少し前にしんべヱ君のお父上が忍術学園にお見えになられました。今は学園長の庵にいらっしゃいます。なんでも、先日土井先生としんべヱ君から相談された件でここを訪ねた、とか……」
それを聞いて、半助としんべヱの顔に「!」マークが浮かぶ。
あることを思い出したようだ。
「土井先生……ひょっとして、ボクのパパ、アレを持ってきてくれたんじゃ?」
「そうかもしれないな。しんべヱ、学園長のところへ急ぐぞ」
「はい!」
二人はそのまま駆け出して行く。
「……」
しばし、ポカンとしていた乱太郎ときり丸だったが、乱太郎もまた心当たりがあるようで。
期待を表情にあらわして言った。
「もしかしたら、お風呂の時のあの話……進めていたのかもしれない」
「え?え?どういうことだ、乱太郎?」
「ふふふ……じゃあヒントをあげる。この件はね、きっと空さんに関係していることだよ、きり丸!」
もったいぶる乱太郎に、きり丸はブスッと頬を膨らませる。
「何だよ、それ。ますます気になるじゃんか」
「だからさ、私たちも土井先生たちについていってみない?しんべヱのパパさんにもご挨拶したいし」
「何だかよくわからないけど……おっし、行こうぜ行こうぜ!」
というわけで乱太郎もきり丸も急いで二人の後を追う。
(空君が関わっているとな……ふむ……)
この一部始終を黙って見ていた伝蔵も、乱太郎の話を聞いて興味がわいたようだ。
何より、半助が一枚嚙んでいるのがどうにも気になる。
「決めた、ワシも行こう!」
結局、伝蔵も学園長の庵を目指すのだった。
小松田の顔が綻ぶ。
「ありがとうございます!……それにしても、今日はどのようなご用件で」
「実は……少し前に息子と土井先生からあることを依頼されてのう」
「あることって?」
「なんでも、ある人に贈り物をしたいと……それでワシは今日その相談をしに
「へぇ、そうだったんですね」
ニコニコと応対する小松田に、しんべヱのパパは「あ」と短い声を上げた。
「小松田さん。まずは学園長殿に挨拶したいのじゃが……庵まで案内していただけますかな?」
「もちろんです!学園長とお話されているうちに午後の授業が終わると思いますから、そのときに土井先生としんべヱ君をお連れしますね」
「おお、助かる」
では、こちらへ……と小松田が手を広げる。
学園長の庵までしんべヱのパパを案内した。
***
それからほどなくして、午後の授業が終わった。
カーン、カンカンカン…とヘムヘムのついた鐘の音が学園中に響き渡る。
本日の一年は組の授業は半助も参加の実技の訓練であった。
校庭にて、伝蔵が厳かに授業の終わりを告げた。
「本日の授業はこれまでとする」
「ありがとうございました」
は組のみんなは引き締まった表情から一転して頬を緩ませている。
放課後へと突入した解放感に身を委ねていた。
「今日、何してあそぼっか?」
「裏山行ってみる?」
「いつもの庭で、お昼寝も捨てがたいんだけど~」
乱太郎、きり丸、しんべえが口々に話していた、そのときだった。
「あ、いたいた。土井先生にしんべヱ君!」
事務員の小松田がやって来たのだ。
そばにいた乱太郎、きり丸は珍しい組み合わせを指名したな、と目を丸くしている。
「小松田君?どうしたんだい?」
「土井先生、少し前にしんべヱ君のお父上が忍術学園にお見えになられました。今は学園長の庵にいらっしゃいます。なんでも、先日土井先生としんべヱ君から相談された件でここを訪ねた、とか……」
それを聞いて、半助としんべヱの顔に「!」マークが浮かぶ。
あることを思い出したようだ。
「土井先生……ひょっとして、ボクのパパ、アレを持ってきてくれたんじゃ?」
「そうかもしれないな。しんべヱ、学園長のところへ急ぐぞ」
「はい!」
二人はそのまま駆け出して行く。
「……」
しばし、ポカンとしていた乱太郎ときり丸だったが、乱太郎もまた心当たりがあるようで。
期待を表情にあらわして言った。
「もしかしたら、お風呂の時のあの話……進めていたのかもしれない」
「え?え?どういうことだ、乱太郎?」
「ふふふ……じゃあヒントをあげる。この件はね、きっと空さんに関係していることだよ、きり丸!」
もったいぶる乱太郎に、きり丸はブスッと頬を膨らませる。
「何だよ、それ。ますます気になるじゃんか」
「だからさ、私たちも土井先生たちについていってみない?しんべヱのパパさんにもご挨拶したいし」
「何だかよくわからないけど……おっし、行こうぜ行こうぜ!」
というわけで乱太郎もきり丸も急いで二人の後を追う。
(空君が関わっているとな……ふむ……)
この一部始終を黙って見ていた伝蔵も、乱太郎の話を聞いて興味がわいたようだ。
何より、半助が一枚嚙んでいるのがどうにも気になる。
「決めた、ワシも行こう!」
結局、伝蔵も学園長の庵を目指すのだった。