27.Crazy Rendezvous (Part 2)
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「きゃあ!どこ触ってるんですか!?放してください!!」
「空ちゃん!そんなこと言わずにさ、お願い~!どうしても戸部新左エ門と決闘したいんだよ~!」
先ほどまでの偉そうな態度から一転して、下手に出てしがみつく牧之介を空は振りほどこうとするが腕力では敵わない。
「もう!誰か、誰か助けて!」
身動きがとれず、パニック気味の空はまともに判断をくだすことができない。
そのときだった。
バシッ
急に重石がとれたように、身体の自由がきくようになったのだ。
「全く、何やっとるんだ……!」
息を切らした呆れ顔の半助がそこにはいた。
さっきの音は半助が牧之介を殴った音である。
というわけで、牧之介は倒れ、その場にのびている。
「土井先生!」
「探したよ。無事でよかった!」
半助は心底安堵していた。
うどん屋での話を聞いて、空の身に何かあったらどうしようかと気が気じゃなかったのだ。
「土井先生……」
まだ肩を上下させている半助の様子を見て、自分を必死になって探してくれたのが十分に伝わってくる。
(土井先生、絶対怒っているよね……。それにまた心配かけてしまったし……)
自分の軽はずみな行動を謝るべく、空は頭を下げようとした。
が、半助が口を開く方が早かった。
「さぁ、戻ろう。空君が見つかったこと、北石君に知らせないと」
そう言って、半助が手を差し出した。
「あ、あの……怒ってないんですか?」
「そりゃ、怒ってるけど……。私も悪いから」
「え……」
「北石君と世間話に夢中になって……君の知らない話だっただろうし、居心地悪くしてしまったよな。ごめん」
「……」
しばし、ふたりの間に沈黙がはしる。
お互い次の言葉が浮かんでこない状態だった。
ただ、差し出した半助の手は宙に浮いたままだ。
握り取ってくれない空に寂しさを感じていた。
「早く行こう。北石君、今頃必死で君を探してる。責任感じていたから」
半助は強引に空の手を取った。
大きい手の温もりを感じた瞬間、空の胸は高鳴っていく。
もう、不安は感じなかった。
「土井先生……」
「ほんっと君は目を離すといなくなるから。もうヒヤヒヤさせられるのは御免だ!」
「……」
「今日はもう……この手を離さないからな」
半助は強い口調でいうが、決して目を合わせようとはしなかった。
つっけんどんな態度の割に、半助は空の手をさらに強く握りしめる。
空はその行為がたまらなく嬉しかった。
ふと牧之介の言葉が、脳裏を掠める。
『大事なのはお前が今どうしたい、そういう気持ちなんじゃねえの?』
空は半助に向かって叫んでいた。
「土井先生.......本当にごめんなさい!勝手にいなくなって!」
「もう、いいよ」
話を終わらせようとする半助だったが、空は姿を消したもう一つの理由をどうしても伝えたくて、無理矢理会話を続けた。
「私……ふたりの話についてけなくて、寂しかったのもあるけど……。土井先生が北石さんと楽しそうに話してるのがなんていうか、その……」
「うん……」
「その……凄くイヤだった……」
その言葉を聞いて、半助はパッと空の方を見る。
空は耳まで顔を赤くしていた。
彼女なりに勇気を振り絞ったのだ。
「……!」
直前の言葉に恥じらいの態度。
それらが示すことを理解した瞬間、半助の心臓が激しく鼓動し始めた。
空の言動はあることを明白にしていた。
自分に妬いてくれたのだ、と。
「あのさ……、それってさ……、つまりその……?」
半助はさらに言葉を続けようとしたが、ふと誰かの視線を感じる。
復活した牧之介が二人のやりとりをじっと見ていたのだ。
「あの~、おたくら何やってんの?」
牧之介が二人に冷静に突っ込む。
その声で二人はハッと我に返り、サッと手を離した。
両者とも顔が赤い。
「そういえば、いたんだな。牧之介……」
完全に牧之介の存在を忘れていた半助たちなのだった。
「土井先生、牧之介さんを知ってるんですか?」
「……できればあまり関わりたくない胡散臭い自称・剣豪だ」
「え!?」
驚く空をよそに、聞き捨てならない台詞に牧之介は激怒する。
「胡散臭いとは何だ!それなら、土井半助、この俺様の刀を受けて見よ!」
牧之介が刀を抜き、半助に食って掛かる。
だが、次の瞬間、牧之介は石にけつまづいて転んでしまった。
「いたっ!」
牧之介は再度地面とキスする羽目になった。
「牧之介さん、大丈夫ですか!?」
「な、大したことないだろ?戸部先生の足元にも及ばないよ。それより空君が見つかったこと、急いで北石君に伝えないと」
そう言い終えて、大通りの方を振り向いた半助が何やら異変に気付く。
牧之介に構っているうちに、大通りは騒がしくなっていたのだ。
「空ちゃん!そんなこと言わずにさ、お願い~!どうしても戸部新左エ門と決闘したいんだよ~!」
先ほどまでの偉そうな態度から一転して、下手に出てしがみつく牧之介を空は振りほどこうとするが腕力では敵わない。
「もう!誰か、誰か助けて!」
身動きがとれず、パニック気味の空はまともに判断をくだすことができない。
そのときだった。
バシッ
急に重石がとれたように、身体の自由がきくようになったのだ。
「全く、何やっとるんだ……!」
息を切らした呆れ顔の半助がそこにはいた。
さっきの音は半助が牧之介を殴った音である。
というわけで、牧之介は倒れ、その場にのびている。
「土井先生!」
「探したよ。無事でよかった!」
半助は心底安堵していた。
うどん屋での話を聞いて、空の身に何かあったらどうしようかと気が気じゃなかったのだ。
「土井先生……」
まだ肩を上下させている半助の様子を見て、自分を必死になって探してくれたのが十分に伝わってくる。
(土井先生、絶対怒っているよね……。それにまた心配かけてしまったし……)
自分の軽はずみな行動を謝るべく、空は頭を下げようとした。
が、半助が口を開く方が早かった。
「さぁ、戻ろう。空君が見つかったこと、北石君に知らせないと」
そう言って、半助が手を差し出した。
「あ、あの……怒ってないんですか?」
「そりゃ、怒ってるけど……。私も悪いから」
「え……」
「北石君と世間話に夢中になって……君の知らない話だっただろうし、居心地悪くしてしまったよな。ごめん」
「……」
しばし、ふたりの間に沈黙がはしる。
お互い次の言葉が浮かんでこない状態だった。
ただ、差し出した半助の手は宙に浮いたままだ。
握り取ってくれない空に寂しさを感じていた。
「早く行こう。北石君、今頃必死で君を探してる。責任感じていたから」
半助は強引に空の手を取った。
大きい手の温もりを感じた瞬間、空の胸は高鳴っていく。
もう、不安は感じなかった。
「土井先生……」
「ほんっと君は目を離すといなくなるから。もうヒヤヒヤさせられるのは御免だ!」
「……」
「今日はもう……この手を離さないからな」
半助は強い口調でいうが、決して目を合わせようとはしなかった。
つっけんどんな態度の割に、半助は空の手をさらに強く握りしめる。
空はその行為がたまらなく嬉しかった。
ふと牧之介の言葉が、脳裏を掠める。
『大事なのはお前が今どうしたい、そういう気持ちなんじゃねえの?』
空は半助に向かって叫んでいた。
「土井先生.......本当にごめんなさい!勝手にいなくなって!」
「もう、いいよ」
話を終わらせようとする半助だったが、空は姿を消したもう一つの理由をどうしても伝えたくて、無理矢理会話を続けた。
「私……ふたりの話についてけなくて、寂しかったのもあるけど……。土井先生が北石さんと楽しそうに話してるのがなんていうか、その……」
「うん……」
「その……凄くイヤだった……」
その言葉を聞いて、半助はパッと空の方を見る。
空は耳まで顔を赤くしていた。
彼女なりに勇気を振り絞ったのだ。
「……!」
直前の言葉に恥じらいの態度。
それらが示すことを理解した瞬間、半助の心臓が激しく鼓動し始めた。
空の言動はあることを明白にしていた。
自分に妬いてくれたのだ、と。
「あのさ……、それってさ……、つまりその……?」
半助はさらに言葉を続けようとしたが、ふと誰かの視線を感じる。
復活した牧之介が二人のやりとりをじっと見ていたのだ。
「あの~、おたくら何やってんの?」
牧之介が二人に冷静に突っ込む。
その声で二人はハッと我に返り、サッと手を離した。
両者とも顔が赤い。
「そういえば、いたんだな。牧之介……」
完全に牧之介の存在を忘れていた半助たちなのだった。
「土井先生、牧之介さんを知ってるんですか?」
「……できればあまり関わりたくない胡散臭い自称・剣豪だ」
「え!?」
驚く空をよそに、聞き捨てならない台詞に牧之介は激怒する。
「胡散臭いとは何だ!それなら、土井半助、この俺様の刀を受けて見よ!」
牧之介が刀を抜き、半助に食って掛かる。
だが、次の瞬間、牧之介は石にけつまづいて転んでしまった。
「いたっ!」
牧之介は再度地面とキスする羽目になった。
「牧之介さん、大丈夫ですか!?」
「な、大したことないだろ?戸部先生の足元にも及ばないよ。それより空君が見つかったこと、急いで北石君に伝えないと」
そう言い終えて、大通りの方を振り向いた半助が何やら異変に気付く。
牧之介に構っているうちに、大通りは騒がしくなっていたのだ。