27.Crazy Rendezvous (Part 2)
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「いやぁー!久しぶりの飯はうんめぇ!」
空と道に倒れていた男は、橋のたもとの柳の木の下いた。
その木にふたりはもたれている。
あのあと、空は男のために慌てて近隣の店でおむすびを買い与えた。
男がおむすびをがっついている間、空はじっと見つめる。
男は刀を帯びていた。
(お侍さんかな?きっと、強いんだろうな……)
にしても、その割に図体がずんぐりむっくりしていて、それらしくないのは気のせいだろうか。
(あんなに夢中で食べて……)
男の食いっぷりのよさに、思わず顔が綻ぶ。
無事人助けできて、ほっとしていた空だったが、突然その男に話しかけられた。
「お前、いいやつだな!」
「へっ?」
「他の奴らは俺が倒れても見向きもしなかったのによ!」
「はぁ……」
男はにかっと笑う。
はっきり言って男性自体に魅力は感じなかったが、その笑顔には愛嬌が感じられた。
男はさらに馴れ馴れしく声をかけてくる。
「なぁ」
「は、はい……何ですか?」
「まだ腹減ってんだけど、もうちょっと何か食えねえか?」
「へっ!?」
助けてもらっておいて、図々しくも不躾なお願いに空はしばし呆気にとられる。
でも、あまりにも潔すぎて、意外にも嫌だと感じなかった。
「じゃあ、もう少し何か買ってきます。そこにお団子屋があるんで」
「おお、ありがてぇ!じゃあ、ここで待ってるぜ。よろしく!」
そう言うと、男は次の食べ物が来るまで待つ気満々でいる。
空はそれが無性に可笑しくて、不意に笑いがこぼれてしまった。
***
空が行き倒れの男と接触した頃、半助たちは空の戻りが遅いことを怪訝に思っていた。
「空君、席を外してから全然戻ってこないな……」
「ほんとですね……。もしかして、体調崩しちゃったとか!?私、厠を見てきます!」
北石がバッと立ち上がった瞬間、丁度店の女将が気まずそうに二人に声をかけてきた。
「あの、一緒に居た連れの娘さんだけど、店の勝手口からこっそり出てっちゃったよ」
「えっ!出てった!?」
驚きのあまり、半助と北石、二人の声が重なる。
女将はコクンと頷いてまた話を続けた。
「ああ……。すぐ戻ってくるから連れの方には黙っといてなんて言うからさ」
「……」
「まだ戻ってきてないとなると、あの娘 が少し心配で。いやね、最近この辺でガラの悪い不良たちが暴れ回っていて。集団で恐喝や強盗まがいのことしてるから。そいつらに絡まれたりしなければいいけどねぇ……」
その話を聞いて、二人は険しい表情になる。
空は忍者でもない普通の女性だ。
もし男たちに目をつけられ絡まれたりでもしたら、なす術もないだろう。
「すみません、私が調子にのって話しすぎちゃって!空さん、やっぱり気に障ったのかな……?」
とんでもないことをしてしまった、と北石は罪悪感に駆られる。
が、悔やんでも何も始まらない。
半助が北石に向かって叫んだ。
「とにかく、彼女を探そう!北石君、手伝ってくれる?」
「もちろん!じゃあ、私はこっちを探します!」
「わかった、私はあっちの方から見てみるよ」
二人は同時に頷いた後、それぞれの方向へと瞬時に消えていった。
空と道に倒れていた男は、橋のたもとの柳の木の下いた。
その木にふたりはもたれている。
あのあと、空は男のために慌てて近隣の店でおむすびを買い与えた。
男がおむすびをがっついている間、空はじっと見つめる。
男は刀を帯びていた。
(お侍さんかな?きっと、強いんだろうな……)
にしても、その割に図体がずんぐりむっくりしていて、それらしくないのは気のせいだろうか。
(あんなに夢中で食べて……)
男の食いっぷりのよさに、思わず顔が綻ぶ。
無事人助けできて、ほっとしていた空だったが、突然その男に話しかけられた。
「お前、いいやつだな!」
「へっ?」
「他の奴らは俺が倒れても見向きもしなかったのによ!」
「はぁ……」
男はにかっと笑う。
はっきり言って男性自体に魅力は感じなかったが、その笑顔には愛嬌が感じられた。
男はさらに馴れ馴れしく声をかけてくる。
「なぁ」
「は、はい……何ですか?」
「まだ腹減ってんだけど、もうちょっと何か食えねえか?」
「へっ!?」
助けてもらっておいて、図々しくも不躾なお願いに空はしばし呆気にとられる。
でも、あまりにも潔すぎて、意外にも嫌だと感じなかった。
「じゃあ、もう少し何か買ってきます。そこにお団子屋があるんで」
「おお、ありがてぇ!じゃあ、ここで待ってるぜ。よろしく!」
そう言うと、男は次の食べ物が来るまで待つ気満々でいる。
空はそれが無性に可笑しくて、不意に笑いがこぼれてしまった。
***
空が行き倒れの男と接触した頃、半助たちは空の戻りが遅いことを怪訝に思っていた。
「空君、席を外してから全然戻ってこないな……」
「ほんとですね……。もしかして、体調崩しちゃったとか!?私、厠を見てきます!」
北石がバッと立ち上がった瞬間、丁度店の女将が気まずそうに二人に声をかけてきた。
「あの、一緒に居た連れの娘さんだけど、店の勝手口からこっそり出てっちゃったよ」
「えっ!出てった!?」
驚きのあまり、半助と北石、二人の声が重なる。
女将はコクンと頷いてまた話を続けた。
「ああ……。すぐ戻ってくるから連れの方には黙っといてなんて言うからさ」
「……」
「まだ戻ってきてないとなると、あの
その話を聞いて、二人は険しい表情になる。
空は忍者でもない普通の女性だ。
もし男たちに目をつけられ絡まれたりでもしたら、なす術もないだろう。
「すみません、私が調子にのって話しすぎちゃって!空さん、やっぱり気に障ったのかな……?」
とんでもないことをしてしまった、と北石は罪悪感に駆られる。
が、悔やんでも何も始まらない。
半助が北石に向かって叫んだ。
「とにかく、彼女を探そう!北石君、手伝ってくれる?」
「もちろん!じゃあ、私はこっちを探します!」
「わかった、私はあっちの方から見てみるよ」
二人は同時に頷いた後、それぞれの方向へと瞬時に消えていった。