Lesson 0
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
某地方都市にある閑静な住宅街。
最寄りの駅から県庁所在地も兼ねる都市の中心部まで電車で20分とアクセスの良い場所に立地している。
周りはあまり特徴のない古い住宅が多い中、広い庭のついた築浅の白亜の家がその一角で際立っていた。
家の住人の趣味なのか、庭の一部に家庭菜園を楽しんでいるスペースがある。
そして、表札にはモダンな書体で字が刻まれている。
大木、という姓が――
家族の憩いの場である一階のだだっ広いリビングに、この家の長女である空の怒号が響く。
「いい加減にしてよ、お兄ちゃん!家の中、裸でウロウロしないでっていってるでしょ!」
「ぬわぁはっはっは!なんだなんだ、空?昨日から高校生になって色気づいたか?」
妹の注意に悪びれる様子もなく、風呂上がりで腰にタオルを巻いただけの青年は、長男の雅之助。
歳は二十二才である。
「どうだ、この肉体美……こんないい身体を拝める我が妹は実に幸せじゃのう」
「やだ、そんなに動かないでよ!タオルが取れたらどうするのよ!?」
空は慌ててあさっての方向を見る。
すると、視界に映ったのは、がさごそとスーパーの袋から買い出し品を取り出していく少年。
空はキッチン台に並べられた品々を見て、ゲッと顔をひきつらせる。
「きり丸!また今日の夕飯鶏肉なのぉ!?」
「だって、肉の中で一番安いし。それに、この鶏もも肉、タイムセールで何と100g68円!主婦たちに揉まれて大変だったんだぜ。褒めて、褒めて!」
ホクホク顔で頭上に戦利品を掲げるのは――雅之助と空の弟である末っ子、きり丸。
良く言えば、倹約家。悪く言えば、ドケチのきり丸に買い物を任せると、決まって特売品や値切りシールのついた食品しか買ってこない。
空が口を尖らせている。
「別にうち貧乏じゃないからさぁ。たまには他のお肉も食べたい……」
「そんなこと言わずにさぁ!おれ、姉ちゃんの作るチキン南蛮大好きだし!」
「そうだぞ、空。買い物に行ってくれて、その上、我が家の家計を管理してくれるとは……これほど殊勝な弟はおらんぞ!さすが、血を分けた我が弟。それに……」
「それに?」
「鶏肉は胸の成長に良いって言うぞ。食べ続けたら、ちったぁお前の見込みのない胸もおっきくなるんじゃないか?」
そう言うと、大木は魚一匹呑み込まんばかりの開いた口で爆笑する。
「あちゃー……」
きり丸が頭を押さえる。
彼にはこの後の展開が容易に想像できるのだ。
案の定、
「ぬわんですってぇえ!!」
と空の形相が夜叉へと変わる。
彼女のコンプレックスである胸の話題に触れるのは、この家ではご法度。
空が顔から湯気を出しながら、雅之助を縦横無尽、右往左往と家中追いかけ回す。
「待ちなさ~~い!」
「おお、怖い怖い!」
このドタバタは、一軒家だからできる芸当。
マンションだったら、確実に下の住人から苦情がくる迷惑案件である。
それでも、この追いかけっこは長く続かない。
素っ裸にタオルを巻いただけの姿で激しく動き回れば、何が起こるか想像できるであろう。
一枚の布が、はらりと地面に落ちた。
「おや?」
急に下半身に風を感じる。
雅之助がそう思った時には――
「きゃああああああああああ!!!」
きり丸が耳を塞ぐ。
トマトのように熟した顔の空から、今日一番の悲鳴が飛び出した。
最寄りの駅から県庁所在地も兼ねる都市の中心部まで電車で20分とアクセスの良い場所に立地している。
周りはあまり特徴のない古い住宅が多い中、広い庭のついた築浅の白亜の家がその一角で際立っていた。
家の住人の趣味なのか、庭の一部に家庭菜園を楽しんでいるスペースがある。
そして、表札にはモダンな書体で字が刻まれている。
大木、という姓が――
家族の憩いの場である一階のだだっ広いリビングに、この家の長女である空の怒号が響く。
「いい加減にしてよ、お兄ちゃん!家の中、裸でウロウロしないでっていってるでしょ!」
「ぬわぁはっはっは!なんだなんだ、空?昨日から高校生になって色気づいたか?」
妹の注意に悪びれる様子もなく、風呂上がりで腰にタオルを巻いただけの青年は、長男の雅之助。
歳は二十二才である。
「どうだ、この肉体美……こんないい身体を拝める我が妹は実に幸せじゃのう」
「やだ、そんなに動かないでよ!タオルが取れたらどうするのよ!?」
空は慌ててあさっての方向を見る。
すると、視界に映ったのは、がさごそとスーパーの袋から買い出し品を取り出していく少年。
空はキッチン台に並べられた品々を見て、ゲッと顔をひきつらせる。
「きり丸!また今日の夕飯鶏肉なのぉ!?」
「だって、肉の中で一番安いし。それに、この鶏もも肉、タイムセールで何と100g68円!主婦たちに揉まれて大変だったんだぜ。褒めて、褒めて!」
ホクホク顔で頭上に戦利品を掲げるのは――雅之助と空の弟である末っ子、きり丸。
良く言えば、倹約家。悪く言えば、ドケチのきり丸に買い物を任せると、決まって特売品や値切りシールのついた食品しか買ってこない。
空が口を尖らせている。
「別にうち貧乏じゃないからさぁ。たまには他のお肉も食べたい……」
「そんなこと言わずにさぁ!おれ、姉ちゃんの作るチキン南蛮大好きだし!」
「そうだぞ、空。買い物に行ってくれて、その上、我が家の家計を管理してくれるとは……これほど殊勝な弟はおらんぞ!さすが、血を分けた我が弟。それに……」
「それに?」
「鶏肉は胸の成長に良いって言うぞ。食べ続けたら、ちったぁお前の見込みのない胸もおっきくなるんじゃないか?」
そう言うと、大木は魚一匹呑み込まんばかりの開いた口で爆笑する。
「あちゃー……」
きり丸が頭を押さえる。
彼にはこの後の展開が容易に想像できるのだ。
案の定、
「ぬわんですってぇえ!!」
と空の形相が夜叉へと変わる。
彼女のコンプレックスである胸の話題に触れるのは、この家ではご法度。
空が顔から湯気を出しながら、雅之助を縦横無尽、右往左往と家中追いかけ回す。
「待ちなさ~~い!」
「おお、怖い怖い!」
このドタバタは、一軒家だからできる芸当。
マンションだったら、確実に下の住人から苦情がくる迷惑案件である。
それでも、この追いかけっこは長く続かない。
素っ裸にタオルを巻いただけの姿で激しく動き回れば、何が起こるか想像できるであろう。
一枚の布が、はらりと地面に落ちた。
「おや?」
急に下半身に風を感じる。
雅之助がそう思った時には――
「きゃああああああああああ!!!」
きり丸が耳を塞ぐ。
トマトのように熟した顔の空から、今日一番の悲鳴が飛び出した。
