正しい練り物の食べさせ方
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忍術学園、苦手克服強化月間。
それは、学園長の突然の思い付きで始まった。
一か月以内に各自自分の苦手なものを克服することが課せられた。
参加するのは生徒だけではない。
先生、事務員、忍術学園で生活する者全てが参加対象となっている。
学園長が一人ずつ面談してから課題を決めていくが、ある男の場合は面談もなしに即決まった。
一人一人出された課題をクリアしていく中、この男だけは、いつまでたっても課題に取り組もうとしない。
とうとう未達成者はその男一人を残すのみとなった。
全員達成という悲願を成し遂げる為、この状況に憂慮した忍術学園の有志たちが立ち上がり、急遽、学園内に緊急対策本部が設置された。
***
というわけで、忍術学園の食堂に設置された緊急対策本部内。
学園長、ヘムヘム、伝蔵そして食堂のおばちゃんがテーブルを囲んでいる。
「つい三日前、あのきり丸が落ちている小銭を10秒間我慢するっていう難課題をこなしたというのにのう……」
「へムゥ!」
「それに引き換え、あいつは全くやる気が感じられん……明らかに諦めておる」
「あの人のアレ嫌いにはほんと困ったわよねぇ……どうしたもんかしら」
三人と一匹が深刻な顔つきで意見を交わし合う中、一人の女性の声が飛び込んできた。
「皆さん、お茶が入りました。一息ついてください」
その声の主は食堂のお手伝いである空だった。
空がテーブルにお茶と茶菓子を置く様子を見た伝蔵は、何かを閃いたようで、突然力強く叫んだ。
「おお!そうだ!」
「どうしたんじゃ、伝蔵?」
「実はですね……、皆、お耳を」
皆を自分のもとへ招集させた伝蔵は、ヒソヒソと耳打ちする。
「おお!流石は伝蔵!その案で行こう!」
「へムゥ!」
「山田先生凄いわ!それならあの人もきっと課題に取り組むと思うわ」
(なんか良い案が浮かんだのかな……良かった良かった)
歓喜に沸く三人と一匹に、空は安心したようで、その場を立ち去ろうとする。
が、次の瞬間、彼らにがっしりと身体を取り押さえられていた。
いきなりのことに、空は慌てふためく。
「な、何なんですか、いきなり!」
「ごめんね、空ちゃん。ちょっと協力してもらうわよ」
「お願いじゃ!これは空ちゃんの助けがないとできんのじゃ」
「へムゥ」
「頼む!空君ならきっと良い結果を生んでくれるはず……!」
最初は戸惑っていた空だったが、皆にすがるような目でお願いされ、徐々に使命感に燃え始める。
「わ、わかりました!微力ながら、助太刀いたします!それで、具体的には何を……」
「それはだな、」
伝蔵がその内容を空の耳元で囁いた。
「えぇぇぇぇっ!!」
それを聞いて、緊急対策本部内に空の絶叫が響き渡る。
今、苦手克服強化月間全員達成に向けて、世紀のプロジェクトが始まろうとしていた。
それは、学園長の突然の思い付きで始まった。
一か月以内に各自自分の苦手なものを克服することが課せられた。
参加するのは生徒だけではない。
先生、事務員、忍術学園で生活する者全てが参加対象となっている。
学園長が一人ずつ面談してから課題を決めていくが、ある男の場合は面談もなしに即決まった。
一人一人出された課題をクリアしていく中、この男だけは、いつまでたっても課題に取り組もうとしない。
とうとう未達成者はその男一人を残すのみとなった。
全員達成という悲願を成し遂げる為、この状況に憂慮した忍術学園の有志たちが立ち上がり、急遽、学園内に緊急対策本部が設置された。
***
というわけで、忍術学園の食堂に設置された緊急対策本部内。
学園長、ヘムヘム、伝蔵そして食堂のおばちゃんがテーブルを囲んでいる。
「つい三日前、あのきり丸が落ちている小銭を10秒間我慢するっていう難課題をこなしたというのにのう……」
「へムゥ!」
「それに引き換え、あいつは全くやる気が感じられん……明らかに諦めておる」
「あの人のアレ嫌いにはほんと困ったわよねぇ……どうしたもんかしら」
三人と一匹が深刻な顔つきで意見を交わし合う中、一人の女性の声が飛び込んできた。
「皆さん、お茶が入りました。一息ついてください」
その声の主は食堂のお手伝いである空だった。
空がテーブルにお茶と茶菓子を置く様子を見た伝蔵は、何かを閃いたようで、突然力強く叫んだ。
「おお!そうだ!」
「どうしたんじゃ、伝蔵?」
「実はですね……、皆、お耳を」
皆を自分のもとへ招集させた伝蔵は、ヒソヒソと耳打ちする。
「おお!流石は伝蔵!その案で行こう!」
「へムゥ!」
「山田先生凄いわ!それならあの人もきっと課題に取り組むと思うわ」
(なんか良い案が浮かんだのかな……良かった良かった)
歓喜に沸く三人と一匹に、空は安心したようで、その場を立ち去ろうとする。
が、次の瞬間、彼らにがっしりと身体を取り押さえられていた。
いきなりのことに、空は慌てふためく。
「な、何なんですか、いきなり!」
「ごめんね、空ちゃん。ちょっと協力してもらうわよ」
「お願いじゃ!これは空ちゃんの助けがないとできんのじゃ」
「へムゥ」
「頼む!空君ならきっと良い結果を生んでくれるはず……!」
最初は戸惑っていた空だったが、皆にすがるような目でお願いされ、徐々に使命感に燃え始める。
「わ、わかりました!微力ながら、助太刀いたします!それで、具体的には何を……」
「それはだな、」
伝蔵がその内容を空の耳元で囁いた。
「えぇぇぇぇっ!!」
それを聞いて、緊急対策本部内に空の絶叫が響き渡る。
今、苦手克服強化月間全員達成に向けて、世紀のプロジェクトが始まろうとしていた。